2011年10月2日日曜日

会報かわうそ46号 2011年8月22日

会報 かわうそ 46号
       [発行責任者] 
         清流球磨川・川辺川を
         未来に手渡す流域郡市民の会
         共同代表 緒方俊一郎 岐部明廣
         熊本県人吉市九日町36-3F 
         2011年8月22日発行 TEL/FAX0966-24-9929

◆五木ダム建設中止へ!
 蒲島郁夫知事は7月20日、県営五木ダム建設中止の方針を明らかにしました。
 熊本県は中止の理由を「2004年から4年連続で発生した大雨による増水によってダム建設予定地下流の河床が下がり、洪水が起こる可能性は極めて低くなっているため」と説明しています。蒲島知事は白紙撤回表明した川辺川ダム同様、球磨川水系のダムによらない治水を追求する意向です。
 五木ダムは、旧川辺川ダム建設予定地の上流約20kmに計画された、高さ61mの巨大な穴あきダムでした。川辺川ダムにたまる堆砂を軽減させるために、ダムの高さ61mのうち40mが土砂で埋まってしまうという計画でした。
 建設予定地の五木村上荒地は地質が非常に悪く、ダムをつくれば非常に危険であること。ダムは水質日本一の川辺川の清流を破壊すること。穴あきダムにたまった土砂が流れ出し、長期にわたり川を濁すこと。ダムによる治水には限界があることなどを理由に、私たち「手渡す会」は一貫して五木ダムに反対してきました。蒲島知事の英断を、私たちは高く評価します。
 蒲島知事は7月26日、県公共工事再評価監視委員会に対し、県営五木ダムの建設中止を諮問しました。年内の答申を受けて、蒲島知事が最終判断することになります。
               熊本日日新聞 2011.7.20夕刊一面


          五木ダム予定地現地調査 2011.3.20


◆手渡す会・2010年11月~2011年8月の出来事
10.12. 5 集会「五木ダムもいらん~清流・川辺川を未来に手渡そう~」を開催(相良村体育館100名参加)
  12.14 「五木ダム建設中止を求める要望書」を熊本県あてに提出。
11. 2.17 「五木ダム建設計画に関してのお願い」を熊本県あてに提出。
  3.20 五木ダム現地調査(参加者30名)
  3.30 「五木ダム・路木ダム・立野ダム予算を東日本大震災の復興に回すことを求める要望書」を熊本県あてに提出。
  4.24 人吉市長に川辺川ダム反対の田中信孝氏再選
  7.20 蒲島知事、県営五木ダムの建設中止を正式表明。
  7.28 国土交通省の調査で川辺川が5年連続で水質日本一。
  8. 1 球磨川漁協が瀬戸石ダムの水利権更新に反対決議。
  8. 8 「五木ダム建設中止の方針表明に関してのお礼とお願い」を熊本県あてに提出。
              2011年新年会(青井神社)

◆ダムのない川と清流を未来に手渡していくために
 古代の文明のひとつであるメソポタミア(現在のシリア、イラク近辺)文明の遺跡からは多くの粘土書板が出土していますが、その中に「ギルガメシュ叙事詩」という神話と伝承が混在したような物語があります。ギルガメッシュとは半神、半人の英雄で、その英雄の物語が楔形文字で粘土板に書かれているそうです。
 その中に森を大規模に伐採した話と、大洪水に見舞われた話があります。二つの話は独立していますので、森を切ったら洪水が起きるという因果関係を明らかにするような記述ではありませんが、わざわざ後世にまで残すような出来事であったのでしょう。太古の人々は森と水の関係を正しく認識していたのでしょうか。多くの文明が、その源流に森を喪失したことにより崩壊しているように思えます。
 私たちの母なる清流球磨川にもまだまだ多くの難問が山積しています。放置人工林や大規模伐採、無意味な多くの砂防ダムや林道造成など、河川環境の悪化や水害の助長となるこれらに対処していかなくては、滅び去った文明と同じ運命をたどることになるやもしれません。
 私たち「手渡す会」は1993年の創設以来、18年間にわたり清流を未来に手渡すための活動を継続し、川辺川ダム中止、荒瀬ダム撤去、五木ダム中止を勝ち取りました。瀬戸石ダム水利権更新は2014年です。
 私たちが望む、豊かな清流を守り未来に手渡すために、これからも皆様ひとりひとりのご協力をお願いいたします。(事務局長 木本雅己)


◆人吉市長にダム反対の田中信孝氏再選!
 4月24日に投開票された人吉市長選挙で、「手渡す会」も推薦した田中信孝さんが再選されました。
 田中市長は、川辺川ダム反対の圧倒的な市民の声を真摯に受け止め、2008年9月に川辺川ダム反対を表明。その後の蒲島知事の川辺川ダム反対表明に大きな影響を与えました。
 田中市長は、選挙期間中の演説の場等においても、「清流を未来に手渡す」ことに関して、私たちと全く同じことを述べておられました。
 これまで川辺川ダム建設促進の旗頭的な立場を続けてきた、前市議会議長の大王英二氏に5000票以上の大差をつけての当選でした。今後も清流を守るためにがんばってほしいと思います。

              熊本日日新聞 2011.4.25


◆骨抜きとなってしまった「川辺川ダム建設促進協議会」
 川辺川ダム建設促進協議会(会長・柳詰恒雄球磨村長)の定期総会が、7月8日に人吉市で開かれ、ダムをめぐる状況変化を受けて昨年度に引き続き「ダム建設」から「ダム関連」に文言を変え、国などへ事業予算確保や特別措置法整備、球磨川流域の抜本的治水対策を求めていくことを確認しました。
 同会は、球磨川流域12市町村長で構成。そのうち、ダム反対の立場から2年前に脱会表明し、負担金も未納の徳田正臣相良村長はことしも欠席しました。また、ダム建設の最大の「受益地」とされていた八代市長も、人吉市長も、川辺川ダム反対の立場で、川辺川ダム建設促進の立場の首長は表面上はいなくなりました。
 10数年前、福永浩介人吉市長(当時の会長)を筆頭に、全ての流域の首長が強力に川辺川ダム建設促進を唱えていたころのことを考えれば、隔世の感があります。


◆球磨川漁協が瀬戸石ダムの水利権更新に反対!
  ~瀬戸石ダム水利権更新は2014年です~
 球磨川漁協は8月1日、人吉市で臨時総代会を開き、電源開発(株)の瀬戸石ダムについて、2014(平成26)年3月末で期限切れとなる水利権更新に同意しないとする議決を、賛成多数(賛成86人、反対2人)で可決しました。
 瀬戸石ダムは、熊本県が撤去を決めた荒瀬ダムの約10km上流にある、高さ26mの発電専用ダムです。1958年から運転を開始しましたが、同ダムにより半世紀以上アユは自然遡上ができず、球磨川の漁業に大きな損失を与えてきました。
 また瀬戸石ダムは、ダム湖周辺の洪水水位を押し上げ、ダムの底には土砂やヘドロがたまり、水質汚濁など環境にも悪影響を及ぼしてきました。
 瀬戸石ダムがなければ、洪水にたびたび襲われるダム湖周辺の地域は、洪水の水位がぐっと下がります。九州山地に降ったきれいな水と森林の栄養がそのまま八代海まで流れ、川も海も再生できます。
 漁民とともに、私たち住民も今こそ瀬戸石ダム撤去の声を上げる時です。水利権更新の2014年、3年後がダム撤去の最大のチャンスです。荒瀬ダムに続き、瀬戸石ダムも撤去し、美しい昔の球磨川を取り戻しましょう!


