2008年10月31日金曜日

会報かわうそ21号 1998年11月30日発行

会報 かわうそ 21号     
        [発行責任者]       
         清流球磨川・川辺川を        
         未来に手渡す流域郡市民の会          
         会長 池井 良暢  熊本県人吉市新町16番地       
         1998年11月30日発行 TEL・FAX0966-24-9929


◆「川辺川ダム基本計画変更」に
     3850人が異議申し立て! 
 ~みんなの声でダム建設を中止に~
 建設省は、川辺川ダムの総事業費や工期を大幅に引き伸ばす基本計画の変更を6月9日に告示しました。これに対して「手渡す会」など各市民グループは、ダム建設の目的や規模は何ら見直されていないことから、計画変更には納得できないとして行政不服審査法に基づき異議申し立てを行いました。 皮切りは、7月29日に建設省川辺川工事事務所に提出した743人分。その後、福岡の九州地方建設局や東京の建設省本省にも続々と提出され、建設大臣に直接郵送された分も含め、異議申し立てを行った住民は3850人(事務局把握分)に上っています。
 異議申し立て書は、「ダム建設の目的は科学的な吟味を経ていないし、地域住民の意思を正しく反映してもいない」とし、異議申し立ての理由として「建設目的が喪失したダム事業に巨額の税金を投入すべきでない」「ダムは堆砂に埋まり将来災害の発生源になる」「球磨川本流の市房ダムとの統合管理は不可能」など、論点は70通り以上にのぼります。
 また、水没予定地区3人を含む42人の五木村民が異議申し立てを行ったことは、五木村民の意思が形として現れた注目すべき事実です。「五木村民に犠牲を強いるダム建設の推進は許せない」「国は五木村民のさまざまな被害・犠牲を認め、十分な生活再建策を講じよ」「ダム建設の目的はなくなり、これでは五木村民は犬死にではないか」などと村民は訴えています。
 その後、9月7日には「口頭意見陳述の申し立て書」を提出しました。前例のない事態のためか、建設省の対応は慎重そのもの。「特定多目的ダム法と行政不服審査法に基づいて審査する」と答えるにとどまっています。
     異議申立書の提出 建設省川辺川工事事務所(相良村)
     左から木本雅己さん、堀尾芳人さん、西村忠孝さん、重松隆敏さんら
       1998.7.29 緒方撮影
       異議申立書の提出 建設省川辺川工事事務所(相良村)
         1998.7.29 緒方撮影
◆手渡す会・7月~11月の出来事
98. 7. 4 建設省川辺川ダム説明会(人吉市チサンホテル)。事業に異議を
      唱える意見相次ぐ。
  7.12 公共事業のあり方を問題提起している五十嵐敬喜・法政大教授ら
      が川辺川現地調査。
  7.29 川辺川ダム基本計画変更に743人が異議申し立て。
  8. 7 異議申し立て2780人に。
  8.13 農水省が、川辺川利水事業を「公表せず再検討」していたことが
      新聞報道で明らかになる。
  8.14 川辺川利水訴訟原告団が「原告側の声も聞くべき」と抗議。
  8.20 異議申し立て3850人に。(事務局把握分)。
  8.22~ 第2回清流・川辺川現地調査(400名参加)
  9. 7 異議申し立て「口頭意見陳述の申し立て書」を提出。
  9. 8 五木村の水没2団体、新たな補償基準を建設省に要求。
  9.10 川辺川利水事業「再検討」問題緊急シンポジウム(熊本市)
  9.18 人吉市議会で、川辺川ダム建設促進と見直し陳情8件、採決され 
      ずに継続審議に。
  10. 8川辺川利水裁判・第8回口頭弁論(熊本地裁)
  10.12「川辺川ダム建設見直しの要望書」を流域首長・議会に提出。
  10.15重松事務局長ら上京し、建設・農水省に事業見直しや情報公開を
      求める要望書を提出。
  10.16シンポジウム「川を守るのは誰か」(東京)150名参加。
  11. 1国土問題研究会、川辺川現地調査開始。(主に治水問題)

◆人吉市議会関連
 9月人吉市議会において、『ダム問題特別委員会』でこれまで継続審議になっていた、川辺川ダム建設に関する8件の陳情のうち「早期着工」3件を採択、「建設見直し」5件を不採択という報告がなされ、本来であればそのまま本会議を通過するものが、本会議において数々の疑問や意見が噴出し、議会は紛糾。結局採決は行われずに一転、『ダム問題特別委員会』に差し戻されました。
 市の有権者の過半数が「ダム見直し」陳情署名を提出していたにもかかわらず、ダム促進決議が強行採決された4年前の市議会と比べれば、ようやく市民の声が議会に届き始めたとも言えるのではないでしょうか。

◆川辺川利水問題関連
 計画中の川辺川ダムから水を引こうとする川辺川利水事業の必要性を、農水省が再検討していることが8月に新聞報道で明らかになりました。この再評価システムは、昨年12月に当時の橋本首相が公共事業の効率的な執行と透明性確保を課題として導入を表明したものです。
 ところが、再評価の対象事業や審議日程さえ事前には公表しないまま、すでに結論の取りまとめにはいっているとのことです。審議過程をオープンにしなければ、住民の声は反映されず、事業者にとって都合のいい結論が出るだけです。
 農水省は「土地改良区からの意見聴取で農民の声を聞いた」と言っているとのことですが、改良区組合員は337人しかおらず、対象農家のほんの一部でしかありません。ところが、この利水事業は不要として裁判所に訴えた農家(原告団)からは、対象農家の過半数を越える2000人以上に達しているにも拘らず、意見聴取さえなかったそうです。一体、誰のための、何のための「事業見直し」なのでしょうか。
 また、10月8日の口答弁論で、農水省は死者76人から同意を取ったことを認めました。さらに、農水省は同意署名の達成ノルマを関係市町村に課していたことも新聞報道で明らかになりました。農水省が計画変更の「錦の御旗」とする同意書のずさんさは、ますます浮き彫りにされています。

◆会計報告(98、6、27~98、11、21) 
収入の部      金額       備考 
繰越金        504,019 
年会費・カンパ   788,443 グッズの売上、雑収入なども含む  
合計       1,292,462  
支出の部      金額       備考 
郵送費        151,540 会報発送、資料発送など  
紙代          24,191 会報、チラシ、資料など  
事務用品費      89,206 タックシール、印刷機インクマスターロールなど 
事務所維持費   451,715 家賃、電気、電話、コピー機、水道など 
旅費         59,800 栃木1名、高速料金など  
その他        14,700 NGOの会負担金、鍵工事費  
合計         791,152   
(収入)1,292,462-(支出)791,152=501,310円
◆今年度の年会費(1,000円)未納の方は、ご協力何卒よろしくお願い致します。カンパも大歓迎です。カンパ・会費は、下記までお願い致します。郵便振替「01970-1-27826」 「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」 

◆川辺川ダム・代替案の検討を進めよう!
 建設省は、川辺川ダムに代わる治水対策について、堤防かさ上げなど5つの対案を比較検討したとしています。「いずれの案よりもダムが最良の策だ」とのことですが、まず、治水対策のもととなっている基本高水流量が過大に設定されていると、多くの専門家が指摘しています。
 さらに、5つの案を別々に切り離して検討し、その中の1つの案のみで過大に設定されたピーク流量をカバーしようとする点が問題です。真の治水対策を考えるためには、個々の治水対策案が環境に与える影響やコストなども考慮しながら、複数の対策を組み合わせて、それらの良いところを生かせるような形で、総合的に検討すべきです。
 11月1日、国土問題研究会の上野さんらの現地調査に同行しました。川辺川合流点から上流の球磨川を、水上村までさかのぼりました。建設省が検討した「遊水地候補地」は、球磨川の連続堤防ができるまでは多くが現役の遊水地であったことや、建設省の代替案では、これら「遊水地候補地」を全て買い上げ、掘り下げることになっているので膨大なコストがかかってしまうことが分かりました。 ピーク流量を適正に設定すれば、遊水池や森林を保全して『緑のダム』を育てるなどの手段を複合的に使って、ダムなしでも治水対策はできるはずです。川辺川ダム建設中止後の『治水代替案』検討を進める時期にさしかかっています。(国土研調査の詳細は、同封の新聞記事をご覧ください)
     球磨川流域を現地調査する国土問題研究会の上野さんら
      1998.11.1 緒方撮影

「手渡す会」総会&忘年会 
●と き 12月14日(月)午後7時30分~  くま川ハウスにて 
●なかみ ・経過報告、会計報告、今後の活動方針 ・忘年会(会費500円)   
◆出欠確認のはがきや委任状など同封しなければならないところですが、正直な話、経費節減のため省略させていただきました。

◆編集後記 
 11月14・15日に「球磨川・川辺川源流水リレー」(球磨川水系ネットワーク主催) に参加しました。14日の早朝、水上村の球磨川源流に歩いて登り、源流の水を汲みました。その後、自転車、たくさんの小学生や大人達、みこし、おじいちゃん、女子高生、人力車など200人くらいの手を経て、夕方、人吉市の中川原に到着。夜は、川辺川源流から運ばれた水と合体。そして、100名程の大宴会。2日目は中川原を朝7時にカヌーで出発。球泉洞からは、またたくさんの人の手を経て、夕方、球磨川河口の水島に到着。夕日が八代海に落ち、合唱団が「組曲・球磨川」を歌う中、源流の水が八代海に放されたときは感動ものでした。のべ300人以上の手を経て、人力で源流の水を海に運ぶ。たくさんの人達が、いろんな角度から川を、そしてふる里を見つめているんだなと、深く感動した2日間でした。(N.O.)

会報かわうそ20号 1998年7月6日発行

会報 かわうそ 20号         
       [発行責任者]         
         清流球磨川・川辺川を          
         未来に手渡す流域郡市民の会       
         会長 池井 良暢  熊本県人吉市新町16番地        
          1998年7月6日発行 TEL・FAX0966-24-9929


◆あなたの声を伝えてください!
川辺川ダム事業計画に、異議申し立てを
 建設省は6月9日、川辺川ダムの基本計画変更を官報に告示しました。当初350億円だった総事業費も、これで2650億円にはね上がります。
 ダム建設の目的や規模の見直しはなされず、また、この財政難の中、熊本県の負担金も580億円(熊本県民1人あたりなんと3万4000円!)にのぼることから、「計画変更は不当」として行政不服審査法に基づき建設大臣に異議申し立てを行うことに決定しました。
 異議が認められたら、ダム建設中止に向け大きく前進できます。異議申し立てに対して、建設省は口頭審理など異議を聞く場を設け、記録も残す義務もあります。また、川辺川流域に限らず、国民全てに(未成年者でも)ダム建設に異議を申し立てる権利があります。ダム事業そのものを対象とした異議申し立ては全国でも前例がなく、ムダな公共事業の象徴として全国的運動に発展させる大きなチャンスでもあります。
※そこで、皆様方にお願いです!
①同封の異議申し立て文(A)にご賛同いただける方は、右下の「委任状」欄に署名捺印してください。(6人以上の署名が集められる方は、コピーを取ってくだされば幸いです)
②ご自分で異議申し立て文を書いていただける方は、同封の書式用紙(B)に「異議申し立ての趣旨」「異議申し立ての理由」「住所・氏名・年齢」を書かれ、捺印してください。(手書きでもワープロでも結構です)
 異議申し立ての期間は60日以内です。7月24日(金)必着で、下記「異議申し立て事務局」まで郵送してください。よろしくお願い致します。(返信用封筒などを同封すべきところですが、経費節減に何卒ご理解ください)
(異議申し立て文・送付先) 〒868-0004熊本県人吉市九日町93 木本雅己宅
      お問合せ 電話0966(22)4004

        異議申し立てを訴える、会報かわうそ20号一面


◆手渡す会・4月~6月の出来事
98. 4. 9 建設省、来年度後半に本体着工と記者発表。
  5. 2~3「川辺川リバーミーティング98withうんばば中尾」
     60艇、120人が参加。(相良村~人吉市)
  6. 7 「県民の会」総会。日本自然保護協会の横山隆一さん「川辺川を
     守る戦略と戦術」と題する講演。
  6. 9 建設省、川辺川ダム基本計画の変更を告示。「手渡す会」「県民
     の会」など、異議申し立て活動を開始。
  6.17 川辺川ダム補正予算(追加要求)がゼロ査定に。
  6.19 川辺川利水裁判第7回公判。
  6.28 「川辺川を守る福岡の会(仮称)」第1回学習会。福岡市立青年
     センターにて、26名参加。福岡でも異議申し立て活動を開始。

     「川辺川リバーミーティング98withうんばば中尾」
      カヌーデモ(胸川)  1998.5.3 緒方撮影

      「川辺川リバーミーティング98withうんばば中尾」
       前夜祭でのうんばば中尾、森徳和弁護士ら
         1998.5.2 緒方撮影

◆川辺川利水裁判・第7回公判の報告
 「本日、川辺川土地改良事業の根拠が音を立てて崩れました」国宗弁護士の感慨深い意見陳述が法廷に響き渡ると、傍聴に駆けつけた多くの人が目を潤ませました。 6月19日、熊本地方裁判所で開かれた川辺川利水裁判の第7回公判では、原告農民と弁護士、支援団体が一体となって進めてきた、対象農民への同意調書の聞き取り調査の結果が報告されました。それによると、例えば用水事業では農水省側が「事業に同意した」とする3913人に対し、不同意者が1714人となるなど、農水大臣の「3分の2以上の同意」という虚構は完全に崩れ去ったのです。 調査した対象農民の実に9割近くが、「自分の署名・捺印ではない」などの理由で同意していないことが明らかになったのです。中には、すでに死亡していた人が署名・捺印しているケースが7件もありました。 今後の課題としては、農民一人ひとりについて同意書の有効無効を確かめる根拠調べを裁判官にやってもらうことだと、板井優・弁護団長は話されました。

◆会計報告(98、4、3~98、6、26) 
収入の部      金額       備考 
繰越金       305,428 
年会費・カンパ   724,296 グッズの売上、雑収入なども含む  
合計       1,029,724  
支出の部      金額       備考 
郵送費        182,480 会報発送、資料発送など  
紙代           9,733 会報、チラシ、資料など  
事務用品費       5,912 タックシールなど 
事務所維持費   220,456 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費          88,306 岡山2名、講師交通費など 
その他         18,818 水源連負担金、水道工事費など 
合計         525,705 
  (収入)1,029,724-(支出)525,705=504,019円
◇ありがとうございました!
 前号の会報に、郵便振替用紙を同封させていただきましたところ、多くの皆様方から多額の年会費・カンパをいただきました。厚く御礼申し上げます。
 住所の変更や、事務局あてへのご意見などございましたなら、振替用紙の通信欄にお気軽にどうぞ。電話やFAX、お手紙でも結構です。




