2008年10月13日月曜日

会報かわうそ9号 1995年2月20日発行

会報 かわうそ 9号  
         [発行責任者]
           清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
           流域郡市民の会 会長 池井 良暢
              1995年2月20日発行

◆阪神大震災「新交通システム崩壊」を唯一人警告していた
 生越忠氏「川辺川ダムは安全か」講演会 
   3月5日(日)人吉文化センターにて開催します!
 このたび、元和光大学教授で、著名な地質学者である理学博士・生越忠先生をお招きして、講演会を開くことになりました。生越さんは、昨年6月人吉で開かれた「九州住民運動交流集会」で来人され、川辺川ダムサイト予定地と五木村の頭地代替地を調査されました。
 先生は、「ダムサイト予定地周辺は四万十層で、見たところ硬い地質だが、脆くて壊れやすい。頭地代替地は、崩落土砂が溜ってできた平地のようで、集中豪雨などで大きな地滑りを起こす可能性がある。さらに、旧五木銅山から鉱毒水が流れ出て、貯溜水が汚染する恐れもある」などと指摘されました。
 これに対して建設省は、「現在までの調査では問題ない」としていましたが、ダム予定地近くには活断層もあり、川辺川ダムは本当に安全なのか、という視点で今回お話をお聞きしたいと思います。
 生越さんは、今回の阪神大震災による「新交通システムの崩壊」を、唯一人鑑定書を書いて6年前に指摘されていました。この事は、2月5日号のサンデー毎日にも詳しく報道されました。
 集会の益金は、全額震災の被災者の方々へ寄付します。今回、郡市内の皆様にはチケットを2枚同封させていただきました。ご家族・ご友人お誘い合わせの上、多数のご参加をお願いします。なお、チケットの精算は、当日会場受付けでお願いします。

◇山下弘文パネルデイスカッション
 生越さんの講演会の後半は、日本湿地ネットワーク事務局長の山下弘文さんを司会に、ダム見直し候補者を含むパネラー達が川辺川ダム問題についてのパネルデイスカッションを行います。候補者が勇気を持って統一地方選挙を戦えるように、1人でも多くのご参加をお願い致します。
      ダム問題を考える市民大会 人吉文化センター 
        1995年3月5日 緒方撮影


◆川辺川ダム関連費用を阪神大震災の復旧費に転用せよ!
 「不要・不急の大規模公共事業の予算と資源と技術と設備・組織・人を、阪神大震災の災害復旧事業に転用すべきだ」という世論が盛り上がりつつあります。地域住民の大多数が望んでいない川辺川ダム関係の予算(来年度はダム70億、利水4億)も復興資金に充てるべきです。


◆「環境こそ宝」を心に
  大石武一・初代環境庁長官が講演
 12月17日、人吉カルチャーパレス小ホールで、初代環境庁長官で自民党の代議士会長も務められた大石武一さんを迎え講演会を開きました。会場では約400名の市民が熱心に聴講しました。
 大石さんは、東北帝大医学部卒の医学博士で、衆議院議員として当選10回、参議院議員として当選1回を果たし、長年国政に携わってこられました。昭和46年には初代環境庁長官に就任、51年には農水大臣も務め、現在は財団法人緑の地球防衛基金会長、全国畜産農協連合会会長なども務めており、ダムを例に環境の重要性を説かれました。
 大石さんは、政治はヒューマニズム(人間性)が最も大切だと力説されました。また、現在の林野庁による森林破壊や、縦割り行政の問題点、長期政権による政治の腐敗や、政官財の癒着を力を込めて批判されました。
 また、毎日新聞記者の福岡賢正さんの著書「国が川を壊す理由」を絶賛されました。「役人は30年も前の川辺川ダム計画を押し通そうとする。社会情勢は変わっているのに、変わらないのはダムを造るということだけ。住民の意見を聞くことが大切であり、上から押し付けるのは間違いだ」と力説されました。
 最後に、「国語の勉強で、尾瀬を守るために力を尽くされた大石さんに感動しました」という八代市の小学6年生、右田しずかさんが花束を贈呈し、講演会は感動のうちに終わりました。
    講演会あとの大石武一さんを囲んでの交流会 くま川ハウス
     1994年12月17日 手渡す会撮影

     大石武一さんと緒方俊一郎さん、緒方紀郎さん
       くま川ハウス 1994年12月17日 手渡す会撮影


◆「アメリカのダム開発は終わった!」
  ビアード米国開墾局総裁、来日する
 合衆国開墾局総裁、ダニエル・ビアード氏が2月15日、日本弁護士連合会主催のフォーラムに出席のために来日しました。
 世界で最も有名な大型ダム開発機関の長であるビアード氏は、昨年5月にブルガリアで開催された「国際かんがい排水委員会」の年総会において、「アメリカにおけるダム建設の時代は終わった」と述べ、開墾局の大規模な灌漑計画のほとんどが経済的でなかった事を認めました。他の先進諸国も同様の動きを見せています。日本も見習うべきです。

◆3月こそは採択を!
 12月人吉市議会本会議が行われた22日朝、市民約50名が市役所前で横断幕を掲げて「川辺川ダム見直し陳情書」の採択を求めました。しかし、残念な事に市民1万9千名の意思に反し、9月議会に続いて継続審議となってしまいました。
 3月の議会においては、是非採択するよう、議員さん達に声をかけてください。議会は市民の代表なのです!