◆編集後記 
 今回の大震災で、想定値をもとにした災害対策の危うさをまざまざと感じました。被災した三陸海岸の多くの地域は、世界的にもまれな高さと厚さを誇る防潮堤で守られていました。しかし、大津波はその防潮堤をはるかに乗り越え、多くの自治体が壊滅的な被害を受けてしまったのです。わが熊本県は、路木ダム、立野ダムなど治水を目的としたダム建設計画をいまだにおし進めています。ダムに頼る治水は、想定以上の洪水には対処できません。想定以上の災害にも対処できるようなダムなし治水対策に改めるべきです。また、大震災の災害復旧には膨大な予算が必要となります。ムダなダム建設をはじめ、現在日本中に存在する不要不急の公共事業を全て凍結して、大震災の復興資金に投入すべきです。そうすれば、被災した方々も、多くの国民から支援されているという気持ちになられるに違いありません。(N.O.)

会報かわうそ45号 2010年11月15日

会報 かわうそ 45号
            [発行責任者] 
             清流球磨川・川辺川を
             未来に手渡す流域郡市民の会
               共同代表 緒方俊一郎 岐部明廣
               熊本県人吉市九日町36-3F
               TEL/FAX0966-24-9929
               2010年11月15日発行


◆川辺川ダムは中止でも五木ダムは復活か?
 五木ダムは、旧川辺川ダム建設予定地上流の五木村上荒地に計画された、高さ61mの巨大な穴あきダムです。川辺川ダムにたまる堆砂を軽減させるために、ダムの高さ61mのうち40mが土砂で埋まってしまうという計画です。1969年に工事に着手されましたが、本体工事は長年凍結状態が続いてきました。
 建設予定地の五木村上荒地は、地質が非常に悪いことで有名です。ダムサイト予定地には断層が何本も走り、周辺は崖の崩落が続き、崩れた土砂で旧道は完全に埋まっている状態です。ダムサイト予定地にある上荒地トンネル内部にも大きな亀裂が無数に発生しています。このような場所にダムをつくれば非常に危険であることは、現地を見れば一目でわかります。
 五木ダムは洪水調節を目的としていますが、洪水調節容量は220万㎥であり、旧川辺川ダム(8400万㎥)の約40分の1しかありません。
 穴あきダムにたまった土砂がとけ出し、長期にわたり川を濁すことは、川辺川上流の朴の木ダムを見ても明らかです。
 蒲島郁夫知事は10月13日、五木ダムを県公共事業再評価委員会の審議対象とする方針を明らかにしました。五木ダムは効果がないばかりでなく、非常に危険で、川辺川の環境にも大きなダメージを与えます。同封の集会に、是非ご参加ください。




           五木ダム建設予定地(五木村上荒地)

◆手渡す会・2009年10月~2010年10月の出来事
09.10.20 球磨川流域の「ダムによらない治水を検討する場」第5回会合。代替治水案を国土交通省が提案。意見書を提出。
 11.14 川辺川ダム中止・荒瀬ダム撤去を求め、八代市で県民大集会。(八代市厚生会館900名参加)
  12. 5 手渡す会総会・忘年会(くま川ハウス30名参加)
  12.20 荒瀬ダム撤去を求める住民大会(坂本公民館250名参加)
  12.22 球磨川流域の「ダムによらない治水を検討する場」第6回会合。国が提案した非ダム案でも洪水水位が大幅に低下。意見書提出。

10. 1.10 川辺川ダム反対諸団体の合同新年会。(青井神社100名参加)
  1.14 前原誠司国土交通大臣が「荒瀬ダム水利権更新は3月末の期限までに許可を出せない」と発言。蒲島知事は「だまし討ちにあった」と発言。
  2. 3 蒲島知事、荒瀬ダム撤去2012年度着手と再度方向転換。
  3.23 蒲島知事、2012年までの荒瀬ダム発電継続を断念。
  4. 1 荒瀬ダム水利権失効。荒瀬ダムのゲート全開。
  7.30 川辺川が1級河川水質ランキング4年連続日本一に。
  8.29 第14回川辺川現地調査。シンポジウムに200名参加。
 10.13 環境に配慮した川辺川の治水を求める意見書を国・県に提出。
           第14回川辺川現地調査 2010年8月29日


◆役員体制について(2009年総会の報告)
 2009年12月5日、「手渡す会」の総会をくま川ハウスで開きました。政権交代やダムによらない治水の検討など、新たな局面を迎えたダム問題に対応していくため、役員体制の強化、会則の一部変更などが提案され、いずれも承認されました。
 役員体制では、これまでの会長、副会長を廃し、会長に代わって「共同代表」としました。共同代表に前会長の緒方俊一郎さん(相良村)と前副会長の岐部明廣さん(人吉市)の2人。事務局長には手渡す会の発足以来努めてきた重松隆敏さんに代わり木本雅己さん(人吉市)、事務局次長に市花保さん(球磨村)、田副雄一さん(相良村)、緒方紀郎さん(熊本市)、会計に川辺敬子さん(人吉市)、監事に黒田弘行さん(人吉市)、帯金征一郎さん(相良村)、名誉顧問に重松隆敏さん(人吉市)、大山次郎さん(人吉市)、山下春男さん(人吉市)が選出されました。
              球磨川ハウスの定例会にて


◆2010年総会・忘年会のお知らせ
 12月13日(月)午後7時よりくま川ハウスで、2010年総会と忘年会を開きます。多数のご参加をお待ちしております。一品持ち寄り大歓迎です!


◆国交省「保水力」を都合よく改変
 10月24日の毎日新聞1面トップで、国交省がダム建設を推し進めるために川の治水計画の妥当性を検証する際、流域の保水力を示す「飽和雨量」の値をわざと変えてつじつま合わせをしていたことが明らかになりました。
 各地の住民団体は、戦後の拡大造林で山の多くがはげ山だった昭和30~40年代と比べ、木が成長した今は保水力が向上したとして、それを治水計画に反映させるよう主張してきました。
 これに対し国交省は、「はげ山」でも「豊かな森林」でも保水力は変わらない。治水計画策定時の計算式は近年の洪水に当てはめても実際に流れた量と合致するとして「保水力は不変」と反論してきました。
 10月12日の衆院予算委員会で、河野太郎氏(自民)の質問に答え、馬淵澄夫国交相が八ッ場ダムで揺れる利根川の治水を検証する際に用いた「飽和雨量」の値を初めて公表し、国交省のごまかしが明らかになりました。「検察のフロッピー書き換えか、それ以上の犯罪が行われている」と河野氏はブログに書いています。
 同じことが全国の河川で行われてきたと、国交省近畿地方整備局の元河川部長、宮本博司さん(57)も証言しています。2001年からの住民討論集会で私たち住民が主張してきたことが、実証されたといえます。
 40年以上も昔の山の状態をそのままあてはめた、基本高水流量をもとにした国の治水計画は、ダムを造るためのまやかしです。今後の治水は、どんな洪水が来ても被害が軽減できることを前提にすべきです。
  ※以上は、毎日新聞記者・福岡賢正さんの記事等を参考に書いたものです。


◆会計報告(2009.9.22~2010.9.30)
│収入の部 │ 金額 │備考 │
│繰越金 │ ▲438,500│
│年会費・カンパ │ 992,023│グッズの売上、雑収入なども含む│
│合計 │ 553,523│

│支出の部 │金額 │備考 │
│郵送費 │ 140,464│会報発送、資料発送 │
│交通費 │ 109,800│高速料金、ガソリン代など │
│事務用品費 │ 18,645│紙代、文具、印刷機インク代など│
│事務所維持費 │ 628,279│家賃、電気、電話など │
│その他 │ 105,294│会場費など │
│合計 │ 1,002,482│