◆川辺川を守る戦略と戦術
 去る6月7日、「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」の総会が熊本市内で開催され、日本自然保護協会の横山隆一さんが「川辺川を守る戦略と戦術」と題した記念講演をされましたので、報告します。
 「手渡す会」の目的は、川辺川ダム建設の見直しと、川辺川の価値を知ってもらうことになっているが、そのためには「この川にダムを造ってなぜ悪い」と思っている人に、この川の価値を分からせる事が大切です。
 戦略とは、誰を味方にして誰を敵にするかを明確にする事で、戦術とはどう戦って行くか、守るものは何かをはっきりさせることです。例えば、建設推進者に対しては、今はどの手段を使って戦うのが効果があるのかを考え、味方にしたい一般市民には、こちらに注目してもらうネタには何がよいかを考えることが重要です。
 クマタカは、生態系の中で弱い(絶滅しやすい)生物であり、自然の状態が分かる指標生物です。貴重なクマタカが住んでいることは、川辺川の価値を語っているようなものです。ダム反対運動は多方面から運動を展開していく必要があるが、クマタカが子孫を再生産でき、その種が存続できるような環境を守るという点からも運動を展開していってほしい、などと語られました。



◆編集後記 
 建設省は4月9日に、1999年度後半に川辺川ダム本体工事に着手すると記者発表しました。これまでは「2001年までに本体着工する」と言っていたのを、なぜ唐突に2年も繰り上げる必要があったのでしょうか。まず2001年には、現在係争中の利水裁判も農水省側が破れ、ダム建設目的の見直しを余儀なくされているでしょう。「過大である」との指摘が大きい基本高水流量も、新河川法により実績流量から再計算しなければなりません。橋本首相の「時のアセスメント」の対象にもなるべきですし、国の財源も今以上に苦しくなるでしょう。ということは、2001年までに本体着工を引き伸ばすことができれば、ダム建設中止の可能性もますます大きくなると言えます。まずは、異議申し立てです!(N.O.)

会報かわうそ19号 1998年4月13日発行

会報 かわうそ 19号     
       [発行責任者]
         清流球磨川・川辺川を
         未来に手渡す流域郡市民の会
         会長 池井 良暢  熊本県人吉市新町16番地
          1998年4月13日発行  TEL・FAX0966-24-9929


◆川辺川ダム問題ヒヤリング
 超党派国会議員により霞ヶ関で開催! 
 超党派の国会議員でつくる「公共事業チェックを実現する議員の会」主催による、関係省庁とダム見直しNGO(住民団体)との話し合いが1月28日と3月26日に、東京・永田町の衆議院議員会館で行われました。初代環境庁長官の大石武一さんも、『清流川辺川を守る東京の会』の会長として参加されました。(このヒヤリングは、今後も継続されます)
◇第1ラウンド(1/28)
 人吉からは「手渡す会」事務局長の重松さんが上京し、市民側から14名、国会議員が9名、行政側からは建設省・農水省・大蔵省・環境庁の川辺川ダム担当者が計8名参加しました。
 市民側が事前に提出していた「すでに計画当初予定建設費を上回る1300億円を投入しているが、総事業費はいくらか」「利水事業は係争中でも事業を進めるのか」などの質問に、納得できる回答は得られずじまい。中でも、建設省が総事業費について明確な数字を示さないまま予算を計上している点について、批判が集中しました。

    第1回川辺川ダム問題ヒアリング(衆議院第1議員会館第4会議室)
          1998.1.28 東京の会撮影

◇第2ラウンド(3/26) 
 人吉からは「手渡す会」事務局長の重松さん、原さん、利水訴訟原告団長の梅山さん、漁師の吉村さんが上京しました。市民側から15名、国会議員が4名、行政側から6名が参加しました。
 今回は、地元からの実情報告、問題提起が全体を圧倒しました。まずは梅山さんが農水省のむちゃくちゃな利水事業の進め方を告発。次に原さんが「受益者」であるはずの人吉市民がダムはいらぬと署名がどんどん集まる事を報告。重松さんは昭和40年の市房ダム放流による水害の被害を説明。吉村さんは行政側の強引な事業の進め方を告発。松本先生は一目瞭然な図面によるダム付近の地質学上からの危険性を告発。これら全てが今後、建設省にとってボディーブローとなって効いてくるはずです。(2度のヒヤリングの間隙をぬう形で、建設省は総事業費を2.3倍増やし2650億円とし、熊本県議会の同意もあっという間に取り付け、4月9日には来年度後半を目途に本体着工をするとの記者発表を行いました。建設省もあせっています)

◆手渡す会・12月~3月の出来事
97.11.29 鷲見一夫教授(新潟大)が川辺川現地調査 
  12. 6 フレッド・ピアス氏(環境ジャーナリスト) 谷田一三教授(大阪府立大)
      川那部浩哉氏(琵琶湖博物館館長)が川辺川現地調査。
      忘年会(くま川ハウス)
98. 1.19 理学博士・松本幡郎氏(元熊大教授)の地質学習会開始
  1.28 第1回川辺川ダム問題ヒヤリング(衆議院・議員会館)
  2. 2 中島煕八郎教授(熊本県立大)「五木村の将来を考える」学習会  
  2.10~ ダム建設が止まった町・矢田ダム(大分県大野町)見学ツアー
  2.23 遠藤隆久教授(熊本学園大)「情報公開と直接請求」学習会
  3. 3  川辺川ダム基本計画変更について慎重審議を県議会各会派に要請
      熊本県庁前で早朝ビラ配り 
  3. 4 川辺川利水裁判第6回公判
  3.19 熊本県議会総務委員会で「川辺川ダム基本計画変更に反対」の請
      願は不採択に。県知事意見は可決
  3.24 熊本県議会本会議で同上の請願は不採択に
  3.26 第2回川辺川ダム問題ヒヤリング(衆議院・議員会館)
  4. 9 建設省、来年度後半に本体着工と記者発表

     水生昆虫の権威である谷田一三教授(大阪府立大)
     淡水魚研究の権威である川那部浩哉氏(琵琶湖博物館館長)
     を迎えての、川辺川水生昆虫観察会
      相良村権現橋下の河原にて    1997.12.6 緒方撮影 


      「ダムはムダ」の著者、世界的な環境ジャーナリスト
      フレッド・ピアス氏を迎え、満員の球磨川ハウス  
           1997.12.6 緒方撮影

         球磨川ハウスで語るフレッド・ピアス氏
            1997.12.6 緒方撮影

◆ハンコ行政が農民だます川辺川利水事業
 役所に出す書類のうち1万1570種類が、1年以内に「ハンコ不要」となるそうです。一体、何のためにハンコが必要なのでしょうか。本来は、本人と確認するためなのでしょうが、認め印などどこでも買えます。印鑑が犯罪に使われるケースもあるでしょう。
 さて、計画中の川辺川ダムから水を引こうとする川辺川利水事業は不要として、裁判所に訴えた農家(原告団)は対象農家の過半数を越える2060人に達しています。一方、被告の農水省側は対象農家の3分の2以上の同意を取得したとしながら、同意書の署名の中に本人以外による署名捺印があることを認めています。
 先日、この利水裁判の弁護士による、同意書の署名の筆跡と印鑑が本人のものであるかを確かめる確認調査に同行した際、驚きました。「これは私の署名(筆跡)、印鑑ではない」という農民が続出したのです。ということは、農水省は偽りの印鑑で、偽りの同意を取ったということになります。
 このような地道な弁護団の調査により、これまでに同意書の署名が「自分の署名(筆跡・印鑑)でない」という農民が322名、「水代はいらない」など虚偽の説明で同意させられたという農民が390名いることが、3月4日に開かれた利水裁判第6回公判で明らかになりました。農水省が事業執行の根拠としている2/3以上の同意を取り付けたという同意書の信憑性は、これで完全に崩れたことになります。

◆川辺川ダムの基本計画変更で
     総事業費2650億円に!
 建設省は、川辺川ダムの基本計画を変更するために特定多目的ダム法に基づき熊本県知事に意見を求め、3月県議会において審議されました。建設省による変更内容は、①かんがい対象面積を20%縮小する②ダムの総事業費を2.3倍増やす③工期を平成20年まで8年間延長する、の3点です。
 ダムの目的や規模は見直しもなされず、また、この財政難の中、総事業費2650億円のうち熊本県の負担金も580億円(県民1人あたりなんと3万4000円!)にのぼることから、県議会開催日の3月3日に慎重審議を求める要請を、県議会各会派に行いました。また、県庁前で早朝1500枚のビラ配りも行いました。
 また、3月13日にはダム見直しの各住民団体から「慎重審議」や「ダム建設中止」を求める10件の請願が提出されました。
 結果的には、10件の請願は全て不採択になりましたが、県議会の各会派や全議員に川辺川ダム問題を働きかける初めての機会となりました。利水裁判に勝ち、かんがい目的を完全に消し去り、再びダム基本計画の変更がなされる状況を作り出しましょう。
◆会計報告(97、11、21~98、4、2) 
収入の部      金額       備考 
繰越金        504,755 
年会費・カンパ   619,969 グッズの売上、雑収入、シンポジウム収益金なども含む  
合計       1,124,724  
支出の部      金額       備考 
郵送費        131,440 会報発送、資料発送など  
紙代          18,919 会報、チラシ、資料など  
事務用品費     17,517 タックシールなど 
事務所維持費   472,045 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費         142,000 東京2名、講師宿泊費など 
その他         37,375 封筒1万枚など  
合計         819,296 
  (収入)1,124,724-(支出)819,296=305,428円
◇会員拡大にご協力を!
 皆様方の資金面でのご協力に、厚く御礼申し上げます。年会費を納入された方、ハウス応援団で御協力いただいている方には大変失礼ながら、今回、郵便振替用紙を同封させていただきました。また、今後さらに活動を広げていくためにも、皆様のお近くの方に川辺川の事をお話しいただき、会員を1名増やしていただけないでしょうか。年会費(1000円) を納入された方には、会報「かわうそ」をお送りします。よろしくお願い致します。

◆ダム建設が止まった町  
    矢田ダムを見学しました!
 建設省が昨年建設を中止・休止した18のダム計画の中に、大分県・矢田ダムが含まれていました。そこで、地元・大野町の町長さんや住民団体の方との交流を含め、2月10日からの2日間にわたり現地調査を行いました。
 昭和44年、建設省は一方的に矢田ダム計画を発表しました。水没戸数は190戸。治水、都市用水(工業用水・水道用水)を目的にしています。何よりも、水没住民諸団体の徹底した反対運動が、ダム「休止」となった最大の理由のようです。また、都市用水の需要が当初の予想を大きく下回ったこと、さらに治水面でも下流域からダムを求める声は聞かれなかったことは、川辺川ダムとも類似している点でした。 結局、地元にとって28年間も振り回されてきたダムとは①人心を破壊するもの、②地域振興を著しく遅らせるもの、③ダム対策のために余計な出費を強いるもの、ということが分かりました。
         「アメリカでダムの時代は終わった」と宣言した
          アメリカ開墾局総裁ダニエル・ビアード氏
          の講演会に手渡す会スタッフ参加(福岡市)  
             1998.3.28 緒方撮影

         アメリカ開墾局総裁ダニエル・ビアード氏
          の講演会後、交流する手渡す会スタッフ(福岡市)
          1998.3.28 手渡す会撮影

◆編集後記 
 11月は、国際的な見地から河川行政に疑問を投げかけている鷲見一夫教授(新潟大) が、12月は、世界的な環境ジャーナリストであるフレッド・ピアス氏、水生昆虫の権威である谷田一三教授(大阪府立大) 、淡水魚研究の第一人者である川那部浩哉氏(琵琶湖博物館館長)が相次いで川辺川を現地調査されました。忘年会は、上のご三方をゲストに、くま川ハウスは50人の大入り満員となりました。(同封の新聞記事をご参照ください) 3月28日、福岡で「アメリカでダムの時代は終わった」と宣言された、ダニエル・ビアード氏の講演会に参加しました。95年2月に手渡した英文の文書や、96年9月の長良川デーで御覧になった川辺川の写真もよく覚えておられ、次回は是非川辺川を訪れたい、と述べられました。(N.O.)