◆手渡す会・12月~1月の出来事
12/5  人吉市議会ダム問題対策特別委員会と2回目の意見交歓会
   11 「孫子に残そう清流球磨川じいちゃん・ばあちゃんの会」発足
   14 福岡県星野村村議らと「ダム反対」で情報交換会
   15 人吉市議会へ「川辺川ダム建設見直し」陳情署名追加提出 
      (これまでの累計6万1021名、人吉市1万8789、市外4万2232)
   17 初代環境庁長官・大石武一氏「ダムと環境を語る」講演会
          (カルチャー小ホール  400名)
   21 国営川辺川土地改良事業への「異議申立書」 
     対象農家の約1/3の1153戸分提出 
   22 人吉市議会「川辺川ダム見直し陳情書」9月に続いて継続審議に
      市役所前で陳情書採択要求行動  50名参加 
   31 「ちょっと待て、川辺川ダム」清流リレーマラソン
       (人吉市~熊本県庁)  20名参加
1月上旬  統一地方選挙に向けての候補者および「市民の会」発足への調整
1/26  シンポジウム「公共事業をチエック」(全国連絡会ほか主催)に参加(東京)、川辺川ダム問題を全国にアピール
  29  「ダム問題を考える市民の会」発足
2/15  フォーラム「川と開発を考える」(東京)に参加。ビアード総裁に、川辺川ダム問題を訴える。

◇会計報告(94、12、3~95、2、15)
収入の部      金額       備考 
年会費・カンパ   770,822 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計         770,822  
支出の部      金額       備考 
郵送費        33,670 資料発送、署名用紙発送、領収はがき代など 
紙代         56,444 署名用紙、ニュース、ビラ、資料など  
事務用品費      5,468 封筒、文具、印刷外注費など  
事務所維持費   200,639 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費         120,000 東京延べ3人分  
前回までの個人立替分  19,109 
その他         31,969 器材借用費、地区集会公民館使用料ほか 
合計         467,299 
 (収入)    (支出) 
770,822-467,299=303,523円
◆会員の皆様、協力者の皆様、市民の皆様のご協力により、手渡す会始まって以来の黒字会計となりました。今後、県や国への働き掛けや、日本の官僚や政治家には大きな圧力となる「ニューヨークタイムズ」への意見公告掲載など、多様な活動を考えております。引き続き、ご協力をよろしくお願い致します。

◆「ダム問題を考える市民の会」が発足しました
 来る4月23日の統一地方選挙に、川辺川ダム反対や見直しの立場を表明する「市議会議員、県議会議員、人吉市長」の立候補者を支援する目的で、ダム問題を考える市民の会が結成されました。発会式は1月29日、青井神社で約40名を集めて行われました。決定事項は、下記の通りです。
◇基本方針
 郷土の未来を奪う川辺川ダム建設の本体着工を阻止する。みんなの知恵とやる気を生かす、市民参加の開かれた市政をめざす。
◇事業内容
 公開質問状の送付。チラシ発行、配布などの広報活動。ダム反対や見直し候補者への支援活動。
◇役員   
会長 外山敬次郎
副会長 馴田章 鶴上寛治 岡富郎 重松隆敏    
相談役 平野政利 吉村伯舟 西清説 堀尾芳人 山下春男   
理事 山賀勝彦 吉村勝徳 大山嘉子 下田猪熊 小山道子 藤原宏   
事務局長 木本雅己    
事務局員 厚地宣行 東慶治郎 佐藤亮一 宮田正治   
会計責任者 川辺良信   
監事 三原竹二 桑原克彦 佐東チヨキ  
会員 当会の主旨に賛同する個人もしくは団体を会員とします。
■会費は一口1000円です。多くの方の参加を御願いいたします。入会連絡先は、くま川ハウス内、川辺良信までよろしくお願いいたします。

◆編集後記 
 寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしですか。くま川ハウスのスタッフも風邪をひきつつ頑張っています。2月15日にはアメリカから開墾局のビアード総裁が来日し、講演会とダム問題についてのシンポジュームが東京で開催されました。開墾局はアメリカのダム建設の最高権威です。今後アメリカはダムに頼らない水問題の解決を目指すと、明言しています。くま川ハウスからも二人のスタッフが参加し、総裁に川辺川ダム問題の現状を綴った英文を手渡し、直訴しました。21世紀は環境第一の時代になります。みんなの手で川辺川ダム建設を阻止しましょう。(M.K)