(収入)553,523-(支出)1,002,482=▲448,959

◇「手渡す会」は、皆様方の年会費とご寄付のみで運営しております。年会費払込用紙(一口1000円)を同封させていただきました。今後とも、清流を未来に手渡す活動にご協力いただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。



◆荒瀬ダムに続き、瀬戸石ダムも撤去しよう!
 1955年、球磨川下流に荒瀬ダムが建設されて50年以上、住民はダムによる水質汚濁や水害被害などに悩まされ続けてきました。荒瀬ダム撤去は2002年、地元の要望を受け、当時の潮谷義子知事が表明。ダム撤去の全国初の試みとして注目されました。
 ところが2008年、蒲島郁夫新知事は独断で荒瀬ダム存続に方向転換し、大きな混乱を引き起こしました。しかしながら地元の強い要望を無視することはできず、蒲島知事は今年2月、荒瀬ダム撤去に2012年度に着手すると再度方向転換しました。
 4月1日、荒瀬ダムの水利権が失効し、荒瀬ダムはゲートを全開にしました。その後、球磨川の水は澄み、旧ダム湖の底から美しい瀬がいくつも出現しています。ゲート全開直後は河原もヘドロに覆われていたのが、梅雨の雨に洗い流され、ヘドロも全くなくなっています。ヘドロがたまって歩けなかった八代海の干潟にも砂が戻り、タイラギやマテガイなど多くの生き物も戻ってきました。
 荒瀬ダムの上流にある電源開発の瀬戸石ダムの水利権更新も2014年に迫っています。4年後がダム撤去のチャンスです。荒瀬ダムに続き、瀬戸石ダムも撤去し、美しい昔の球磨川を取り戻しましょう!


       旧荒瀬ダム湖をカヌーで下りました 2010年8月25日
                                  
◆編集後記
 先日、4月からのゲート全開により川の流れ復活した、かつて荒瀬ダム湖だった球磨川をカヌーで下りました。半年ほど前までここがダム湖の底だったとは考えられないほどの美しい流れでした。たくさんの水生昆虫もいて、自然の回復力に驚きました。しかし、最後の約3kmはダムの基礎部分(高さ約10m)があるため、いまだに水がたまっており、よどんで濁ってました。一日も早い荒瀬ダムの完全撤去が望まれます。◇蒲島知事は、建設する目的の全くない路木ダム(天草市)の本体工事を強行しました。国や県は、凍結状態の五木ダムを県公共事業再評価委員会にかけて復活させようともくろんでいるように思えます。ここで五木ダムの息の根を止めなければ、ゾンビのように生き返る可能性が十分考えられます。同封の五木ダム集会にご参加ください。(N.O.)

2010年1月14日木曜日

会報かわうそ44号 2009年10月12日

会報 かわうそ 44号
       [発行責任者] 
         清流球磨川・川辺川を
         未来に手渡す流域郡市民の会
         会長 緒方俊一郎  熊本県人吉市九日町36-3F 
         2009年10月12日発行 TEL/FAX0966-24-9929


◆前原誠司・国土交通大臣が川辺川ダム中止表明!
 これまで川辺川ダム反対を表明した、徳田正臣・相良村長、田中信孝・人吉市長、福島和敏・八代市長、蒲島郁夫・熊本県知事に続き、前原誠司・国土交通大臣が9月17日の就任会見で、川辺川ダム中止を表明しました。
 また前原氏は9月26日、川辺川現地を視察し、未着工のダム本体工事の中止をあらためて明言した上で、公共事業の中止で影響を受ける住民らへの補償制度を創設する法案を来年の通常国会に提出する考えを明らかにしました。
 流域の首長さんたちや県知事、そして新政権を動かしたのは、「川辺川ダムはいらない!」という流域住民や熊本県民の圧倒的な民意に他なりません。「ダムは水害をひきおこす」「ダムからの水はいらない」「清流を未来に!」と声を上げ続けた私たち流域住民の願いが、長い長い年月を経て、ようやく成就しようとしています。これまで長い間ご支援をいただいた会員・協力者の皆様方に、深く感謝いたします。
 しかし、川辺川ダム事業計画を完全に廃止させるまで、闘いはまだまだ続きます。前原大臣が表明したのはダム本体工事の中止であり、生活関連事業は(ダム事業として)継続するとしています。川辺川ダム中止が法律的に決まったのではありません。五木村の振興や、ダムによらない球磨川流域の治水対策をすすめる必要もあります。ダム建設をあきらめていない国交省の官僚や地方議員も多く存在しています。課題は山積しています。
 このような、今後の活動方針などについて話し合う「手渡す会」の総会を、来る12月5日(土)午後6時、くま川ハウスで開きます。忘年会もあわせて開きますので、ぜひご参加ください。

                熊日新聞 2009.9.18
◆手渡す会・08年11月~09年9月の出来事
08.11.16 「自然の営みを重視した球磨川の治水を考える集い」を開催。
     京都大学名誉教授の今本博健氏が講演。(人吉旅館70名参加)
  11.22 「荒瀬ダム撤去を実現する県民大集会」(坂本村800名参加)
  11.27 蒲島知事が荒瀬ダム存続を表明
09. 1.13 球磨川流域の「ダムによらない治水を検討する場」第1回会合。
  3.26 同上第2回会合。熊本県がダムなしの複合治水対策を提案。
  6. 8 同上第3回会合。
7.16 同上第4回会合。熊本県の複合治水対策を国交省が検証。
  8.22 第13回川辺川現地調査。住民大集会に150名参加。
  8.23 八代市長選挙で川辺川ダム反対の福島和敏氏が当選。
  8.30 総選挙で、川辺川ダム建設中止を政権公約(マニフェスト)で
     掲げていた民主党が圧勝。政権交代へ。熊本5区では川辺川ダム
     反対の中島隆利氏(社民)が復活当選。
  9.17 前原誠司・国土交通大臣が就任会見で、川辺川ダム中止を明言。
  9.26 前原国交大臣が、川辺川現地を視察。
◆松本幡郎先生を偲ぶ
 手渡す会の名誉会長として、長年、川辺川ダム建設反対の先頭に立たれていた地質学者の松本幡郎先生が7月8日、86歳で逝去されました。
 松本先生は火山地質の研究の第一人者で、熊本大学では建設省からの依頼で、川辺川ダム予定地の地質の研究をされました。その結果、ダムサイト予定地の地質は非常にもろく、ダムを建設するには適さないとの報告書をまとめられました。
 ところが建設省は、その報告書を完全に無視し、ダム建設を強引に進めました。昭和天皇に阿蘇山をご案内したという、保守王道におられた松本先生でしたが、理不尽な建設省への怒りはやまず、私達の運動の先頭に立たれていたのです。
 上の写真は2000年11月、鳩山由紀夫氏に川辺川ダムサイト予定地の地質を説明する松本先生です。今日、その鳩山氏が首相となり、国交大臣のダム中止表明を一緒に喜び合いたかったという思いがこみ上げてきます。天に向かって生える青竹の如く、嘘を嫌い、思いのまままっすぐに生きられた松本先生。安らかにお眠りください。
      鳩山由紀夫氏に川辺川の地質を説明する松本幡郎先生
      2000.11.3 民主党撮影