会報かわうそ18号 1997年12月1日発行

会報 かわうそ 18号   
         [発行責任者] 
          清流球磨川・川辺川を
          未来に手渡す流域郡市民の会 
          会長 池井 良暢 熊本県人吉市新町16番地
            1997年12月1日発行 TEL・FAX0966-24-9929


◆今こそ川辺川ダム建設中止を!
 全国のダム建設見直しを進めてきた建設省は今年、全国で18のダムを建設中止や休止とすることを発表しました。長良川河口堰の運用開始を決めた際、当時の野坂建設大臣が「国家が国民の血税を使って行う公共事業に間違いはない」と言い切ってから2年、建設省の言う事は180度変わったのです。
 川辺川ダムによる利水事業は不要として裁判所に訴えた農家(原告団)は、9月3日に対象農家の過半数を越える2060人に達し、同事業は実質的に実施不能の状態に追い込まれています。また治水面でも、ダム放流による洪水や市房ダムとの統合管理、基本高水流量の過大設定などの問題点が、最近の各政党の調査でもますます浮き彫りにされています。
 このような目的が失われた川辺川ダム建設に、今後2000億円以上の私たちの血税がムダに使われるのです。次に中止すべきダム建設は、川辺川ダムです。
 五木村にとっても、村の中心地と広大な自然環境がダムに沈んでしまっては、今後の地域振興に限りなく大きなダメージを与えるのは明白です。また建設省は、中止するダム建設に投入してきた国の補助金について、地元自治体に返還を求めない方針も固めました。「立派な道路と代替地ができて、ダムはできない」のが、五木にとっても最良の道なのではないでしょうか。
 川辺川ダム計画は、水没によって生活権を奪われる五木に30年以上にわたる苦難を強いてきました。今後、ムダなダム建設に使われる私たちの血税は、五木村の地域振興に投入すべきです。これだけ条件が整ってきた今こそ、川辺川ダム建設は中止させるべきです。         第1回川辺川現地調査 川辺川河畔交流会
         1997.8.30 緒方撮影


       第1回川辺川現地調査 人吉市内パレード
        1997.8.31 緒方撮影


◆手渡す会・7月~11月の出来事
97. 7. 5 討論「九州の自然を壊す公共事業」で川辺川ダムも報告(博多)
     博多・天神で川辺川ダム問題のビラ配布。
  7. 9 矢上代議士の「川辺川ダム事業計画の見直し」要請に建設省は
      「見直さない」と回答。
  7.20 シンポジウム「諫早湾のギロチンが川辺川を狙っている」
  7.22~ 民主党が川辺川ダム問題を現地調査。
  8.10 ダム審答申1周年記念シンポ(人吉商工会議所80人参加)
  8.27 建設、農水、大蔵、環境の各省庁に川辺川ダムと利水事業見直し要請。(東京)
  8.30~ 川辺川現地調査会、研究討論会(JA球磨人吉支所200人参加)
  9. 1~ 共産党が川辺川ダム問題を現地調査
  9. 3 川辺川利水裁判第4回公判。原告と補助参加で2060人に。
  10. 4 建設省、2年ぶりに川辺川ダム事業説明会。住民から意見相次ぐ。
  10.18 中島重旗氏(熊大名誉教授)をまねき学習会。「ダムができれば川はどうなるか」(紺屋町会館30人参加)
  10.19 川辺川のアユ食い大会(中川原公園60人参加)
  11. 3 横山隆一氏(日本自然保護協会)を招きクマタカ学習会(人吉カルチャーパレス30人参加)
  11.8,9水源連大会(神奈川県)に参加。
       第1回川辺川現地調査 パネルディスカッション
        1997.8.31 川辺川現地調査報告集より


        第1回川辺川現地調査 パレードとカヌーデモ合流交歓
         人吉市水の手橋
         1997.8.31 川辺川現地調査報告集より


◆連続シンポジウム、いずれも大成功! 
◇7/20 人吉カルチャーパレスにて
 「諫早湾のギロチンが川辺川を狙っている」と題し、ムダな公共事業と環境破壊を問うシンポジウムを7月20日に開催し、約300名の参加者を得る事ができました。
 各パネラーは、「この事業でメシが食えるのは役人と土建業だけ。川辺川ダムを造らんがために農家をダシにしている」(川辺川利水裁判原告団長の梅山究さん)、「官僚は情報を隠すし、何を言っても通らない。諫早や川辺川の問題は、民主主義の問題だ」(諫早干潟緊急救済本部の山下弘文さん)、「自然破壊とは何かと何かのつながりを分断すること。ダムが建設されることで何が分断されるのか考えてみては」(日本自然保護協会の横山隆一さん)などと講演されました。
 後半は、熊本県弁護士会の竹中敏彦さんをコーディネーターにパネルディスカッション。最後に「ムダな巨大公共事業に地域住民の声を正しく反映させ、その必要性を科学的に検証し事業計画を見直す事を関係機関に求める」大会アピールを採択しました。
        シンポジウム「諫早湾のギロチンが川辺川を狙っている」
          1997.7.20 人吉カルチャーパレス 緒方撮影

        シンポジウム「諫早湾のギロチンが川辺川を狙っている」
         1997.7.20 人吉カルチャーパレス 緒方撮影


◇8/10 人吉商工会議所にて
 川辺川ダム事業審議委員会の答申1周年に合わせ、川辺川ダム事業とダム行政を考えるシンポジウムを8月10日、人吉商工会議所で開催しました。わずか2週間という短い準備期間だったにもかかわらず、会場は約80名の参加者で満席となりました。
 各パネラーは、「ダム審は住民の意見を取り入れる場でも、ダム計画の妥当性を科学的に検証する場でもなく、行政側の主張のみを取り入れ、事業継続を表明させる場でしかなかった」(手渡す会・原豊典さん)、「治水計画の問題点を指摘したが、取り上げられなかった」(ダム審に参考人として出席した毎日新聞記者・福岡賢正さん)、「ダムサイト予定地は地質に問題がある」(元熊大教授・松本幡郎さん)などと指摘。会場からも活発に意見が出されました。
 なお、開催に先立ち「手渡す会」などの地元市民グループは、建設省に担当職員の出席を求めましたが、建設省側は出席を拒否しました。
        川辺川ダム事業とダム行政を考えるシンポジウム
         1997.8.10 人吉商工会議所 緒方撮影


         川辺川ダム事業とダム行政を考えるシンポジウム
          1997.8.10 人吉商工会議所 緒方撮影



◆会計報告(97、6、21~11、20) 
収入の部      金額       備考
繰越金        443,449 
年会費・カンパ   932,636 グッズの売上、雑収入なども含む  
合計       1,376,085  
支出の部      金額       備考 
郵送費       241,068 会報発送、資料発送など  
紙代          31,174 会報、チラシ、資料など  
事務用品費      22,427 タックシールなど 
事務所維持費   438,896 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
書籍購入       50,100 諫早関係、現地調査報告集など 
旅費          50,000 水源連大会、神奈川  
その他         37,665 街宣許可、旗竿、水源連会費など 
合計        871,330   
(収入)1,376,085-(支出)871,330=504,755円
■会員拡大にご協力を! 皆様方の資金面でのご協力に、厚く御礼申し上げます。今後、さらに活動を広げていくためにも、皆様のお近くの方に川辺川の事をお話しいただき、会員を1名増やしていただけないでしょうか。 年会費1000円を「郵便振替01970-1-27826 清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」までお振り込みいただいた方には、年4回程度、会報「かわうそ」をお送りします。よろしくお願い致します。


◆川辺川ダム説明会、住民の疑問相次ぐ!
 建設省は10月、2年ぶりに川辺川ダム説明会を開催した。川辺川ダム建設の「4つの目的」とされるもののうち、『発電』はダム建設により水没する、現在稼働している発電所の発電量を補うに過ぎず、『流水の正常な機能の維持』はダムのない状態が正常な川であることは明白であり、『かんがい』も、恩恵を受けるはずの農家の過半数が裁判所に異議を訴え、3つの目的は完全になくなったと言っても過言ではあるまい。残る論点は『洪水調節』だけであり、説明会もそれを中心に説明が行われた。
◇治水計画の過大な設定
 川辺川ダムは、80年に1度の確率で起こる洪水、すなわち人吉地点で毎秒7000トンのピーク流量を想定して造られるという。ところが、きちんとしたデータのある昭和29年以降、最高の流量は昭和57年の5700トン。昭和40年の大水害でさえ5000トンである。それ以降、河川改修や幼樹林の成長で洪水の起きる要因は減少しているはずである。にもかかわらず、過大な洪水を想定し、巨大なダムを造る必要はない。
◇代替案の検討も不十分
 ダム以外の5つの代替案(河川改修や遊水地、放水路など)を示し、「いずれの案よりもダム建設が最もよい」と説明していたが、それらを有機的に組み合わせれば無数の方法が考えられるはずである。「他の組み合わせ案は検討しないのか」と質問したが、検討はしないと明言した。結局、ダムを造ること自体が目的になっている。ア
メリカなどの先進国では、住民の意見をもとに何十もの案を絞り込んで行くという手法が採られているのだ。
◇市房ダムとの統合管理は不可能!
 「市房ダムとの統合管理は現時点ではできない」と建設省は明言した。
◇毎秒5160トンもの非常用放水門
 川辺川ダムには毎秒5160トンも放流できる非常用放水門があり、使用される事もあり得ることも分かった。洪水時に放流されたら下流はひとたまりもない。さらに、昭和40年水害を体験された方は「市房ダムによって引き起こされた災害だ」と
怒りを込めて述べられた。多くの疑問点を残したままダム説明会は終わった。ダム建設に対する疑問は募るばかりだ。

◆編集後記
 8月の川辺川現地調査では、各地から200人以上の参加があり、また輪が広がりました。「川辺川現地調査報告集」を、今回同封させていただきました。11月に水源連大会が神奈川で行われた際、首都圏在住の「手渡す会」会員や、川辺川ダム問題に関心を持つ方が20名近くも集まり交流会が開かれ、初代環境庁長官・大石武一さんもかけつけられたそうです。東京でも会が設立できそうな勢いです。忘年会には、世界的なダム問題ジャーナリスト、フレッドピアス氏も参加されます。本当に広がってきたなと実感できる1年でした。来年は「手渡す会」も早や6年目です。皆様、よいお年をお迎えください。(N.O.)

会報かわうそ17号 1997年6月30日発行

会報 かわうそ 17号   
       [発行責任者]
        清流球磨川・川辺川を
        未来に手渡す流域郡市民の会
        会長 池井 良暢 
           熊本県人吉市新町16番地
           1997年6月30日発行


◆木頭村・羊角湾に続こう!
 建設省は、長年地元が反対を続けてきた徳島県木頭村の細川内ダム建設を断念すると発表しました。私達は3年前、人吉カルチャーパレスで『子守唄の里・五木と清流球磨川を守る全国集会』(入場者1000人)を開催しましたが、その時のメインゲストが、村ぐるみで細川内ダム反対を取り組んでおられた木頭村長の藤田恵さんでした。藤田村長がその時、「ダム反対は地方自治を守ること」と力説されていたのが、ついに実現したのです。
 また農水省は、熊本県天草の羊角湾干拓事業を断念する方向であることを明らかにしました。木頭村と羊角湾に共通して言える事は、事業の目的がなくなった事が、はっきりと証明されたことです。これまで、ダムや干拓などの巨大公共事業が見直される事は不可能だと言われてきましたが、木頭村と羊角湾の勝利は今後の大きな転機となりそうです。川辺川も続きましょう!

          ダム本体建設予定地にて 大山さんと東さん
          1997年5月23日 小杉邦夫さん撮影

◆諫早湾や川辺川が問うものは?
 諫早湾の干拓事業は、多くの見直しや疑問の声を残したままギロチン(湾の閉め切り)が落とされました。今、国内の農地はあり余っています。減反で遊んでいる農地だけで16万5千ヘクタールもあるのに、行財政改革が叫ばれる中、膨大な税金をかけて農地を拡大する必要は全くありません。
 このたび、諫早のムツゴロウ裁判、奄美のクロウサギ裁判などの「動物の権利訴訟」などで全国で環境保護の先頭に立ってご活躍の弁護士の先生方が、7月19日から人吉で「環境法律家連盟サマーセミナー」を開催されます。その一環として、7月20日にシンポジウムを開催します。
 川辺川ダム建設による利水事業は不要として1805人(45%)の対象農民が裁判所に訴えるなど建設目的がなくなり、クマタカなどの環境への致命的なダメージも明らかになっているなど、諫早湾と川辺川に共通する問題点を、時の人・山下弘文さん(諫早湾干潟緊急救済本部・代表)ら豪華ゲストが斬ります。
 膨大な税金と農家の負担の上に貴重な自然環境を破壊することは、もうやめにしましょう。川辺川の場合、それは十分可能です。多数のご参加をお願いいたします!(同封のチケットは当日精算でお願いします)
           「諫早のギロチンが川辺川を狙っている」のプログラム
            1997.7.20 人吉カルチャーパレスにて

◆手渡す会・4月~6月の出来事
97. 4. 7 「河川法改正をめぐるシンポジウム」で川辺川ダムを報告(東京)
  4. 9 ダム本体着工中止を各政党に要請(重松事務局長ら上京)
  4.17 「川辺川利水訴訟を支援する会」発足(熊本市)
  4.20 相良村村議選挙(ダム反対・見直しの新人2名当選)
  4.26 「守ろう川辺川、リバーミーティング97with野田知佑」前夜祭250名参加
  4.27 カヌーデモ(くま川下り発船場前)120艇参加

  5.21 利水裁判第3回公判、新たに618農家が補助参加(計1805名に)
  5.22 県庁と川辺川工事事務所に仮排水路着工中止申し入れ
  5.23 バイパス工事安全祈願祭に抗議(相良村・ダムサイト予定地) 
  5.25 県民の会シンポジウム(熊本市)、源流水リレー

  6. 9 矢上代議士が「川辺川ダム事業計画の見直し」を建設省に要請
  6.12 五木村水没予定者の95%が村内移転希望と明らかになる
       カヌーデモ(くま川下り発船場前)120艇参加
        1997.4.27 緒方撮影
       カヌーデモ(くま川下り発船場前)120艇参加
        1997.4.27 緒方撮影

◆変わる情勢、あせる建設省!
 諫早湾などムダな公共事業への風当たりが全国的に高まる中、ダム建設予定地の相良村では4月20日の村議会議員選挙で、ダム反対・見直しの新人2名が当選し、最もダム建設促進の立場をとっていた現職が落選しました。5月21日の利水裁判第3回公判では、新たに618人もの農家が補助参加に加わり、ダム建設の目的のうちの1つは、完全に崩れようとしています。
 こうした中、建設省は5月23日にダム本体着工の前提となる仮排水路トンネル工事の安全祈願祭を行いました。これまで代替地の着工式などは、元巨人軍の定岡投手やダークダックス等をゲストに大々的に行われていたのが、今回は「着工式」ではなく、わずか10名程度の「祈願祭」だったことは、建設省もおおっぴらに工事を進められなくなった事の証しとも言えましょう。
 平日にも関わらず多数の市民が抗議に駆け付けましたが、たくさんの報道陣が取材し、多くのマスコミが諫早湾と同様、事業強行への疑問をコメントしていました。このトンネル工事が中止となる日が必ず来ます!
      仮排水路トンネル工事安全祈願祭に抗議(相良村・ダムサイト予定地)
       木本さん、原さん、藤原さん、東さんら
       1997.5.23 小杉邦夫さん撮影

      仮排水路トンネル工事安全祈願祭に抗議(相良村・ダムサイト予定地)
       木本さん、西村さん、東さん、岡さん、橋田さん、川部さんら
       1997.5.23 小杉邦夫さん撮影

◆五木村の生活再建と
    ダム計画は切り離せ!
 6月9日、地元(熊本5区)選出の衆議院議員・矢上雅義氏は建設省に「川辺川ダム事業計画の見直し」を求める要望書を提出しました。その3日後、ダム建設によりこのままでは水没してしまう世帯の95%の方が五木村内に残ることを希望と報道されました。五木村の生活再建とダム計画は、切り離して考えるべきです。
 川辺川ダム建設の目的は全て喪失しているにもかかわらず、建設省は今後、川辺川ダムの仮排水路トンネル工事に3年、ダム本体工事に5~7年かかると言っています。しかし、それまでに日本の財政は破綻するほど危機的な状態です。川辺川ダム本体の工事に今後、2000億円以上もの私たちの貴重な税金が投入されるのです。ダムは100年で土砂に埋まり使えなくなります。ダム撤去を始めた国もあるのです。
 五木村の財産は、何と言っても川辺川の清流をはじめとする豊かで、子守唄の里の雰囲気を醸し出す頭地地区の自然環境です。それら貴重な財産をダムに水没させることは、次の世代にとっても取り返しのつかない損失となります。ダム予算は、ダム計画により長期間苦難を強いられた五木の生活再建に全て投入すべきです。

◆会計報告(97、4、5~6、20)
収入の部      金額       備考 
繰越金        267,562 
年会費・カンパ   569,156 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計         836,718  
支出の部      金額       備考 
郵送費        96,075 会報発送、資料発送など  
紙代          23,292 会報、チラシ、資料など  
事務所維持費    168,313 家賃、電気、電話、コピー機など 
書籍購入       75,600 国が川を壊す理由50冊  
その他         29,989 灯油、環境ネットワーク熊本負担金、のぼり製作 
合計         393,269   
(収入)836,718-(支出)393,269=443,449円
◇会員拡大にご協力を!
 会員の皆様の会費やカンパと市民の皆様の浄財により、「手渡す会」もほぼ黒字会計を保つことができるようになりました。厚く御礼申し上げます。今後、さらに活動を広げていくために、皆様のお近くの方に川辺川の事をお話しいただき、会員を1名増やしていただけないでしょうか。
 年会費1000円を「郵便振替01970-1-27826 清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」までお振り込みいただいた方には、年4回程度、会報「かわうそ」をお送りします。よろしくお願い致します。


◆絶滅危惧種・クマタカが生息する
   川辺川の自然を守ろう! 
 川辺川ダム建設計画による391ha(甲子園球場260個分)もの広大な水没予定地とその周辺は、クマタカなどの絶滅危惧種も含む2754種もの多様な生物種の生息が確認されている自然の宝庫です。特に、川辺川の水生昆虫の豊かさが出発点となり、他の魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類の豊かさを支えています。クマタカはこの生態系の頂点に立つものであり、豊かな生態系(自然環境)のシンボルともいえます。
 建設省は、ダムサイト予定地から3km以内のところにクマタカの営巣地があり、周辺に6羽が生息していることを確認しながら、川辺川ダム計画を「公正に見直す」はずの審議委員会に報告していなかったことが昨年8月、大きく報道されました。これに対し昨年10月、人吉市で「クマタカを守る会」が結成され、市民による川辺川ダムサイト予定地付近におけるクマタカの生息調査が開始されました。
 今年6月までの20回近い調査で判明したことは、ダムサイト予定地付近の藤田谷周辺に少なくとも4個体以上のクマタカの生息を確認し、ダム本体の骨材採取地として山ごと破壊される計画となっている原石山から少なくとも1km以内のところにクマタカの営巣地が存在する可能性が非常に大きいことを確認しました。川辺川ダム本体工事が開始されると、藤田谷付近のクマタカの生息は不可能となると断言できます。
 にもかかわらず建設省は、クマタカに関する情報もほとんど公表しないまま、ダム建設を急ごうとしているのです。川辺川流域は、県内に残された数少ないクマタカが生息できる貴重な自然環境です。次の世代のため、人類のために、この貴重な川辺川を未来に手渡しましょう!(あなたもクマタカを見に行きませんか。月2回ほどクマタカの生息調査を行っています。連絡先0966-23-4530東まで)

◆編集後記 
 ちょっと古い話ですが、昨年の11月、Hさんと2人で諫早で開かれた「九州住民運動合宿交流会」に参加しました。メインテーマは、もちろん諫早湾問題。湾が締め切られる前の干潟は素晴らしかった。ヒチメンソウで一面が真っ赤でした。ところが、取材にきたマスコミはほとんどゼロ。ギロチンが落とされてから、各マスコミも怒濤のように諫早を取り上げていますが、もっと早い時点から問題点を指摘し、警鐘を鳴らすのがジャーナリズムの責務ではないでしょうか。川辺川は、どんなにうまく工事が進んでもギロチンが落とされるまで10年以上かかります。気長に楽しく、私たちの貴重な財産を守っていきましょう。(N.O.)

会報かわうそ16号 1997年4月14日発行

会報 かわうそ 16号 
       [発行責任者] 
        清流球磨川・川辺川を
        未来に手渡す流域郡市民の会  
        会長 池井良暢 
          熊本県人吉市新町16番地
          1997年4月14日発行



◆川辺川利水裁判の勝利が見えてきたぞ!
 川辺川ダム建設による利水事業をストップさせるため、866戸の農家らは昨年6月、農水大臣を相手取り行政訴訟を起こしました。今年2月26日に行われた第2回目の公判では、さらに321戸の農家がこの裁判に補助参加しました。
 つまり、合計1187戸もの農家がこの利水事業は不要として司法に訴えた事になります。原告と補助参加の合計が4000戸の対象農家の3分の1以上に達すれば、この裁判は勝利します。土地改良法によって事業を進めるには、3分の2以上の同意が必要だからです。
◇農家が裁判を起こした理由(原告の農民や弁護士さんの発言から)
①この利水事業が強行されたら、賛成の人も反対の人も、対象地に農地を持っているだけで膨大な負担金を払う義務を背負うことになる。
②行政が農家へ同意の印鑑を取る時、錯誤や虚偽の説明による例が多数ある。
③現在使用している水利権は取り上げられる。
④この利水事業に対する農家の「異議申し立て」を、行政は「理由がない」 と決めつけ、事業を強行しようとしている。
 この裁判に勝利すると、川辺川ダムは基本計画から見直されることになります。5月21日に行われる第3回目の公判では、さらに多数の対象農家の補助参加が予想され、農水省の事業推進が違法状態になるのは確実です。 このような状況を広く訴えるために、4月9日には「手渡す会」ほか5団体の代表が上京し、自民、新進、民主など6政党に「川辺川ダム本体着工の中止を求める要請書」を提出しました。
◇川辺川利水裁判・第3回公判
 とき  5月21日(水)午後1時30分 
 ところ 熊本地方裁判所101号法廷   
 原告団連絡先 〒868 熊本県球磨郡相良村柳瀬94 梅山究
    電話0966(24)7236  多数の傍聴参加をお願いします。  

        川辺川利水裁判、第1回口答弁論 門前集会(熊本地裁)
         1996.12.4 小杉邦夫さん撮影


◆手渡す会・11月~3月の出来事
96.11.17  「クマタカを守る会」川辺川流域のクマタカ生息調査を開始。
  11.25  「手渡す会」総会と忘年会(くま川ハウス)
  11.29  人吉市議会OBがダム見直し陳情を市長と市議会に提出。
  12. 1  「県民の会」が熊本市で第1回シンポジウムを開催。
  12. 4  川辺川利水裁判、第1回口答弁論。原告農民12人が陳述。
  12.20  建設省本省など3省庁に、川辺川ダム建設中止を要請。
  12.30  第3回「ちょっとまて川辺川ダム、清流リレーマラソン」 
         (五木村~人吉市~八代市、30名参加)
97.2.21  「事業中の川辺川ダム建設などにさかのぼって適用できる環境
       アセス法制化を求める要請書」を環境庁長官に提出。
  2.24  建設省に、仮排水路工事の中止を要請。
  2.27  川辺川利水裁判、第2回口答弁論。原告866人に加え、321人の
       農民が補助参加を申し立てる。
  3.24  福岡県星野村、真名子ダム反対集会に参加。

◆役立たずの川辺川ダムに血税を使うな!
 「ダムは広大な自然環境を破壊するけど、水道水や発電など生活に役立つから、川辺川ダムができるのはしょうがない」と思っている人も多いようです。しかし、川辺川ダムの水は水道水に使われるわけではありません。
 31年も前(昭和41年)に発表された川辺川ダムの目的は、治水・かんがい・発電ですが、河川改修と幼樹林の成長などにより近年洪水が起こることはなくなりました。反対に、大雨の時ダムを守るための放水により、下流の洪水がかえって大きくなり被害を拡大した例が全国にいくつもあります。川辺川ダムができると、人吉市など下流域は市房ダムとの同時放流による大洪水の危険にさらされます。
 また、かんがい事業は不要として866戸の農家らは行政訴訟まで起こしており、発電に至っては水没などにより閉鎖が考えられる4つの発電所の合計発電量をも川辺川ダムの計画発電量は下回るのです。つまり、計画発表から31年もの間にダム建設の目的は全てなくなっているのです。
 水没地・五木村民の方々はダムによる最大の被害者ですが、下流の住民もダムによる洪水や環境破壊の被害者なのです。「下流域のために水没地・五木村が苦渋の選択をされたのだから、立派なダムを造らねばならない」というのがダム建設推進の錦の御旗になっているようですが、下流の住民も多数反対しており、ダム建設の目的がなくなっているのですから、ダム建設は見直されるのは当然です。
 川辺川ダムの付け替え道路建設、移転補償などにすでに1100億円の税金が投入されています。日本国民全員が1000円もの支出を強いられたことになります。今年度も95億円もの予算が付いており、この財政難の中、今後も天文学的な国家予算が不毛な事業に費やされることを、納税者として許す事はできません。おまけに、ダムは土砂に埋まっていき、ダムの寿命は100年と言われています。
 現行法では事実上、官僚の独断でダム計画がつくられ、何百兆円という事業が国会のチェックなしに動くという異常な事態が続いています。しかし、建設省は昨年12月、3つのダム事業を中止させることを発表しました。住民の力が、熊本県知事が戻せなかった「時計の針」を元に戻したのです。
 また、建設省は川辺川ダムの河道変更工事に3年、ダム本体工事に5~7年かかると言っています。うまく行っても、今後ダム本体工事が終わるまで10年以上、ダム運用までにはさらに何年もかかるはずです。ダム見直しは今からが本番です。

◆守ろう川辺川!
   リバーミーティング97with野田知佑
   ~4月26日(土)前夜祭・27日(日)カヌーデモ
 カヌーイストの野田知佑さん、テレビでおなじみの、うんばば中尾さんも駆け付けます。前夜祭ではコンサートも予定しています。おおいに語り合い、楽しみましょう。4月27日は、カヌー初心者ミニスクールも行いますので、カヌーを持たない方、初めての方でもどしどしご参加ください。スタッフも大募集中です。           ストップ川辺川ダム!!カヌーデモ(人吉市)
           1997.4.27 緒方撮影

◆会計報告(96、10、26~97、4、4) 
収入の部      金額       備考 
繰越金        190,729 
年会費・カンパ   874,729 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計       1,065,458  
支出の部      金額       備考 
郵送費        164,245 会報発送、資料発送など  
紙代          16,911 会報、チラシ、資料など  
事務用品費      71,425 文具、印刷外注費など 
事務所維持費   451,075 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費          43,560 水源連シンポ、高速道路など  
その他         50,680 灯油、県民の会負担金、VTR代など  
合計         797,896
  (収入)    (支出)
 1,065,458-797,896=267,562円
今回、郵便振替用紙を同封させていただきました。年会費1000円未納の方は、ご協力よろしくお願い致します。カンパも大歓迎です。

◆5月25日(日)2つのイベント同日開催!
 5月21日に行われる川辺川利水裁判の第3回公判では、さらに多数の対象農家の補助参加が予想され、川辺川ダム建設の大きな目的は完全に覆されることになります。ところが、このような利水事業に対する裁判が行われている中、また、膨大な財政赤字を抱え公共事業の見直しが政府内でも議論されている中、建設省は、川辺川ダム本体着工の前提となる仮排水路トンネル工事に5月末にも取りかかろうとしています。それを許さないため、また山・川・海のつながりを訴えるために、2つのイベントが計画されました。

◇県民の会シンポ「巨大なムダ 川辺川ダムは誰のため?」
~ダムの水はいらん!ダムもいらん!

◆場所 熊本市大江市民センター
◆時間 午後1時~4時     
◆主催 子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会 
           (連絡先・川本096-365-3836)
 県民の会の第2回目のシンポジウムを、福岡県八女郡星野村の村長さんを招いて開催します。大分県境の奥八女に位置する星野村では、昭和46年に星野川下流の上陽町に「真名子ダム」建設計画が打ち出されましたが、同村一部が水没する事もあって、村あげてのダム反対運動が展開されています。
 また、パネルデイスカッションでは、本来はダムの「受益者」である多数の農民が、なぜダム不要の裁判に立ち上がったのかを明らかにします。

◇球磨川・川辺川源流水リレー 
◆主催 球磨川水系ネットワーク(連絡先・佐藤0966-24-5631)
 九州一の清流川辺川。そして、日本三大急流にも数えられる本流の球磨川。この2つの源流から汲んできた水と、流域各地からもらったメッセージをたずさえて、マシンを使わずに、人力(徒歩、カヌー、自転車など)で源流から八代海まで運びます。また、その途中の要所要所で企画のスピリッツを示すセレモニーを実施します。参加者には、山や川や海そしてふるさとへの思いを自由に表現してもらいます。運営はボランティアで行い、労力や費用一切は、この企画に関わる人たちの手弁当です。(詳しくは同封のちらしをご覧ください)

◆編集後記
 川辺川ダム水没予定地は、絶滅危惧種のクマタカをはじめ2754種の動植物が分布する、生物の宝庫です。去る2月9日、「クマタカを守る会」の調査にはじめて参加しました。思いはあってもそう簡単には出会うことはできないだろうと想像していましたが、ダム予定地からわずか500m上流の山の上を、4羽のクマタカが同時に舞う姿を確認しました。川辺川の自然は絶対になくしてはならない貴重な財産である事を再確認しました。(N.O.)