◆ダムによらない治水を検討する場
 昨年10月の蒲島郁夫知事と金子一義国土交通大臣(当時)の会談で設置が決まった「ダムによらない治水を検討する場」。球磨川流域12市町村も加わり、これまでに4回の会合が開かれました。
 第1回の会合で、国交省は流域に過去最大の被害をもたらした昭和40年7月水害と同規模の雨が降った場合、あちこちで堤防が決壊し2万世帯以上も浸水するなど、現実とかけ離れた被害を前提としたシュミレーションで危機感をあおろうとしました。
 その後、熊本県が提案したダム以外の治水策を実施した場合のシュミレーション結果を、第4回目で国交省が公表しました。それによると、大雨時の水位が現況より最大113センチ低下し、昭和40年7月と同規模の雨が降っても、ほとんどの堤防で、水位が堤防を超えることはありませんでした。
 治水は河川管理者の責務です。国交省は自らダムなしの治水案を示すべきです。政権も交代しました。今後は、流域住民やダムなし治水を研究している専門家も「検討する場」に参加し、住民参加による治水計画の策定ができるようにすべきです。


◆会計報告(2008.10.22~2009.9.21)
│収入の部 │ 金額 │備考 │
│繰越金 │ ▲447,665│ │
│年会費・カンパ │ 932,078│グッズの売上、雑収入なども含む│
│松本幡郎先生ご遺族より│ 200,000│
│合計 │ 684,413│ │
│支出の部 │  金額 │備考 │
│郵送費 │ 186,235│会報発送、資料発送 │
│交通費 │ 164,600│高速料金、ガソリン代など │
│事務用品費 │ 35,075│紙代、文具、印刷機インク代など│
│事務所維持費 │ 682,177│家賃、電気、電話など │
│その他 │ 54,826│会場費など │
│合計 │ 1,122,913│ │
(収入)684,413-(支出)1,122,913=▲438,500
◇「手渡す会」は、皆様方の年会費とご寄付のみで運営しております。年会費払 込用紙(一口1000円)を同封させていただきました。今後とも、清流を未来に 手渡す活動にご協力いただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。


◆荒瀬ダムを撤去し、清流球磨川を取り戻そう!
 8月23日の八代市長選挙で、川辺川ダム反対・荒瀬ダム撤去の福島和敏氏が当選しました。また総選挙の熊本5区でも、中島隆利氏(社民)が復活当選しました。民主党政権もスタートし、「ダブル政権交代」で荒瀬ダムをめぐる状況は大きく変わりました。
 荒瀬ダムは2002年、地元の要望を受け、当時の潮谷義子知事が撤去を表明。ダム撤去の全国初の試みとして注目されました。ところが、蒲島知事は昨年11月、財政難などを理由として荒瀬ダム存続に方向転換しました。
 民主党の菅直人・代表代行は昨年7月、荒瀬ダムを視察し、「自然回復事業というかたちで、撤去費をある程度、負担するべきだと考えている」と発言。民主党県連も、国に補助制度創設を求めています。
 荒瀬ダムの撤去は流域住民の長年の悲願であり、村や県議会でも議決されていた決定事項です。荒瀬ダムが建設されて50年以上、ダム湖周辺の住民は悪臭や放水時の振動、そしてダムによる水害被害に悩まされ続けてきました。川辺川ダムを完全中止し、荒瀬ダムを撤去し、球磨川の清流とアユの群れ、魚や貝が湧き出る八代海を取り戻しましょう。
 住民の声を新政権と蒲島知事に届けるために、11月14日に県民大集会を開きます。皆様、是非お集まりください。

             熊日新聞 2009.8.24

◆編集後記 
「手渡す会」は1993年の設立以来、川辺川ダム建設中止を求める多様な闘いと、多様な住民団体の要となり、活動を続けてきました。川辺川ダム事業審議委員会、川辺川利水裁判、住民討論集会、住民投票、球磨川漁協での闘い、収用委員会など、いくつもの大きな闘いを経てきました。川辺川ダムは「ムダな公共事業の典型」でしかない事実を住民に広く知ってもらう、様々な調査活動や集会なども継続してきました。◇そして現在、国交大臣も、熊本県も、多くの流域の首長も川辺川ダム反対を表明しました。「手渡す会」を結成した16年前を考えると、感慨深いものがあります。ここまで闘いを続けられたのも、皆様方のご支援と、圧倒的な民意があったからです。しかし、これでダムが止まったわけではありません。川辺川ダムが完全に廃止される日まで、今後とも手渡す会へのご協力をよろしくお願い致します。(N.O.)

【特集】追悼・松本幡郎先生

(特集)追悼・松本幡郎先生
   ※会報かわうそ44号に同封したものです



◆松本幡郎先生の記憶

   清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会 会長 緒方俊一郎

 松本幡郎先生の訃報に接し、驚きと共に大変残念な思いをしました。先生との思い出の初めは、人吉市での講演の後、私のうちにお泊りいただいたときのことです。先生のお話を、私ども夫婦は明け方まで眠い目をこすりながらも大変興味深く伺ったものでした。川辺川ダム予定地の地質について、熊本大学の助教授時代に建設省の依頼でダムサイトの地質を試掘坑の奥まで入って調査され、大変危険であることを報告したこと。しかし建設省の役人が、そのことを理解しないばかりか、礼儀をわきまえずに無礼な態度をとることに対して叱りつけて、彼らに言葉遣いから教えたこと。子供の頃、地質学者のお父様に連れられて阿蘇の赤い火が燃える火口を視察に行ったことなど、さまざまな話を聞かせていただきました。中でも阿蘇の地質について、天皇に親子2代にわたって御進講されたことをお聞きし驚いたものでした。

 松本幡郎先生は、お父様の後を継いで東北大学理学部を卒業され同じ地質学者となられ、火山研究では世界的な第一人者で、熊本市博物館協議会長など数多くの公職も勤められました。熱い心を持ち、終生青年のような進取の精神をもち続けられた方でした。川辺川ダム反対運動にご縁があって、晩年目が悪くなられても手渡す会の集会や新年会などには必ず参加され、若い会員との議論に参加されました。私達も先生がおいでになることを楽しみにしていました。一方で奥様を大変愛しておられ、また自慢にもなさって時々話の合間に出しておられましたので、先生ご夫婦の間柄は素晴らしいものだといつも思っていました。

 清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会の名誉会長をお願いし、快くお引き受けくださいました。先生からお聞きしたことは、先生の長年のご研究に基づいた大変素晴らしいものでありましたが、もっともっとお聞きしておけばよかったと残念な思いです。このたびの選挙で政権が交代し、新しい国土交通大臣が川辺川ダム建設中止を公表しました。そのことを直接先生のお耳に入れることが出来なかったことは残念ですが、幡郎先生のおかげで多くの先輩や仲間たちの思いが、もう一歩で実現するところまでたどり着きました。これも先生の科学に裏打ちされたご指導によるものです。先生、長い間のご指導有難うございました。 第1回現地調査のあと、人吉市内をパレードする松本先生、緒方俊一郎さんら     1997.8.31 緒方撮影

◆奄美の海に横当島という小さな火山島があります

                    木本雅己 

 「奄美の海に横当島という小さな火山島があります。川辺川ダム問題が解決したら、会の皆でそこに遊びに行きましょう。」タバコをくゆらせながら先生がそういわれてから、もう十年以上の年月が過ぎました。当時、川辺川ダム問題は混迷の度を深めており、解決の時がいつになるのやら、会の誰もが想像すらできませんでしたが、それから幾星霜、今日県民の多くがダム計画終焉の日がまじかであることを確信しています。もしも、その日に先生がおられるとしたら、皆で島行きの計画など話しながら、喜びに満ちたひと時をすごすことができるでしょうに。ダム反対の運動に大いなる力を奮われた先生とともにその日を喜べないことが残念でなりません。

 川辺川ダム予定地周辺の地質について、先生は「川辺川ダムの地学的問題」という冊子にその見解をまとめられています。これに対し当時の建設省は一言の反論も加えることができなかったことが、痛快な思い出として残っています。また国道445号線の瀬目トンネルのクラック発生についても、入念な調査をなされ、同トンネルが深刻な状況であることを指摘されました。結果として、国、県共同の「瀬目トンネル検討委員会」が設置され、改善に向けての事業が始まっています。

 先生は手渡す会の会合に出席されるのを楽しみにされていて、2ヶ月に一度くらいの割合で参加されていました。目と足が不自由になられてもひとりで電車で来られていました。いろんな肩書きをもたれていましたけれど、この会の名誉会長というのが一番いいなあと、よく笑っておられました。 松本先生、ありがとうございました。           松本先生と木本さん 大山次郎さん撮影

◆松本幡郎先生の思いで     

                           大山次郎

  先生と初めてお会いしたのは、1996(平成8)年2月16日の夜でした。場所は人吉旅館で、私以外にも何人かの人がいました。翌日、五木村に行くことが決まりました。同行したのは原さんと木本さんだったと思います。頭地の五木東小学校の入口角に小さい旅館がありました。女将さんが懐かしそうに先生のお顔を見ておられました。朝から雨が降っていました。女将さんが石油ストーブに火をいれて、お茶を淹れてくれました。この時の状況を見ていて、私は先生の人柄を半分は理解したつもりです。先生が「ここの女将の天気予報は当たるんだ」と言われました。女将さん、北の遠い灰色の空をじっと見ていました。女将さんが言いました「昼から雨はあがるかもしれない」。ほんとに昼から雨があがりました。宮園の先、工事現場でパイプで組み立てた階段を先生はさっさと登る、その速いこと驚きました。雨で滑る階段を恐る恐る下を見ないように私は上がりました。

 先生といろんな所に行きましたが、北海道大学地質学名誉教授の八木健三先生が五木村に来られたとき、お二人の先生の会話の中に、たえずサンドストーンがでてきます。これだけは覚えとかないかんと思い、サンドストーンは砂岩で、ライムストーンは石灰岩であることを頭の中にいれました。建設省が出している「川辺川ダム事業について」というパンフレットの中のダムサイトの地質については、われわれ素人には一言の意見さえ言える立場ではありません。しかし、松本先生が建設省の資料を基に調べていただいた結果、ここの岩石については強いけれども、山そのものからして、ここにアーチ型のダムを作ることは構造的に問題であり危険でさえある。これに対して建設省は正面きって反論ができませんでした。ダム反対をするわれわれにとって、これ以上の理論的にも科学的にも確信をえたものはありません。それからのわれわれの運動は大きく前進したのです。


2010年1月13日水曜日

会報かわうそ43号 2008年11月3日

会報 かわうそ 43号 
      [発行責任者]
         清流球磨川・川辺川を
         未来に手渡す流域郡市民の会
         会長 緒方俊一郎 熊本県人吉市九日町36-3F
         2008年11月3日発行 TEL/FAX0966-24-9929


◆相良村長・人吉市長・熊本県知事が川辺川ダム反対表明!
 川辺川ダムについて、「建設予定地」とされた徳田正臣・相良村長、「最大受益地」とされた田中信孝・人吉市長、蒲島郁夫・熊本県知事が相次いでダム反対を表明しました。
 「川辺川ダムはいらない」という流域住民の圧倒的な民意を反映した決断を、高く高く評価します。 その後の世論調査でも知事表明を支持する県民は85%にも上り、その姿勢はあらゆる方面から高く評価されています。
 福田前首相も、麻生首相も、川辺川ダムについて「地元の意向を優先すべき」「熊本県知事の判断を重く受け止める」と表明しました。また、毎日新聞によると、川辺川ダム建設計画について日本土木工業協会の葉山莞児会長(大成建設会長)は10月2日、「地元がいらないと言うのならば、造ることはない」との考えを示しました。
 これまで川辺川ダム計画があったがために、流域の河川改修は大幅に遅れました。連続堤防で河道を固定してしまえば、川底に土砂がたまるのは当然の結果です。たまった土砂を取り除けば、洪水時の水位は確実に下がります。また、ダムによらない治水対策である河道の整備や森林の整備は、地元業者が受注でき、地域振興にもつながります。
 しかし、国土交通省は川辺川ダム建設をあきらめていないようです。そこで、京都大学名誉教授の今本博健さんに再度、球磨川流域を現地調査していただき、住民が考える球磨川の治水案について検証する集会を開きます。皆様、是非ご参加ください。


◆手渡す会・2008年7月~10月の出来事
08. 7. 6 蒲島知事が球磨川流域を視察。
  7.12 川辺川ダム有識者会議の現地視察。13日には住民と意見交換。
  7.27 蒲島知事が八代市と人吉市(29日)で川辺川ダム公聴会を開催。
  8. 3 集会「川辺川ダムはいらん!荒瀬ダムを撤去し清流を未来に」
     に1350人が参加。(人吉カルチャーパレス大ホール)
  8.12 国土交通省の調査で、川辺川の水質が2年連続日本一に。
  8.14 川辺川ダム有識者会議の第7回会合。
  8.20 国が球磨川の治水目標を下げる方向(20~30年に1度)で検討し
     ていることが報道される。
  8.22 川辺川ダム有識者会議の最終会合。川辺川ダムの現計画を否定。
     「ダムをつくらずに洪水に対応する方法もありえる」と付記。
  8.24 第12回川辺川現地調査。シンポジウムに350人が参加。
  8.25 国土交通省、蒲島知事へ川辺川「穴あきダム」を初提示。
  8.27 蒲島知事、流域市町村から意見聴取。
  8.29 ダム建設予定地の徳田正臣・相良村長が川辺川ダム反対表明。
  9.2 最大受益地とされた田中信孝・人吉市長が川辺川ダム反対表明。
  9.5 蒲島知事、県議会各会派から意見聴取。
  9.7 熊本市で「今さらダムはいらない緊急パレード」。300人参加。
  9.11 蒲島郁夫・熊本県知事が川辺川ダム反対表明。
  9.15 熊本日日新聞の世論調査で、県民の85%が川辺川ダム反対の知
     事判断を支持。
10. 9 手渡す会など6団体が「住民が望む自然の営みを重視した球磨川
     の治水案」を蒲島知事に提出。

◆川辺川第一ダムが決壊!
 五木村の板木地区にある、九州電力の川辺川第一ダム(通称:板木ダム)が、6月下旬の大雨により決壊しました。板木ダムは、高さ11.5m、堤長71.5m。1937年につくられた発電専用のコンクリート重力式ダムです。
 決壊したのはダムの右岸側で、8つの水門のうち2門が完全に崩壊しています。これから老朽化を迎える日本全国の無数のダムの末路を現しているように見えてなりません。

       決壊した川辺川第一ダム 2008.7.12 緒方撮影

◆「川辺川ダムはいらん!荒瀬ダムを撤去し 清流を未来に」に1350人が参加。

 8月3日、「川辺川ダムはいらん!荒瀬ダムを撤去し清流を未来に」と題した
集会を開きました。相良村長、人吉市長、そして蒲島知事に住民の意思を伝えるために、会場の人吉カルチャーパレス大ホールは1350人の参加で満席となりました。