会報かわうそ15号 1996年11月18日発行

会報 かわうそ 15号  
     [発行責任者] 
        清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
        流域郡市民の会  会長 池井良暢
         熊本県人吉市新町16番地 
           1996年11月18日発行

◆熊本県弁護士会が「川辺川ダム事業の
   再評価が必要」との意見書まとめる
 川辺川ダム事業について、県弁護士会・公害対策環境保全委員会(竹中敏彦委員長)は10月28日、環境への正しい評価と住民への情報を公開した上で事業を再評価すべきだとの意見書をまとめ、建設省や環境庁、県、流域自治体など関係機関に提出しました。
 この意見書は「手渡す会」など地元のダム建設見直しを求めるNGOの依頼を受け、2年におよぶ現地調査などを元にまとめられたものです。五木村については「ダムに頼らぬ地域活性策を、全県民の知恵と経験を傾けて模索する時が来ている」と述べています。竹中委員長は、「調査を進めるなかで、建設省が主張している建設の目的で肯定できるものは何もなかった。ダムをつくること自体が目的になっている」と話しています。

       川辺川ダム事業審議委員会への抗議
        熊本市チサンホテル 1996.8.10 緒方撮影

◆住民不在の川辺川ダム審答申
 建設省が「川辺川ダム計画を見直す」という名目で昨年設置した川辺川ダム事業審議委員会が8月10日に出した答申は、全国各地の審議委員会の答申と同様に「事業継続」でした。委員12名のうちの過半数が事業推進の立場を取る行政関係者であることからも、委員会設立当初からその結論は十分予想できるものでした。
 建設省は、選挙で選ばれた住民の代表である知事に審議委員会の人選を依頼し、住民の意見を聞く場となるよう配慮したとしています。しかし、対象農家の約3分の1がダムからの水は不要として異議を唱え、850戸もの農家の方が裁判闘争まで起こしている川辺川利水事業。そして、人吉市の有権者の過半数を大きく上回る1万9千名の市民がダム計画の見直しを求める陳情署名をした事実は、委員構成にも、答申の内容にも全く反映されませんでした。
 ダム事業審議委員会の問題点が明らかになるにつれて、県内の多くの自然保護団体がダム建設に対する懸念を表明し、「川辺川ダム建設中止」を申し入れた球磨川漁協の声も握り潰されてしまいました。
 さらに、「治水」「利水」などにおけるダムの必要性の検討でも、行政側の主張をそのまま採用しており、住民側が指摘した問題点は黙殺されたと言っても過言ではありません。
 非常に残念だったのが、福島知事が「30年経過し、大局的な判断が必要だった」と述べていることです。ダムの寿命は長くて100年。なぜ、社会情勢は激変しているのに30年も前の計画をそのまま継続させるのが大局的な判断なのでしょうか。
 公共事業を、事業者自らが設置した機関で見直すこと自体が不可能です。住民投票制度など、住民の意思が直接反映できるシステムをつくるべき時がきているのではないでしょうか。
        川辺川ダム事業審議委員会への抗議
         熊本市チサンホテル 1996.8.10 緒方撮影
         川辺川ダム事業審議委員会への抗議
          記者会見する手渡す会の木本さん、原さん
          熊本市チサンホテル 1996.8.10 緒方撮影

◆五木村がダム本体着工に同意…
    私たちの活動はこれからが本番!
 建設省が設置した川辺川ダム事業審議委員会が「ダム建設継続は妥当」との結論を建設省に答申してわずか2か月後の10月11日、ダム水没予定地の五木村と相良村は建設省と「ダム本体着工に伴う協定書」に調印しました。
 30年にわたり、ダム問題による苦難を強いられた五木村当局は「ダム着工やむなし」との結論を選ばざるを得なかったとも言えるでしょうが、ダムにより被害をこうむるのは上流も下流も同じです。「ダムの受益者」とされている人吉市民や農家が多数反対していて、ダム建設の目的がなくなっているのですから、見直されるのが当然です。
 また、この財政難のおり、目的のなくなったダム建設に巨額の国費を投入するのは、次の世代にも大きな負担を強いることになります。長良川河口堰も、本体着工してから全国的な問題としてクローズアップされるようになりました。最近、川辺川ダム問題も急速に各界・各層にも取り上げられるようになりました。私たちの活動は、これからが本番です。

◆手渡す会・8月~10月の出来事
8/7   「川辺川ダム事業審議委員会の廃止と川辺川ダム本体建設凍結
      を求める要請書」を九地建に提出。(福岡市)
8/9   「森が歌う日魚が帰る」上映会。(人吉カルチャーパレス)
8/10  川辺川ダム事業審議委員会、「ダム建設継続は妥当」との結論
      を建設省に答申。「ダム審解散要求書」を提出。(熊本市)
8/12~ (財)日本自然保護協会の保護部長・横山隆一氏、川辺川ダム
      問題の現地調査。(人吉市~五木村)
8/16~ 小杉邦夫写真展「川が育むふるさと~川辺川の人と自然」
8/20  「美しい球磨川を守る市民の会」が八代で発足。
8/21  「川辺川ダム事業審議委員会の答申を無効とすることを求める
      要請書」を九地建に提出。
8/25  「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」が熊本
      市内で発足。

9/11  川辺川流域のクマタカの保護に向け、県に関係省庁への働き掛
      けを要請。(熊本県庁)
9/14~ 「96国際ダムサミットin長良川」に参加。(三重県長島町)
9/23  「清流・川辺川を見に行こう」自然観察会。(相良村権現橋)
9/26  ダム建設の情報公開を九地建に要請。(福岡市)

10/11 五木村、相良村が県、建設省と川辺川ダム本体着工に同意。
10/26 熊本県保険医協会が「ダムと環境」をテーマにシンポジウム。
10/28 熊本県弁護士会が、川辺川ダム建設について「事業の再評価が
      必要」との意見書をまとめる。
         「96国際ダムサミットin長良川」に参加
           1996.9.14 緒方撮影
          「96国際ダムサミットin長良川」に参加
           ダニエルビアード氏、フレッドピアス氏らと歓談する
           手渡す会の木本さん、緒方さん
           1996.9.14 緒方撮影

◆「手渡す会」総会&忘年会 
とき  11月25日(月)午後7時30分~ 
ところ くま川ハウス(人吉市新町) 
なかみ ・経過報告  ・今後の活動方針について      
     ・忘年会(会費1000円) 
◇出欠確認のはがきや委任状など同封しなければならないところですが、正直な話、経費節減のため省略させていただきました。

◆会計報告(96、7、21~96、10、25) 
収入の部      金額       備考 
繰越金       153,962 
年会費・カンパ  475,449 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計        629,411  
支出の部      金額       備考 
郵送費       92,845 会報発送、資料発送など  
紙代        16,975 会報、チラシ、資料など  
事務用品費     33,725 文具、印刷外注費など 
事務所維持費   288,787 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費         4,350 審議委員会への申し入れ高速道路代など 
その他        2,000 県自然保護団体等協議会負担金など 
合計       438,682  
  (収入)    (支出)  
629,411-438,682=190,729円
◇年会費 1,000円未納の方は、ご協力よろしくお願い致します。カンパも大歓迎です。カンパ・会費は、下記までお願い致します。郵便振替「01970-1-27826」 「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」 

◆農家に訴えられた川辺川利水事業
      初公判は12月4日!
 12月4日午後2時から、熊本地裁101号法廷で、866戸の農家らに訴えられた川辺川土地改良事業に関わる裁判の初公判が行われます。川辺川利水事業は、この裁判が結審しなければ計画決定も工事着工も、法律的にできません。その事はダム建設全体にも大きな影響を与えます。多数の傍聴参加をお願い致します。

◆「子守唄の里・五木を育む清流川辺川
  を守る県民の会」が発足しました!
 日本のふるさとである五木村が、目的を失ったダム計画のために湖底に沈むということに強い疑問を抱き、また、川辺川が、完全に自然な川としては九州で唯一の清流であるということを県民及び国民の皆様に広く知ってもらいたい。という趣旨のもとに、子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会(代表・國徳恭代さん)が8月25日に熊本市で発足しました。
 発足以来、関係諸機関への要請や話し合い、自然の中でのイベントなど多彩な活動を繰り広げておられます。これまでの「手渡す会」の活動とはひと味違った、例えばパソコン通信を使った広報活動やネットワーク造りを積極的に行っておられます。
 今回、県民の会の会報を同封させていただきました。この会報も、すべてスタッフのパソコンを使っての手づくりだということです。今後のイベントなどにも奮ってご参加をお願いします!              
◆編集後記 
 8月20日の朝日新聞一面に、建設省がダム審にクマタカ営巣地の存在を報告していなかったことが大きく取り上げられました。その後、八代や熊本市内でダム計画を見直そうとするNGOが結成されたり、球磨川漁協がダム本体建設反対を表明したり、県内の多くの自然保護団体がダム建設に対する懸念を表明したり、弁護士会が意見書をまとめたり、保険医協会もダム問題を取り上げたりと、川辺川ダム建設に対する疑問の声は大きく広がりつつあります。継続は力なりですね。(N.O.)

会報かわうそ14号 1996年7月29日発行

会報 かわうそ 14号 
      [発行責任者] 
       清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
       流域郡市民の会  会長 池井良暢 
        1996年7月29日発行


◆国営川辺川総合土地改良事業
     農家など866戸が裁判闘争へ!
 農水省は、川辺川ダム建設による利水事業(国営川辺川総合土地改良事業)は不要として異議を申し立てていた1144戸もの農家の異議申し立てを3月29日に棄却しました。この利水事業の問題点をまとめると…
①この事業にかかる農家の負担金のうち、県営の分はいくらになるのか明らかにされていません。明らかにしないのは、その金額が高すぎて農家が事業に参加しなくなるのを農水省は恐れているからです。
②農家をだますような同意取得の例が、昨年3回開かれた口頭審理の席上でも多数、明らかにされています。
現在農家が持っている水利権は、川辺川利水事業に参加させられた時点で取り上げられてしまいます。その事も農家は知らされていません。
 以上のような理由で6月26日、農家など866戸が農水大臣を相手に「棄却取り消し」を求める行政訴訟を熊本地裁に起こしました。このような多数の農家の方々が国を相手に裁判を行うのは前代未聞の事です。
 土地改良法によると、対象農家(4000戸)の1/3が事業への不参加を表明すれば、土地改良事業は中止となり、ダム建設は基本計画からやり直しとなり、ダム建設自体にも大きな影響を与えます。カンパや新聞への投書などでのご支援、よろしくお願いします。
              熊本日日新聞 1996.6.27

◆(財)日本自然保護協会
    川辺川ダム問題現地調査にはいる!
 昭和26年の発足以来、わが国の自然保護運動の理論的支柱をなして来た(財)日本自然保護協会の保護部長・横山隆一氏が8月13日、川辺川ダム問題の現地調査を行います。ダムによる水没予定地一帯には、絶滅危惧種のクマタカやヤイロチョウをはじめ、2711種もの貴重な動植物が分布しており、今後も引き続き同協会による本格的な調査が行われる予定であり、大きな反響を引き起こすことは必至です。
 また、前夜にはくま川ハウスにて清流川辺川を生み出す脊梁山地の現状およびダム問題など、いかにしたら清流川辺川を守れるか、横山氏を囲み語り合います。多数のご参加をお願いします。(同封のチラシをご参照ください)
 (財)日本自然保護協会とは… 昭和24年の尾瀬が原の水力発電計画、昭和26年阿寒国立公園雌阿寒岳頂上の硫黄採掘が問題になったのを機会に、全国的な自然保護運動の必要性が痛感され、任意団体として発足しました。その後、急速なわが国の経済発展に伴い、自然保護運動の緊要性が増したため、昭和35年、財団法人となり今日に至りました。(『自然保護ハンドブック』より一部引用)
           1996年夏 川辺川 小杉邦夫さん撮影
            「激流に遊ぶ」

◆国土問題研究会も現地調査
    川辺川ダム建設の見直しを提案!
 川辺川ダムの治水計画について、民間の調査研究機関・国土問題研究会(志岐常正理事長)の上野鉄男氏(専門・河川工学)は、4月13日から3日間、ダムサイト予定地などの現地調査を行いました。
 4月15日夜、くま川ハウスにて行われた説明会には、市民や市議ら約30人が参加。上野氏は川辺川ダムの洪水調節の根拠となるピーク流量の設定について「昭和40年の大水害の降雨量のみを使い、架空の地域別降雨パターンを設定して算出しているため過剰な値が出ている。過去のデータ全てを反映させるべきだ」と指摘。
 さらに同氏は、ダムの洪水調節の難しさを実例を上げながら説明し「ダムは最後の手段とすべき。川辺川は遊水地や放水路などダムに頼らない総合的な治水事業が可能ではないか」などと述べました。
           1996年夏 川辺川 小杉邦夫さん撮影
            「川辺川には日本各地からカヌーイストが集まる」


◆手渡す会・3月~7月の出来事
3/25  川辺川ダム事業審議委員会(以下略称『ダム審』)の第4回委員会。「治水専門委員会を設置して適切な計画高水流量の再設定と対案の組み合わせ計画の策定を求める要望書」を提出。
3/29  第15回日本環境会議「美しい自然を未来に」(熊本市にて開催)で、川辺川ダム問題が大きく取り上げられる。
3/29  農水省は、1144戸もの農家が川辺川ダムによる利水事業は不要として提出した「異議申し立て」の棄却を決定。
4/13  国土問題研究所(志岐常正会長)の上野鉄男氏が川辺川ダムサイト予定地などの調査に人吉入り。
4/27  ダム審の第5回委員会。「川辺川ダム事業審議に関する要望書」を提出。
6/2   ダム審の第6回委員会。環境に関する要望書を提出。
6/26  国営川辺川総合土地改良事業の「異議申し立て棄却」の取り消しを求めて、関係農家ら866人が農水大臣を相手取り、行政訴訟を熊本地裁に起こす。
6/30  ダム審の第7回委員会。実質審議に入ったと報道される。「これまでに提出しました『申し入れ書』『要望書』『資料』などの真摯な審議を求める要望書」を提出。
7/13  ダム審の第8回委員会。「抗議文」を提出。8月の審議委員会で答申案を決定すると報道される。
7/21  理学博士の松本幡郎氏、熊本生物研究所の甲守崇氏を球磨川ハウスにお迎えし、学習会。
            1996年夏 川辺川 小杉邦夫さん撮影
             「高さ11mの橋げたより飛び込む」