 実行委員長の岐部明廣さん(手渡す会副会長)の挨拶のあと、実行委員会スタッフがスライドを使い川辺川ダムと荒瀬ダム問題の現状を説明。その後、水害被害者や漁民など流域住民の代表6名が、「ダムは水害を引き起こす」「ダムを撤去して天然アユを取り戻そう」などと題して意見発表しました。潮谷義子・前知事も荒瀬ダム撤去について「あらゆるシュミレーションの結果」と強調。「環境立県としてダムを撤去し、清流を取り戻すことが大事」と述べました。

 川辺川利水訴訟弁護団長の板井優さんは「住民の要求をくみ取らなければ、水俣病と同じくいつまでも対立と混乱をもたらす」と指摘。ガンバロー三唱で感動のうちに集会は終わりました。(写真は人吉新聞より)

   集会「川辺川ダムはいらん!」 2008.8.3 人吉新聞より

◆会計報告(2008.5.22~2008.10.21)

収入の部       繰越金 ▲117,394  年会費・カンパ 234,717  合計  117,323

支出の部       郵送費   135,620  交通費   59,000  高速料金、ガソリン代など 事務用品費   28,396  紙代、文具、印刷機インク代など  事務所維持費 299,404  家賃、電気、電話など   その他 42,568  会場費など   合計  564,988

(収入)117,323-(支出)564,988=▲447,665◇「手渡す会」は、皆様方の年会費とご寄付のみで運営しております。2009年分の年会費(一口1000円)払込用紙を前倒しで同封させていただきました。この機会にぜひ会員になっていただき、清流を未来に手渡す活動にご協力いただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

◆荒瀬ダム撤去を実現する県民大集会を開きます!
 蒲島知事は6月4日、県営荒瀬ダムの撤去方針を凍結すると唐突に発表しました。荒瀬ダムが建設されて50年以上、ダム湖周辺の住民は悪臭や放水時の振動、そしてダムによる水害被害に悩まされ続けてきました。

 ダムができる以前、球磨川河口には、どこまでも歩いていける砂干潟が広がり、その先には広大な藻場がありました。それが、ダム完成後はダムが土砂や栄養分を溜め込むようになりました。本来、海に下るべき栄養分が、ダムにたまるとヘドロと化します。ダムの下流に流れてくるのはヘドロばかりとなり、砂干潟は消滅し、球磨川や八代海の漁獲高も激減しました。

 近年、荒瀬ダム撤去に向けて試験的に行われている荒瀬ダムのゲート開放により、球磨川河口の干潟に砂が戻り始め、赤潮の発生も少なくなっています。荒瀬ダムを撤去し、球磨川の清流とアユの群れ、魚や貝が湧き出る八代海を取り戻しましょう。 荒瀬ダムの目的は「発電」だけであり、農業用水などの「水がめ」としての役割はありません。荒瀬ダムの撤去は流域住民の長年の悲願であり、村や県議会でも議決された決定事項です。住民の声を蒲島知事に届けるために、荒瀬ダムのある坂本町で県民大集会を開きます。皆様、是非お集まりください。

          熊本日日新聞 2002.11.29

◆編集後記 1993年に「手渡す会」を設立して15年間、計43号の会報をお送りしてきましたが、今回が一番うれしい便りをお届けすることができました。この間の会員や協力者の皆様方のご協力に深く感謝します。しかし、川辺川ダム問題はこれで終ったわけではなく、解決すべき問題は山積しています。国交省が方向転換するまで、今後も運動を続けていかなければなりません。◇この機会に、これまでの会報「かわうそ」を第1号から順次、ブログにアップしています。15年間の活動を振り返り、今後にいかしたいと思います。http://tewatasukai.blogspot.com/ をご覧ください。当時のさまざまな写真も見ることができます。◇現在、会報発送名簿の整理をしています。記載間違いや住所変更などがありましたなら、振替用紙の通信欄に書かれるか、葉書・FAX等でお知らせください。今後とも手渡す会へのご協力をよろしくお願い致します。(N.O.)



2010年1月12日火曜日

会報かわうそ42号 2008年7月7日

会報 かわうそ 42号   
          [発行責任者]
           清流球磨川・川辺川を
           未来に手渡す流域郡市民の会
            会長 緒方俊一郎 熊本県人吉市九日町36-3F
            2008年7月7日発行 TEL/FAX0966-24-9929



◆8月3日は人吉カルチャーパレスへ!!
  川辺川ダムはいらん!
  ~荒瀬ダムを撤去し清流を未来へ~
 計画発表から42年目を迎えた川辺川ダム事業。ダム建設の「目的」だった農業利水、発電の事業者が昨年、相次いで撤退を表明。残るダム建設の「目的」は治水だけとなりましたが、球磨川流域で近年の記録的な豪雨で浸水したのは、改修が完成していない地区ばかりです。
 また、球磨川流域で浸水被害にあわれた方々に聞き取り調査した結果を見ても、ダム以外の治水
対策を求められている方が67戸で、治水対策に川辺川ダム建設を望まれる方は、わずか2戸でした。
 さらには、最近の世論調査を見ても、川辺川ダム反対が賛成を大きく上回っています。特に熊本日日新聞の調査(3月17日付)では、地元球磨人吉が最も反対が多く、68.5%にも上っています。川辺川ダムに対する民意は明らかです。
 そのような中、3月の県知事選挙で当選した蒲島郁夫氏は、川辺川ダムの是非を判断するために「有識者会議」を設置し、9月議会で川辺川ダムに対する態度を明らかにするとしています。また、川辺川ダムに「中立」姿勢の田中信孝・人吉市長も、8月中に態度を明らかにするといいます。
 そこで、「川辺川ダムも荒瀬ダムもいらない!」という流域住民の声を人吉市長と県知事に届けるために、8月3日に流域住民大集会を開きます。皆様、人吉カルチャーパレスに是非お集まりください。

              熊本日日新聞 2008.3.17


◆手渡す会・2008年1月~6月の出来事
08. 3.17 熊本日日新聞の世論調査で、県民の58.4%が川辺川ダム反対。
     賛成16.6%。地元の球磨人吉では、ダム反対が68.5%。
  3.23 熊本県知事選挙で、蒲島郁夫氏が当選。
  4.29 ブックレット「ダムは水害をひきおこす」出版記念集会(相良
     体育館200名参加)。
  4.30 蒲島郁夫知事が川辺川ダムの是非を判断するために設置した「有
     識者会議」のメンバー9氏を発表。
  5.15 川辺川ダム有識者会議の第1回会合。「流域住民や水害被災者の
     意思を真摯に受け入れること」などを求める要望書を提出。
  5.18 球磨川漁協の総代選挙で川辺川ダム反対派、3分の1以上を確保。
  5.23 人吉市の川辺川ダム公聴会が終了。ダム反対意見が圧倒的多数。
  5.30 川辺川ダム有識者会議の第2回会合。「住民が考えた治水代替案
     について住民に説明させること」などを求める要望書を提出。
  6. 4 蒲島郁夫知事が、荒瀬ダムの撤去「凍結」を唐突に表明。
  6. 5 荒瀬ダムの撤去「凍結」に対し、蒲島知事に抗議文を提出。
  6.10 荒瀬ダムの撤去「凍結」に対し、蒲島知事に公開質問状を提出。
  6.10 川辺川ダム有識者会議の第3回会合。新たな治水対策に言及。
  6.18 相良村議会が「ダムによらない治水に関する意見書」を可決。
     19日には横山良継議長ら議員7名が県に同意見書を提出。
  6.23 「荒瀬ダム撤去を実現する県民ネットワーク」が県庁近くで集
     会(150名参加)。代表者ら30名が蒲島知事に抗議。
  6.27 川辺川ダム有識者会議の第4回会合。