◆川辺川ダム事業審議委員会、
         8月に答申案を決定
    誰のための審議委員会なのか?
 30年も前に、国により一方的に立案発表され、現在その必要性が問われ、いまだダム本体工事には着手されていない川辺川ダム計画を中立・公正な立場で見直すという名目で、建設省は昨年「川辺川ダム事業審議委員会」を設置しました。審議委員会は川辺川ダム事業に対し『継続』『見直し』『中止』のいずれかの答申を出すことになっていますが…
①12名の委員を事業促進の立場をとる県知事が推薦しており、12名の委員のうち7名までが事業促進の立場を取る行政・議会関係者となっている。例えば人吉市では、約4万名の人吉市民のうち約1万9千名もの市民がダム見直しの陳情署名に応じたというのに、これでは地元住民の意志は全くダム事業に反映できない。
②地域住民の声を事業に反映するという趣旨とは裏腹に、度重なる住民の要望にも関わらず、住民の傍聴さえ認めていない。
③多数の地元農民が事業に反対して国相手に訴訟を起こした「国営川辺川総合土地改良事業」について、審議委員会の席上、農水省は「ダムによる方法が最適だ」などと説明し、江藤委員長は記者会見で「今後の審議は農水省が出した見解を前提として考えて進めていきたい」と語った。多数の農民の声も聞かず、現地調査もせずに、行政の一方的な見解だけを判断材料にしている。同様に、治水対策などについても、建設省の一方的な説明だけを判断材料にしている。
 以上のような点を考えれば、審議委員会の答申を待つまでもなく、川辺川ダム事業審議委員会は、事業促進のお墨付きを与えるために建設省が設置したとしか言えません。審議委員会の答申後も、「目的がなくなったダム建設を見直し、子供達に豊かな自然を手渡そう」という私たちの運動に変わりはありません。
            1996年夏 川辺川 小杉邦夫さん撮影
              「さし網にかかったアユを上げる」



◆会計報告(96、2、20~96、7、20) 
収入の部      金額       備考 
繰越金        182,071 
年会費・カンパ 1,102,154 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計       1,284,225  
支出の部      金額       備考 
郵送費        165,535 会報発送、資料発送など  
紙代          38,224 ニュース、チラシ、資料など  
事務用品費      20,998 封筒、文具、写真現像、印刷外注費など 
事務所維持費   494,375 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費          81,750 審議委員会への申し入れ高速道路代など、東京1名  
調査費        193,881 国土問題研究所など、講師旅費宿泊費共 
看板作成      132,000 取り付け費共 
その他         3,500 県自然保護団体等協議会負担金、会場費など     
合計       1,130,263  
(収入)    (支出) 
1,284,225-1,130,263=153,962円
◆私たちの運動も、専門的な調査が必要な段階になりました。今回も皆様方のご協力により、黒字会計になりましたことに感謝致します。今後も調査による出費が予想されますので、カンパのご協力よろしくお願いします。


◆くま川ハウス、
  ニュー看板でイメージアップ!
 前号の会報「かわうそ」で募集しました「看板文句」へ多数のご応募、ありがとうございました。定例会での厳正なる審査の結果、人吉市のKさんの文句が選ばれました。応募された皆様には、近日中に粗品をお送りします。
           人吉市・中川原にあった初代くま川ハウス
            1996.7.22 緒方撮影

◆編集後記 
 今年に入り、手渡す会の活動の多くを「川辺川ダム事業審議委員会」への対応に費やしましたが、委員会のたびに八代や熊本市内から多くの方々が申し入れに加わっていただき、(仮称)『美しい川辺川を守る県民の会』も設立を迎えようとしています。昨年12月の週刊金曜日講演会から、清流とふる里を愛する人の輪が、大きく広がりました。夏は、川辺川の季節です。今年も川辺川の清流はエメラルドグリーンに輝き、皆様のお越しをお待ちしております。(N.O.)

会報かわうそ13号 1996年3月4日発行

会報 かわうそ 13号     
         [発行責任者] 
           清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
           流域郡市民の会 会長 池井 良暢 
               1996年3月4日発行

◆「川が育むふる里」講演会
   1300人集め、カルチャーが燃えた! 
   たくさんの皆様、ご参加・ご協力ありがとうございました
 12月17日、人吉カルチャーパレス大ホールで開催された講演会「川が育むふる里-今ダムを考える」(週刊金曜日主催)は、質量ともに大成功を収めました。
 約1300人が入場した会場は活気に満ちあふれ、若い世代も多く感動的でした。人吉の地で、このような硬派の講演会が、カルチャーパレス大ホールに立ち見が出るほどの聴衆に埋めつくされた事は、未曾有の事だと思います。5人の著名な講演者も次々と川辺川ダム問題を斬りました。
◆ジャーナリストの本多勝一氏:「川辺川ダム建設は税金の無駄づかい。建設省のダム宣伝は、結婚サギのようなものだ」
◆経済評論家の佐高信氏:「オウムに破壊活動防止法が適用されそうだが、美しい国土を破壊する建設省にこそ破防法を適用すべきだ」
◆作家の椎名誠氏:「海岸やダムの開発は、地主など当事者だけではなく、流域全体の問題としてとらえるべきなのに、日本ではそれができていない」 
◆カヌーイストの野田知佑氏:「先進国では、ほんの少数の人間でも反対すれば、ダムはできない」
◆宍道湖淡水化事業をストップさせた島根大教授の保母武彦氏:「五木村民には、ダムを造らず村がよくなるか、という不安がある。しかし開発に頼らず村おこしを実現させた例は多数ある。五木の知名度は全国有数。都会には、ふる里を求めている多く人がいる」
 時代は「開発」から「自然との共生」へと大きく変わりつつあります。私たちにとって、そして次の世代にとって何が一番大切なのか。ふる里の将来について大いに考えさせられる講演会でした。 

            満員の人吉カルチャーパレス
             1995.12.17 緒方撮影
            若鮎の会メンバーも大活躍
             1995.12.17 緒方撮影
            満員の人吉カルチャーパレス
             1995.12.17 緒方撮影
            2階席まで満員の人吉カルチャーパレス
             1995.12.17 緒方撮影
◆手渡す会・12月~2月の出来事
12/2  川辺川ダム事業審議委員会の第2回委員会。「ダム事業に地域住民の意見を反映させるための申し入れ書」と約700人の署名を提出。
12/5  「川辺川ダム建設中止を前提とした五木立村計画の策定」の申し入れに対し、県は「中止の場合の計画は策定しない」と回答。
12/17 「川が育むふる里」講演会(1300名参加)
12/30 第2回「ちょっとまて川辺川ダム、清流リレーマラソン」
      (熊本県庁~五木村~人吉市くま川ハウス、30名参加)
1/27  川辺川ダム事業審議委員会の第3回委員会。「五木村再建のための調査立案委員会の設置」を求める申し入れ。
2/10  市房ダム見学会。
2/16  理学博士・松本幡郎氏を迎えダム代替地地質についての学習会。
      五木ダム建設予定地の見学会。
2/17  川辺川ダム事業審議委員会、五木村で村民から意見聴取。
2/21  NHK「クローズアップ現代」(全国ネットで放映)にて、川辺川ダム問題が大きく取り上げられる。
    *五木村でチラシ配布などの広報活動に取り組んでいます。

◆行政は、川辺川ダム中止の場合の
    立村(村づくり)計画を示せ!
 川辺川ダム建設計画を見直す、という名目で建設省が設置した「川辺川ダム事業審議委員会」は2月17日、五木村で8名の村民の方から非公開の意見聴取を行いました。
 「村民は事業推進を希望した」というような報道をしたマスコミが多かったようですが、「ダム本体を早く造ってほしい」という声は(報道を通して知り得た範囲では)伝わって来ませんでした。
 昭和41年の建設省による一方的なダム建設発表以来、五木村はダム問題で大きな苦難を強いられ、人口も大きく流出しました。また、ダムができるからという理由で社会基盤整備も進まず、水没地の小学校では体育館さえ造ることができない状態が30年も続いているのです。ダム問題を解決し、将来を見据えた村づくりに早急に取り組まなければ、状況は悪くなる一方です。
 しかし現在、ダム建設の目的はなくなっています。河川改修が進み、昨年7月の記録的な大雨でも洪水は起きませんでした。農家もダムの水は不要だと言っています。反対にダムができれば、下流はダム放流による大洪水の危険にさらされます。結局のところ上流も下流も、ダムによる被害者なのです。 審議委員会は中止という結論を出す場合もあるのですから、行政はダムによる立村計画だけでなく、ダム中止の場合の五木立村計画も早急に策定し、住民に選択肢を与えるのが公正なやり方ではないでしょうか。

◆100キロ走破!清流リレーマラソン
 第2回「ちょっとまて川辺川ダム・清流リレーマラソン」が、12月30日午前8時半に熊本県庁をスタート。地元人吉市の中高生を含む30余人が『ちょっとまて川辺川ダム』と書かれたタスキをリレーし、ダム見直しを沿道の県民に訴えながら人吉市までの約100キロを走破しました。
 一昨年の第1回は、大晦日に人吉市をスタートして実施しましたが、今年はその復路として熊本市から城南町、松橋町、宮原町、東陽村をへて雪景色の五木村の大通峠へ。五木村頭地、相良村をへて、午後7時すぎにゴールの「くま川ハウス」に拍手の出迎えを受けながら到着しました。
 一人平均1キロから6キロ単位で交替しながら走り抜きました。昨年に続いて参加した人吉市の高校生・柳原哲郎さん(18才)は、「三区間走りましたが、中でも大通峠までの上りがきつく、雪まで降り出してとても寒かったです」と話していました。

◆会計報告(95、11、16~96、2、19) 
収入の部      金額       備考 
繰越金        87,446 
年会費・カンパ 1,017,158 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計       1,104,604  
支出の部      金額       備考 
郵送費       159,600 会報発送など 
紙代         21,034 ニュース、チラシ、資料など  
事務用品費     74,215 封筒、文具、写真現像、印刷外注費など 
事務所維持費   366,303 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費         22,600 審議委員会への申し入れガソリン代など 
これまでの個人立替分 200,000 くま川ハウス敷金など 
電話機(FAX)    43,775 
その他        35,006 講師謝礼、灯油代 
合計        922,533  
(収入)    (支出) 
1,104,604-922,533=182,071円
◆皆様方の会費・カンパのおかげと、スタッフの経費節減の努力で、今回はこの会報を発送しても、ちょっぴり黒字会計になることができました。◆12月17日の講演会で、たくさんの方に入会いただきました。また会場でカンパを6万1767円もいただきました。ありがとうございました!◆今回、まだ会員になられていないに方には会費等の振り込み用紙を同封させていただきました。年会費(1000円) を納入され、ぜひ会員になってください。もちろん、カンパも大歓迎いたします。                         
◆あなたの言葉が、
   でっかい看板になります! 
 看板文句を募集中!
 看板娘も募集中!(こっちは冗談。でも、なりたい方がいらっしゃれば光栄です)
 くま川ハウスの球磨川に面した大きな看板(高さ2m×幅12m)をかけかえ、グーンと美しくしたいと思っています。で、この際、会員の皆様方からその文句を募集しよう、という事になりました。集まった意見は定例会でみんなで審査し、意見をくださった方から審査と抽選で「手渡す会」や「清流」にちなんだ景品を差し上げようと思っています。 内容、文句、イメージ、デザイン、意見など、どんな事でも結構です。過激なやつ、優しいやつ、おもしろいやつ…楽しみに待っています。(しかし、字数が多くなると看板が見づらくなりますので、ご注意ください) 
★宛先・熊本県人吉市新町16番地 くま川ハウス「看板文句募集係」までどうぞ。(3月16日必着でお願いしまーす!)

☆お知らせコーナー
◆パソコン通信を始めたよ! 
 「手渡す会」でも、今年のお正月からパソコン通信を始めました。川辺川や清流・美しい自然を愛する日本各地の人達が夜ごと集まって、気軽におしゃべりをする部屋ができたのです。(熊本市内の有志の方は、昨年から始められています) 興味のある方は、NIFTY ID VZB01703佐藤亮一までメールを!

◆毎月最終日曜は「川が育むふる里会」 
 昨年12月17日の講演会に向けての実行委員会は、球磨川流域から県内各地へと、自然とふる里を愛する人の輪を大きく広げることができました。講演会が終わってもこのつながりを広げていこうと、「川が育むふる里会」という名称で月1回、最終日曜日に「くま川ハウス」に集まろう、ということになりました。次回は、3月31日午後7時からです。是非、のぞいてみて下さい!(翌日の定例会は、お休みになります)

◆編集後記 
 2月21日のNHK「クローズアップ現代」で、川辺川ダム問題が全国ネットで大きく放映されました。ちょっぴり顔が映っていた私のところにも、全国の友人からたくさん電話がかかって来て、やっぱり全国放送は反響が大きいなと実感しました。手渡す会の活動も今年で4年目に入りますが、ずいぶん広がってきたなと実感します。3月29日と30日には、熊本市内で日本環境会議が開催されますが、ここで もダム問題が大きく取り上げられます。特に2日目の「清流を未来に」と 「次の世代に残すもの」の分科会では現地からの報告もありますので、是非ご参加下さい。(N.O.)