◆相良村議会「ダムによらない治水
 を求める意見書」を可決!
 川辺川ダム建設予定地のある相良村の村議会は6月18日、蒲島郁夫知事あての「ダムによらない治水に関する意見書」を可決しました。意見書は、9月までに川辺川ダムの是非を判断する意向の知事に、地元議会の意見をくみ取ることも求めています。 意見書は「清流川辺川を未来へ引き渡していくのは村民の責務」と指摘した上で、市民団体が同村などで実施した治水対策の聞き取り調査を引用。「水害被災者のほとんどが堤防のかさ上げやたい積土砂除去、宅地移転などダム以外の治水方法を求めるものだった」と指摘。「議会としてもこの結果は、相良村民の民意を示したものと考えている。ダム建設について判断する際には、村議会の意見もくみ取ってほしい」としています。


◆人吉市の川辺川ダム公聴会、
   ダム反対意見がほとんど!
 田中信孝・人吉市長が川辺川ダム建設の賛否を決めるための判断材料とする公聴会が、5月22日と23日に人吉カルチャーパレスで開かれました。
 ダム建設賛成意見を聴いた22日の参加者は延べ54人、発言は7件(賛成意見はわずかに1件)。反対意見を聴いた23日の参加者は延べ209人、発言は48件(うち反対意見は47件)でした。
 水害被害者による「市房ダムができて水害がひどくなった。川辺川ダムも不要だ」という意見や「きれいな球磨川があってこそ人吉の観光は成り立つ」「アユがいる球磨川・川辺川を残したい」「農林業を盛んにして森林の保水能力を高めるべきだ」「国も県も財政難。税金で巨大公共事業をする余裕はない」など、ダム建設による水質や環境の悪化を懸念する声が多く出ました。
 反対意見が圧倒的多数を占めたことに、田中市長は「人数は関係ない」と強調。発言内容や各種データなどを参考にした上で、8月中旬までにダム計画の是非を判断する方針といいます。
出版記念集会「ダムは水害をひきおこす」(相良体育館2008.4.29)緒方撮影

◆会計報告(2007.12.22~2008.5.21)

│収入の部 │ 金額 │備考 ││繰越金 │ ▲302,855││年会費・カンパ │   914,783│グッズの売上、雑収入なども含む││合計 │   611,928│ │
│支出の部 │  金額 │備考 ││郵送費 │  158,545│会報発送、資料発送 ││交通費 │ 196,843│有識者会議傍聴4回分ほか ││事務用品費 │  32,315│紙代、文具、印刷機修理費など│
│事務所維持費 │  288,243│家賃、電気、電話など ││その他 │  53,376│書籍代、会場費など ││合計 │   729,322│

│(収入)611,928-(支出)729,322=▲117,394
◇東京で行われた有識者会議傍聴の交通費などで、今回も赤字会計です。2008年 分の年会費未納の方は、郵便振替「01970-1-27826」手渡す会宛 にお振込みいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

◆蒲島知事は、荒瀬ダム撤去 「凍結」を撤回せよ!
 蒲島知事は、県営荒瀬ダムの撤去方針を凍結すると、唐突に発表しました。「県財政再建」「温暖化対策」を理由に上げていますが、ちょっと待っていただきたい。

 まず、荒瀬ダム撤去は、ダムによる水害被害や河川環境の破壊などを受けてきた流域住民が、求め続けた結果だということです。住民の思いや現在に至る長い経緯を、着任して2ヶ月の知事は認識しているのでしょうか。 荒瀬ダムを撤去すれば、球磨川の河川環境が今より飛躍的によくなることは、荒瀬ダムがゲートを全開したときの球磨川を見ても明らかです。球磨川と八代海の漁業や観光も繁栄し、財政から考えても有形無形で大きな公益を県民にもたらすはずです。それとは反対に荒瀬ダムを継続すれば、今後もダムの維持管理費、ダムにたまった土砂やヘドロの撤去、ダム湖周辺の護岸や道路の補修などが、ダムが存在する限り必要となります。ダムが寿命を迎える日には、当然撤去費用も必要です。

 ダムが環境や生態系に甚大な打撃を与えることは、世界的にも常識となっています。広大な森林を水没させ、川の流れを分断し、湖底にヘドロを堆積させるなど、クリーンエネルギーとはとても言えません。知事は表明を撤回すべきです。

荒瀬ダムゲート全開時にダム湖底から出現した清流(坂本町中津道2004.1.24)緒方撮影

◆編集後記 昨年5月から、球磨川流域の12市町村など計53会場で開催された、国土交通省の「川づくり報告会」に、約1400名の流域住民が参加しました。私たちも、ほとんどの会場で参加・傍聴したのですが、参加した住民から、川辺川ダム建設を望む意見は全くと言ってよいほど出ませんでした。国土交通省・八代河川国道事務所のホームページに公開された発言記録を見ても、河川改修などすぐにできる治水対策を求める声がほとんどで、全発言数887件のうち「治水のために川辺川ダムが必要」との発言はわずか4件でした。川のそばに住んでいる者が、川の怖さも知っているし、川の恵みも理解しています。その住民の意見を取り入れれば、より効果的な治水対策が安く、そして早く実現できるはずです。国土交通省は、今こそ住民の声に耳を傾けるべきです。(N.O.)

2010年1月11日月曜日

会報かわうそ41号 2008年2月11日

会報 かわうそ 41号 
 [発行責任者]   清流球磨川・川辺川を
             未来に手渡す流域郡市民の会
             会長 緒方俊一郎 
             熊本県人吉市九日町36-3F
   2008年2月11日発行 TEL/FAX0966-24-9929


◆利水・発電が撤退!
  ~ダムなしの河川整備計画策定を!!~
 今年、川辺川ダムは計画発表から42年を迎えました。昨年、農水省が「利水」から、電源開発が「発電」から相次いで撤退し、多目的ダム法に基く「川辺川ダム事業」は白紙状態、違法状態にあります。 
 残るダム建設の「目的」は治水だけとなりましたが、球磨川流域で近年の台風で浸水したのは、改修が完成していない地区ばかりです。
 昨年5月から、流域など53会場で行われた国土交通省の「川づくり報告会」でも、河川改修など、すぐにできる治水対策を求める声がほとんどで、住民からダム建設を望む意見は全くと言ってよいほど出ませんでした。
 昨年は、流域の政治地図も激変しました。まず、3月にダム推進の旗頭だった福永浩介・人吉市長が収賄容疑で逮捕。4月の統一地方選挙では、人吉市で「ダム建設に中立」の田中信孝氏が当選。錦町、あさぎり町ではダム利水促進だった町長が落選しました。さらには、西村久徳・五木村長が選挙違反で失職。新村長の和田拓也氏は就任会見で、ダム推進の「旗振り役」を務める意思がないことを明言しました。
 コンクリートのダムには寿命があります。球磨川下流の荒瀬ダムは、2010年から撤去されます。川辺川ダムを建設したとしても、ダムが寿命を迎える将来、球磨川の治水は一からやり直しです。高さ107mもの巨大なダムや、ダム湖に堆積する膨大な土砂を撤去するには、膨大な費用と新たな環境への負荷がかかります。 今年こそ、国土交通省は民意を反映させ、河道整備や森林の整備などによる、ダムなしの河川整備計画を策定すべきです。