会報かわうそ12号 1995年12月1日発行

会報 かわうそ 12号     
          [発行責任者] 
             清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
             流域郡市民の会 会長 池井 良暢 
              1995年12月1日発行


◆12月17日(日)「週刊金曜日」講演会
    人吉カルチャーパレスにて開催します!
   ゲスト 椎名 誠(作家) 
        本多勝一(ジャーナリスト)     
        野田知佑(作家)  
        佐高 信(経済評論家)     
        保母武彦(宍道湖淡水化事業を
              中止させた島根大学教授)
 「週刊金曜日」という雑誌をご存じですか?市民の立場に立ち、各地の住民運動も支援している創刊2年を迎える雑誌です。その週刊金曜日の主催により、人吉で「川が育むふるさと-今ダムを考える」というテーマで講演会が開かれることになりました。
 全国でも著名な豪華ゲストが、川辺川ダム問題をずばりと斬ります。ダム問題を正しく理解し、将来のために賢い選択をするためにも是非お話を聞きたいですね。日頃はめったに聞けない、素晴らしい、また楽しいお話が聞けると思います。年末の日曜日でお忙しいこととは存じますが、ご家族・ご友人お誘い合わせの上、多数のご参加をお願いします。

◆川辺川で「絶叫ジャンプ大会」
 「川辺川はおれのものだ!」「ダムなんていらないぞ!」9月3日、相良村境田橋付近の川辺川で、「絶叫ジャンプIN川辺川」(同実行委主催)が開かれました。
 絶叫ジャンプは、高さ4mの岩の上で思い思いの言葉を叫んだあと、川辺川へ飛び込むもので、ただの「ギャー」から自然保護派の絶叫までさまざま。大きな声が河原に響き渡り、水しぶきが上がりました。タレントのウンババ中尾さんもかけつけ、大いに盛り上がりました。
 中にはカヌーに乗ったまま飛び込む人や、高さ10mの境田橋の上から飛び込む人も続出しました。これも、自然がそのまま残されている川辺川だからこそできる事です。もしダムができたとしたら、川は濁り、水量は減り、下流への砂礫の供給が止まるため、淵も大きな石で埋めつくされます。なんとかダム建設を止め、この「宝物」を子供たちに手渡したいですね。

        相良村境田橋付近の川辺川 
        1994年7月10日 手渡す会撮影

◆手渡す会・7月~11月の出来事
7/3   「7・3水害から30年、ダムと水害を語る会」(下青井会館)
7/7   建設省川辺川ダム説明会(治水)に参加、質疑。
7/23  「手渡す会」総会(青井神社にて)
7/31  建設省のダム説明会に対する公開質問状提出。
8/4   建設省川辺川ダム説明会(地質)に参加、質疑。
/28~ 川辺川土地改良事業への異議申立てに関する口頭審理(3回目)
9/3   「絶叫ジャンプIN川辺川」に参加。
9/6   川辺川ダム事業審議委員会は「事業推進の立場の県知事が委員を選んでいるので、住民の意見は反映されない」として、白紙撤回を県知事に要請。県当局と話し合い。
9/8   川辺川ダム事業審議委員会の初会合。「地域住民の意見をダム事業に反映させる」はずが、住民の傍聴をシャットアウト。
9/13  「川辺川・この川を残そう!」上映会(くま川ハウスにて)
9/18  「ありがとう!福岡賢正さん」お別れパーテイー(くま川ハウスにて)
9/30  建設省川辺川ダム説明会(環境・地域振興)に参加、質疑。
10/9  川辺川ダム事業審議委員会の現地視察。「十分な審議を行うため、審議期間をあらかじめ設定しないこと」「審議委員会の住民傍聴を認める事」などの申し入れ書を提出。
10/18~日本弁護士連合会の全国集会で、川辺川ダム問題も報告される。その後、四万十川、早明浦ダム、大渡ダム、木頭村などを視察。(手渡す会より8名参加)
10/28 足羽川ダム建設反対全国大会(福井県)参加。
11/4~5五木村「子守唄祭」にてチラシ配布などの広報活動。
11/12 川辺川ダム事業審議委員会の公聴会。「わずか16名、一人あたり15分の制限時間では、地域住民の意見は把握できない」として、2回目の公聴会開催を求める申し入れ書を提出。
11/16 建設省に対して、資料公開と「川辺川ダム建設を中止した場合における五木村の立村計画も立案・提示し、住民に選択肢を与える」などの申し入れと、話し合い。
11/22 県知事に対し、川辺川ダム事業審議委員会のメンバーの見直しと公聴会の再度開催を要請。県当局と話し合い。
     建設省川辺川工事事務所との交渉 手渡す会撮影
     左より大山さん、西村さん、藤原さん、重松さん、原さん
     右側の中央は、光成調査設計課長(当時)

◆建設省の動きと私たちの対応
 長良川河口ぜき問題をきっかけに、大規模公共事業の見直しについて社会的関心が高まったのに対し、建設省は今年6月30日、川辺川ダムを含む全国11のダム事業について、計画の変更や中止を含めて見直すための審議委員会を設置すると発表しました。
 しかし、それは五十嵐元建設大臣が提起し、私たちが求めていた「第三者機関としての見直し機関」ではなく、建設省主導の「見直し」であり、また、審議委員会のメンバーを事業推進の立場をとる知事が推薦することになっており、手渡す会では「審議委員会の白紙撤回」という基本姿勢をとっています。 「川辺川ダム事業審議委員会」は9月の初会合、10月の現地視察、11月の公聴会と、次々と動きを見せていますが、私たちもそれに対応して「地域住民の意見を反映させるために」(これは審議委員会の目的であります)何度も申し入れ、話し合いを行っております。
 また建設省は7月から、計画発表以来29年目にして初めて、一般住民を対象にした「川辺川ダム説明会」を3回にわたって開催しましが、説明も住民の納得のいくものにはほど遠く、住民の疑問や不安は一層大きくなったと言えるのではないでしょうか。
         川辺川ダム事業審議委員会の会場前で、
         福島知事(当時)に詰め寄る原豊典さん
         熊日新聞 1995年9月9日

◆会計報告(95、6、16~95、11、15) 
収入の部      金額       備考 
繰越金       434,877 
年会費・カンパ 1,273,704 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計       1,708,581  
支出の部      金額       備考 
郵送費       378,341 会報発送など 
紙代         52,032 ニュース、チラシ、資料など  
事務用品費     17,568 封筒、文具、など 
事務所維持費   453,402 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費         159,534 四国8名、福井1名、など 
ビデオ制作費    266,358 パソコンソフト、ダビング(200本)
ダム説明会撮影   60,000 
その他        233,900 印刷外注、会場費、器材借用など 
合計       1,621,135 
 (収入)    (支出)
 1,708,581-1,621,135=87,446円
◆手渡す会の財政が逼迫しております。この会報を会員、協力者の皆様に発送すれば、財政も底をつきます。(赤字分は個人負担となってしまいます) 大変失礼かとは存じますが、郵便振替え用紙を同封させていただきました。まだ会員になられていない方は、是非会員になっていただきたいと思います。また、年会費(1000円)を納入されていない方は、納入をよろしくお願いします。もちろん、カンパも大歓迎いたします。手渡す会は、市民の皆様の浄財で成り立っております。ご意見・ご要望をぜひ通信欄にお書き添えいただければ幸いです。

◆見て!見て!見て!
    「川辺川・この川を残そう!」     
    ビデオ 40分 VHS用 1500円
 パソコン上で、写真、音声、音楽を編集してスライドショーを作り、ビデオテープに録画しました。内容は「ダムの水」「ダム下流の町」「ダム建設・4つの目的とは!?」「緑のダム」「五木村」「楽しい川」「お知らせ」の7部からなっています。
 作ったのは、ワープロにも触ったことのない、どしろうとのアタシ。完成品として作り上げる自信などなかったので、皆にはナイショで始めました。
 幸い「パソコンの天才児」「愛と勇気と美声の男」「美貌のアナウンスクイーン」の3人の応援を得て、長い歳月(のべ25日間)と幾多の苦難(ほんとはすっごく楽しかった)の末、テスト版完成。手渡す会の皆に見てもらい手直し。最終盤完成!ダム問題を訴える、手渡す会初のビデオができました。川のために何かしてやりたい、という気持ちを形にすることができたうれしさで一杯です。皆で、山・川・海の美しさを、素晴らしさと大切さを、そしてそれを破壊する事の不当さを訴えていきましょうよ!(R.S.)
○ビデオが欲しい方は…同封の振り込み用紙に送料込み1800円 通信欄に「ビデオ希望」とご住所、お名前をお書きになればOK! 入金確認後、直ちに発送いたします。(お問い合わせ佐藤まで0966(24)5631)
      川辺川に飛び込む高校生
      相良村権現橋  1994年夏 手渡す会撮影

◆編集後記 
早いもので、1995年もあとわずかです。今年は建設省が動きました。町内会の回覧板を使ってのダム宣伝ビラまき、ダム説明会、そしてダム審議委員会。私たちの税金で一方的な宣伝をする事には腹が立ちますが、これは建設省としても一方的にダム事業を進めることができなくなった事の表れでもあります。状況は変わりつつあります。17日には椎名誠さんをはじめ、豪華ゲストを迎え、今年最後の大イベントを行います。カルチャー大ホールを満員にしたいと頑張っておりますので、どうぞたくさん人を連れて、おいでください。お待ちしていまーす!忘年会を25日(月)7時より、くま川ハウスで行います。大いに盛り上がりましょう。(料理持ち込み大歓迎です!) では、よいお年をお迎えください。(N.O.)
皆様方のご感想、ご意見、ご要望をお待ちしております。
   人吉市新町16番地「くま川ハウス」までどうぞ ■0966(24)9929

2008年10月13日月曜日

会報かわうそ11号 1995年10月12日発行

会報 かわうそ 11号    
           [発行責任者]    
            清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
            流域郡市民の会 会長 池井 良暢   
              1995年10月12日発行

◆川辺川ダム事業審議委員会に
        あなたの声を!
 建設省は、川辺川ダム計画の目的や事業内容を再検討するために「川辺川ダム事業審議委員会」を設置しました。この審議委員会は、地域住民の意見を事業に反映させ、事業計画の変更や中止の判断を下す場合もあるといいます。手渡す会では、審議委員会の白紙撤回を求めていますが(同封のニュースをご参照下さい)住民の意見を伝えるために、皆様方に下記のような事をご提案します。
          熊本日日新聞 1995.9.7

■同封の「意見申出書」と「原稿用紙」にあなたの意見を書かれて、ダム審議委員会に郵送してください。(詳しくは、別紙を御覧ください) 
■ご家族・ご友人にも、是非おすすめ下さい。
  郵送先は…  〒812  福岡市博多区博多駅東2-10-7 福岡第二合同庁舎 川辺川ダム事業審議委員会事務局あて
川辺川ダム事業審議委員会  
委員氏名   役職名      住所 
岩崎泰頴 熊本大学理学部教授 熊本市黒髪2丁目熊大理学部
江藤 孝 熊本大学法学部教授 熊本市黒髪2丁目熊大法学部 
長 智男 九州共立大学学長 北九州市八幡西区自由ヶ丘1-8 九州共立大学 
戸田義宏 九州東海大学農学部教授 阿蘇郡長陽村河陽九州東海大学農学部 
米沢和彦 熊本県立大学総合管理学部長 熊本市健軍 熊本県立大学 
福島譲二 熊本県知事   〒862-70熊本県知事(だけで着きます) 
福永浩介 人吉市長    人吉市九日町1 
高岡隆盛 相良村長    相良村四浦153 
西村久徳 五木村長    五木村西谷7035 
高田昭二郎 熊本県議    錦町一武2111 
恒松 新  相良村議長   相良村柳瀬2319 
照山哲榮  五木村議長   五木村甲2672-2


◆「手渡す会」総会の議事内容報告
 去る7月23日、「手渡す会」創立2周年を迎えての総会を、多くの会員の皆様を迎え、青井神社にて開催しました。
 まずは、池井会長の挨拶。その後、重松事務局長の一昨年8月「手渡す会」創立以来の2年に及ぶ経過報告。本当にいろいろなことがありました。2年前、ここまでこの運動が進展するとはだれが予測したでしょう。会計報告、監査報告の後、議事に移りました。会則の一部改訂、役員選出、今後の運動方針、を話し合いました。その後、ダム審議委員会への対応や、今後どの様にして川辺川ダム問題を球磨川流域や県内に広げていくか等、積極的な意見交換が行われました。
 会長に池井良暢さん、事務局長に重松隆敏さんが再選されました。以下、当日の議事内容の報告を致します。
       日弁連人権擁護大会「清流をわれらの手に」(高知)に参加
        1995.10.19 手渡す会撮影
日弁連大会(高知)に参加した手渡す会スタッフ
後列左から先田さん、木本さん、原さん、東さん、西さん、原さん、岡さん、大山さん  前列左から古川さん、倉田さん、重松さん、梅山さん、佐東さん

       早明浦ダムの看板を見る重松さん 1995.10.20 手渡す会撮影
     早明浦ダム下流の濁水 1995.10.20 手渡す会撮影
◆12月17日(日)「週刊金曜日」大講演会、
     人吉カルチャーパレスにて開催!
豪華ゲスト 本多勝一(ジャーナリスト、週刊金曜日編集長)
        佐高 信(ジャーナリスト、週刊金曜日編集委員)
        野田知佑(カヌーイスト)        
        保母武彦(宍道湖干拓を中止させた島根大学教授)    
        宮崎よし子(女優)(交渉中)        
        椎名 誠(作家)(交渉中)
 テーマ「川が育むふるさと-今ダムを考える」 「週刊金曜日」という雑誌をご存じですか?市民の立場に立ち、各地の住民運動も支援している創刊2年を迎える雑誌です。その週刊金曜日の主催で、人吉で大講演会が開かれることになりました。豪華ゲストが、川辺川ダム問題をずばりと斬ります。これは、ダム問題を全国に広めるまたとないチャンスです。どうか皆様、12月17日(日)の午後は、ご予定を空けておいていただけないでしょうか。詳細は、11月末頃ご連絡いたします。実行委員にも是非ご参加下さい。みんなのアイデアを集めよう!
第2回実行委員会
◆カルチャーを満員にしよう!
 日時 10月22日(日) PM7:00~8:30
 場所 くま川ハウス(人吉市中河原)

◆編集後記
 今年の夏も清流を求めて、川辺川は多くの人々で賑わいました。ダムができれば、こういう風景もなくなります。私たちの運動の原点になった「再考・川辺川ダム」を書かれた毎日新聞記者の福岡賢正さんが、福岡に転勤されることになりました。5年間、本当にありがとうございました。福岡さんの最新記事を同封しました。多くのマスコミがダム問題を「環境か、開発か」という視点でとらえているように思いますが、これを読めば「開発」どころか取り返しのつかない「負の遺産」を次の世代に残す事になるのがよくお分かりになると思います。回りの人にも薦めて下さい。ダム審議委員に、皆様方の声を是非伝えてください。一人一人の声で、私たちの宝を守りましょう!(N.O.)