     緊急集会「球磨川の未来は住民の手で」
     相良村体育館にて 
           2007.11.13 緒方撮影
◆手渡す会・2007年3月~2007年12月の出来事
07. 3.23 第11回河川整備基本方針検討小委員会が、川辺川ダム前提の方針案を了承。潮谷義子知事、「了承できない」と反発。
  3.24 球磨川漁協の臨時総代会。木下組合長ら理事11人を解任。
  4.19 国土交通省の河川分科会は、川辺川ダム前提の河川整備基本方針案を了承。潮谷義子知事、「納得していない」と譲らず。
  4.22 人吉市長選挙で、「川辺川ダム建設に中立」の田中信孝氏が当選。錦町、あさぎり町でもダム利水事業促進だった町長が落選。
  5. 1 「手渡す会」が田中信孝・人吉市長に対し、川辺川ダム建設促進協議会の会長に就任しないよう求める要望書を提出。
  5.14 河川整備基本方針などを報告する国土交通省の「くまがわ・明日の川づくり報告会」が球磨村神瀬からスタート。住民から川辺川ダム建設を望む声はなし。
  5.14 人吉球磨の6市町村の首長会議。川辺川利水「国営」軸に協議再開。
  5.28 熊本日日新聞の県民意識調査で、川辺川ダム建設「見合わせ」「中止」が59%。ダム建設を求める人はわずか6%。
  6.15 電源開発が、川辺川ダム計画の発電から撤退。ダム建設目的から利水に続き発電も外れる。
  8.21 国交省の河川水質調査で、川辺川が水質全国1位となる。
  8.26 第11回川辺川現地調査。シンポジウムに250名が参加。
  9. 6 西村久徳五木村長が失職。選挙違反で連座制適用。
  10.21 五木村村長に新人の和田拓也氏が当選。
  11.13 相良村で緊急集会「球磨川流域の未来は住民の手で」村内外から260名が参加。
  11.21 関係市町村の合意できず、川辺川利水事業休止へ。
  12. 6 潮谷義子知事が、次期県知事選挙に出馬しないことを表明。
  12.14 相良村の矢上雅義村長が、相良村議会で次期県知事選挙への出馬を正式表明。川辺川ダム計画については「政治決着図る」。
  12.17 住民討論集会のコーディネータで活躍した、元熊本県地域振興部長の鎌倉孝幸氏が、次期知事選挙への出馬を正式表明。川辺川ダム計画については「潮谷県政を継承」。
  12.20 2008年度政府予算の財務省原案に、国営川辺川土地改良事業(利水事業)費は盛り込まれず。事業の休止が確定。川辺川ダム本体工事費も5年連続盛り込まれず。

◆相良村長選挙に田口道夫さん出馬表明!
 3月23日に投票が行われる相良村長選挙に、相良村元収入役の田口道夫さんが出馬表明しました。 一昨年の11月以来、ダム建設予定地である相良村の村長と村議会は、川辺川ダム建設に反対してきました。川辺川ダム建設を完全に中止させ、清流を未来に手渡すためには、再びダム反対の村長を誕生させることが不可欠です。ご協力の程、よろしくお願い致します。

◆「水質日本一」の川辺川の異変
 国土交通省の水質ランキングで昨年8月、川辺川が全国一位となりました。しかし、川辺川の河川環境はここ数年で大きく悪化しています。 以前は、大雨のあと1週間もすれば澄みきった流れに戻っていたのが、2005年9月の台風14号以来、川辺川上流部の朴木(ほうのき)砂防ダムなどに堆積した大量の土砂が少しの雨でも溶け出し、川辺川の濁りは長期化するようになりました。 また、以前はきれいな丸石だった河原の多くが「砂浜」に変わっています。川底にも砂がたまっているところが驚くほど増えています。石や礫が砂防ダムでカットされ、土砂しか下流に流れてこなくなったのが原因です。 以前の川辺川に戻すには、本流にある朴木砂防ダムなどの「穴あきダム」を撤去し、山腹崩壊を防ぐためにも間伐をすすめ、山林を保全していくことが不可欠です。そして、川辺川にこれ以上ダムを造ってはなりません。

     川辺川上流部の
     朴木(ほうのき)砂防ダム
     上流(写真右側)に大量の土砂が堆積しているが、
     お盆すぎから上流下流ともに澄んだ流れに戻った
             2007.8.18 緒方撮影
◆会計報告(2007.2.22~2007.12.21)
│収入の部 │ 金額 │備考 │
│繰越金 │ ▲545,682│
│年会費・カンパ │ 1,547,496│グッズの売上、雑収入なども含む│
│合計 │ 1,001,814│ │
│支出の部 │  金額 │備考 │
│郵送費 │  254,555│会報発送、資料発送 │
│交通費 │ 369,400│東京行動3回分(小委員会)ほか│
│事務用品費 │  70,217│紙代、文具、印刷機修理費など│
│事務所維持費 │  536,762│家賃、電気、電話など │

│その他 │  73,735│各団体への負担金、会場費ほか│
│合計 │ 1,304,669│

(収入)1,001,814-(支出)1,304,669=▲302,855
◇3回の東京行動などで今回も赤字会計です。「手渡す会」は、皆様方の年会費とご寄付のみで運営しております。2008年分の年会費(一口1000円)払込用紙を同封させていただきました。ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

◆熊本県知事選挙、
  川辺川ダム問題が最大の争点に!
 昨年12月6日の県議会で、残念なことに潮谷義子知事が今春の県知事選挙に出馬しないことを表明しました。
 3月6日告示の知事選では、球磨郡相良村長の矢上雅義氏(47)、元県地域振興部長の鎌倉孝幸氏(61)ら5名が出馬表明し、各報道を見ても川辺川ダム問題が最大の争点となっています。
 1月22日に「県民の会」など川辺川ダム反対52団体が候補者に送付した川辺川ダム問題に関する公開質問状では、4人がダム建設に反対・中止だと回答しました。5名いずれも保守系の候補者であるのに、ダム建設促進の候補者が一人もいないのは驚きでした。
 出馬表明当初からダム建設反対を掲げていた矢上氏は、「県知事として川辺川ダムは不要であるという明確なメッセージを国土交通大臣に伝える」と主張。鎌倉氏は、「住民討論集会を通して、多目的ダムとしての必要性がなくなった」 と主張しています。
 一方、蒲島郁夫氏(61)は、「川辺川ダム建設に賛成か反対か」という問いには回答せず、「第三者委員会を設置し、結論を出してもらう」と主張しています。 これは、川辺川ダム建設「見合わせ」「中止」59%、ダム建設「推進」6%(熊本日日新聞2007.5.28)という県民世論を全く無視したもです。地元の意 思を全く無視した河川整備基本計画を検討した小委員会でも明らかのように、これでは地元の混乱を拡大させるだけだと言わざるを得ません。 3月23日の県知事選挙では、川辺川ダム反対・中止の候補者が当選するよう、皆様方のご協力をよろしくお願い致します。

◆編集後記
 川辺川ダムが、科学技術分野の重大な事故・失敗例を集めた文部科学省の外郭団体「科学技術振興機構」がまとめた『失敗百選』に選ばれました。失敗百選には、チェルノブイリ原発事故、日航ジャンボ機墜落事故なども選ばれています。川辺川ダムの事例は「事業を早く実行しようとして、合意を得る作業を蔑ろにすると住民の反発から、事業の中断あるいは再検討という事態に陥る危険性があり、むしろ多くの時間と費用がかかることになる」とまとめてあります。インターネットが使える人は、「失敗百選」「川辺川」で検索してみてください。◇昨年12月、農水大臣は国営川辺川土地改良事業の休止宣言を出しました。次は、国土交通大臣が川辺川ダム事業計画の廃止宣言を出す番です。清流を未来の子ども達に手渡すために、今年も頑張りましょう!(N.O.)