会報かわうそ10号 1995年6月27日発行

会報 かわうそ 10号 
         [発行責任者]
          清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
          流域郡市民の会 会長 池井 良暢
             1995年6月27日発行

◆日本弁護士連合会が、
   川辺川ダム問題の現地調査を開始!
 日本弁護士連合会の公害対策環境保全委員会(寺田武彦委員長)は、川辺川ダム建設や国営川辺川総合土地改良事業について、6月10日から3日間にわたり現地調査を行いました。
 私たち「手渡す会」ほか、川辺川ダム建設見直しを訴える7つの民間団体は、昨年11月に日弁連と県弁護士会に対し、「川辺川ダム建設は五木村の水没のほか、下流域住民にも大きな影響がある。環境アセスメントもなく強行されようとしている。土地改良事業の計画変更では農民の十分な同意のないまま進められようとするなど、重大な人権侵害がある」として調査を申し立てていました。
 10日に熊本空港に下り立った日弁連の8名と県弁護士会の4名の弁護士さんは、まず球磨川下流域の荒瀬、瀬戸石両ダムを視察。人吉到着後、午後は市内の旅館、観光、漁業関係者や水害常襲地帯の住民からの聞き取り調査をしました。市民からは、昭和40年の水害は市房ダムからの放流によるものである、との指摘が多く出されました。
 11日は、五木村の現状を知るために、同村役場で西村久徳村長ら村関係者5名と1時間にわたって会談しました。委員たちからは、「川辺川ダム建設の見直しの声が上がっているが、村としてはどう受け止めているのか」など、次々に率直な質問が出されました。
 西村村長は、ダム計画発表以来29年にも及ぶ苦難の経緯とその心情を力を込めて話され、「現在では、ダム建設を前提として、村づくりに取り組まざるを得ない」と語られました。
 その後、上荒地の五木ダム建設予定地、頭地と高野代替地、相良村の川辺川ダム建設予定地、市房ダムを調査し、多良木町で利水事業関係農家から聞き取り調査をしました。
 最終日の12日は、建設省川辺川工事事務所、川辺川土地改良事業組合事務所を訪問し、推進側から事情説明を受けました。今回の調査結果は、長良川河口堰をはじめ、全国の河川開発問題の一例として、10月に高知県で開催される日弁連の人権シンポジウムで中間報告される予定です。
         高原(たかんばる)台地の茶畑
           1994年 手渡す会撮影

       川辺川から引かれた農業用水路
        1994年の大渇水でも豊かな流れです 1994年 手渡す会撮影
◆手渡す会・2月~6月の出来事
2/15  フォーラム「川と開発を考える」(東京)に参加。ダニエル・ビアード米開墾局総裁に、川辺川ダム問題を直訴する。
3/5   「ダム問題を考える市民大会」開催 文化センター 200名参加地質学者・生越忠氏講演「川辺川ダムは安全か?」
3/11~ 熊本県弁護士会の公害対策環境保全委員会(竹中敏彦委員長)川辺川ダム問題を現地調査(第1回目)
3/12  ユネスコ市民大学「身近な環境と自然保護」講座で、川辺川流域の自然観察会30名参加
4/4~  熊本県弁護士会、川辺川ダム問題を現地調査(第2回目)
5/30  「川辺川ダム建設見直しに関する意見書採択を求める陳情書」を、新人吉市議会の竹田勝議長に提出
6/9   市民有志14名が、川辺川ダム建設見直しを人吉市議会に陳情
6/10~日本弁護士連合会が川辺川ダム問題を現地調査
◇去る4月の統一地方選挙で、人吉市議会議員の顔ぶれも大幅に変わりました。「手渡す会」では、早速、新しい市議会にダム見直しの陳情書を提出しました。これからも清流球磨川・川辺川を未来に手渡すために、川辺川ダム建設の見直しを求めて、元気一杯活動いたしますので、ご支援をよろしくお願いします。
◆会計報告(95、2、16~95、5、15) 
収入の部      金額       備考 
繰越金      303,532 
年会費・カンパ 523,392 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計       826,924
支出の部      金額       備考 
郵送費       9,280 資料発送など 
紙代       36,680 署名用紙、ニュース、ビラ、資料など  
事務用品費   13,444 封筒、文具、印刷外注費など  
事務所維持費 304,359 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
その他      28,284 器材借用費ほか  
合計       392,047 
 (収入)    (支出) 
826,924-392,047=434,877円
◇1ケ月に、これくらいのお金がハウス(事務所維持)にかかっています!
 家賃4万円、電気5千~1万円、電話1万~2万円、コピー1万~2万、水道700円、印刷機維持費1万円  合計7万5千円~10万円
◇会員の皆様、協力者の皆様、市民の皆様のご協力により、黒字会計となりました。この資金を元にして、より一層の活動を計画しております。今回、年会費(1000円)とカンパの郵便振り込み用紙を同封させて頂きました。ご意見・ご要望を、ぜひ通信欄にお書き添えいただければ幸いです。


◆「硬いが、もろく崩壊の恐れ」
  生越博士川辺川ダムサイト予定地を指摘
 阪神大震災による新交通システム崩壊を予言したとして注目を集めている、地質学者の生越忠(おごせすなお)氏の「川辺川ダムは安全か?」講演会が、3月5日、人吉文化センターで開催されました。生越先生は、昨年6月に人吉を訪れ、川辺川ダム建設予定地などを視察・調査しており、地質面や地震との関連から、次のようにダムの安全性を語られました。
 「川辺川の岩盤自体は硬いが、地殻変動で割れ目が多く、その割れ目に粒状の粘土が詰まっているものがかなりあった。これが水につかると粘土が流れ出し、すき間になる。例えるなら積み木と一緒で、ひとつひとつは硬いが、もろさがある。
 ダム予定地の四万十層は、土木関係者が厄介がるほど、ひび割れが多くすぐ崩れる。仮に大地震が起き、ダム本体が崩れなくても、ダム湖周辺の山は水により崩れやすく、崩れたら水がダムを越えて流れ出す可能性もある。
 地震が起きると岩盤に強い力がかかる。もしダムの右岸と左岸に地質の違いがあるとコンクリートはねじれる。川筋は周囲の山に比べ震度はより高くなる。ダムの調査はよほど慎重にやらなくてはいけない。」
      「川辺川ダムは安全か?」で講演する生越忠氏
        1995.3.5 人吉文化センター 緒方撮影


◆くま川ハウス開設1周年、「手渡す会」創立2周年
     総会を7月23日(日)開催します!
 この人吉球磨地方をとりまき、つらぬく山・川・海の自然の行くすえと、そこで生活する私たちの行くすえとに関心のある人達が、だれでも気軽に立ち寄り、集い、話をし、大いに楽しむことができる場所を作りたい…。そんな願いを込めて、「くま川ハウス」を開設したのが昨年の5月でした。
 この間、多くの皆様のご協力を得る事ができ、このたび1周年を迎える事ができました。これまで、多くのイベントなどを開く事ができ、また資金面でも毎月12万円あまりの定額カンパ(ハウス応援団)をたくさんの方からいただきました。また、月曜日の「手渡す会」定例会をはじめ、いろんな会合も盛んに行われるようになりました。
    日  月  火  水  木  金  土
午前      プリンの会   三味線教室  
午後           EM野菜販売 
よる 定例会    水曜パブ 
◇定例会:手渡す会の活動についてのミーテイング。だれでも参加できます。あなたも是非のぞいてみてください。8時ごろから。
◇プリンの会、EM野菜販売:別紙「プリンの会通信」を御覧ください。
◇水曜パブ:ビールでも飲みながら、川やいろんな事について語ろう!だれでも参加できます。7時すぎから。
 上の表の空いているところは、「くまハウス」設立の趣旨に賛同される方ならだれでも、自由にご利用できます。(ご利用される方は、ハウスまたは担当スタッフ佐藤TEL24-5631までどうぞ)仲間の輪を広げましょう。
 また、今年8月8日で、「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」も2周年を迎えます。ハウス1周年と、手渡す会2周年の記念もかねて、総会および納涼パーテイーを下記のように計画しました。ご出席できない方への委任状や、出欠確認の葉書などを入れなければならないところですが、正直な話、経費節減のため省略させていただきました。ご出席できない方も、お手紙、FAXなどでメッセージをいただければ幸いです。おおいに飲み、語りましょう!

◆ハウス開設1周年・手渡す会2周年 総会&納涼パーテイー  
とき  7月23日(日)午後7時30分~  
ところ 青井神社 参集殿  
なかみ ・経過報告 ・意見交換 ・ビアパーテイー(会費1000円)       五木の風景 1994年 手渡す会撮影

◆編集後記   私たちの運動も、8月で3年目に突入しますが、「もうダムは出来よるのに、なんばすっとか」というような声もまだ耳にします。まだ、ダム本体工事には手がつけられていません。現在7割近くの工事が終わったダム取り付け道路が完成して時点で、ダム本体の必要性を再検討すべきだ、というのが私たちの考えで、ただ、やみくもに反対しているのではないはずです。◇「かわうそ」も10号を発行する事ができました。今回は投稿を2ページ取り入れ、活字も5%大きくしました。◇最近、野坂建設大臣の「長良川河口堰の運用開始」と、青島都知事の「世界都市博中止」という、好対象の2つの出来事がありました。社会は大きく変わりつつあります。大きく構えて、未来のために頑張りましょう。(N.O.)

会報かわうそ9号 1995年2月20日発行

会報 かわうそ 9号  
         [発行責任者]
           清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
           流域郡市民の会 会長 池井 良暢
              1995年2月20日発行

◆阪神大震災「新交通システム崩壊」を唯一人警告していた
 生越忠氏「川辺川ダムは安全か」講演会 
   3月5日(日)人吉文化センターにて開催します!
 このたび、元和光大学教授で、著名な地質学者である理学博士・生越忠先生をお招きして、講演会を開くことになりました。生越さんは、昨年6月人吉で開かれた「九州住民運動交流集会」で来人され、川辺川ダムサイト予定地と五木村の頭地代替地を調査されました。
 先生は、「ダムサイト予定地周辺は四万十層で、見たところ硬い地質だが、脆くて壊れやすい。頭地代替地は、崩落土砂が溜ってできた平地のようで、集中豪雨などで大きな地滑りを起こす可能性がある。さらに、旧五木銅山から鉱毒水が流れ出て、貯溜水が汚染する恐れもある」などと指摘されました。
 これに対して建設省は、「現在までの調査では問題ない」としていましたが、ダム予定地近くには活断層もあり、川辺川ダムは本当に安全なのか、という視点で今回お話をお聞きしたいと思います。
 生越さんは、今回の阪神大震災による「新交通システムの崩壊」を、唯一人鑑定書を書いて6年前に指摘されていました。この事は、2月5日号のサンデー毎日にも詳しく報道されました。
 集会の益金は、全額震災の被災者の方々へ寄付します。今回、郡市内の皆様にはチケットを2枚同封させていただきました。ご家族・ご友人お誘い合わせの上、多数のご参加をお願いします。なお、チケットの精算は、当日会場受付けでお願いします。

◇山下弘文パネルデイスカッション
 生越さんの講演会の後半は、日本湿地ネットワーク事務局長の山下弘文さんを司会に、ダム見直し候補者を含むパネラー達が川辺川ダム問題についてのパネルデイスカッションを行います。候補者が勇気を持って統一地方選挙を戦えるように、1人でも多くのご参加をお願い致します。
      ダム問題を考える市民大会 人吉文化センター 
        1995年3月5日 緒方撮影


◆川辺川ダム関連費用を阪神大震災の復旧費に転用せよ!
 「不要・不急の大規模公共事業の予算と資源と技術と設備・組織・人を、阪神大震災の災害復旧事業に転用すべきだ」という世論が盛り上がりつつあります。地域住民の大多数が望んでいない川辺川ダム関係の予算(来年度はダム70億、利水4億)も復興資金に充てるべきです。


◆「環境こそ宝」を心に
  大石武一・初代環境庁長官が講演
 12月17日、人吉カルチャーパレス小ホールで、初代環境庁長官で自民党の代議士会長も務められた大石武一さんを迎え講演会を開きました。会場では約400名の市民が熱心に聴講しました。
 大石さんは、東北帝大医学部卒の医学博士で、衆議院議員として当選10回、参議院議員として当選1回を果たし、長年国政に携わってこられました。昭和46年には初代環境庁長官に就任、51年には農水大臣も務め、現在は財団法人緑の地球防衛基金会長、全国畜産農協連合会会長なども務めており、ダムを例に環境の重要性を説かれました。
 大石さんは、政治はヒューマニズム(人間性)が最も大切だと力説されました。また、現在の林野庁による森林破壊や、縦割り行政の問題点、長期政権による政治の腐敗や、政官財の癒着を力を込めて批判されました。
 また、毎日新聞記者の福岡賢正さんの著書「国が川を壊す理由」を絶賛されました。「役人は30年も前の川辺川ダム計画を押し通そうとする。社会情勢は変わっているのに、変わらないのはダムを造るということだけ。住民の意見を聞くことが大切であり、上から押し付けるのは間違いだ」と力説されました。
 最後に、「国語の勉強で、尾瀬を守るために力を尽くされた大石さんに感動しました」という八代市の小学6年生、右田しずかさんが花束を贈呈し、講演会は感動のうちに終わりました。
    講演会あとの大石武一さんを囲んでの交流会 くま川ハウス
     1994年12月17日 手渡す会撮影

     大石武一さんと緒方俊一郎さん、緒方紀郎さん
       くま川ハウス 1994年12月17日 手渡す会撮影


◆「アメリカのダム開発は終わった!」
  ビアード米国開墾局総裁、来日する
 合衆国開墾局総裁、ダニエル・ビアード氏が2月15日、日本弁護士連合会主催のフォーラムに出席のために来日しました。
 世界で最も有名な大型ダム開発機関の長であるビアード氏は、昨年5月にブルガリアで開催された「国際かんがい排水委員会」の年総会において、「アメリカにおけるダム建設の時代は終わった」と述べ、開墾局の大規模な灌漑計画のほとんどが経済的でなかった事を認めました。他の先進諸国も同様の動きを見せています。日本も見習うべきです。

◆3月こそは採択を!
 12月人吉市議会本会議が行われた22日朝、市民約50名が市役所前で横断幕を掲げて「川辺川ダム見直し陳情書」の採択を求めました。しかし、残念な事に市民1万9千名の意思に反し、9月議会に続いて継続審議となってしまいました。
 3月の議会においては、是非採択するよう、議員さん達に声をかけてください。議会は市民の代表なのです!

◆手渡す会・12月~1月の出来事
12/5  人吉市議会ダム問題対策特別委員会と2回目の意見交歓会
   11 「孫子に残そう清流球磨川じいちゃん・ばあちゃんの会」発足
   14 福岡県星野村村議らと「ダム反対」で情報交換会
   15 人吉市議会へ「川辺川ダム建設見直し」陳情署名追加提出 
      (これまでの累計6万1021名、人吉市1万8789、市外4万2232)
   17 初代環境庁長官・大石武一氏「ダムと環境を語る」講演会
          (カルチャー小ホール  400名)
   21 国営川辺川土地改良事業への「異議申立書」 
     対象農家の約1/3の1153戸分提出 
   22 人吉市議会「川辺川ダム見直し陳情書」9月に続いて継続審議に
      市役所前で陳情書採択要求行動  50名参加 
   31 「ちょっと待て、川辺川ダム」清流リレーマラソン
       (人吉市~熊本県庁)  20名参加
1月上旬  統一地方選挙に向けての候補者および「市民の会」発足への調整
1/26  シンポジウム「公共事業をチエック」(全国連絡会ほか主催)に参加(東京)、川辺川ダム問題を全国にアピール
  29  「ダム問題を考える市民の会」発足
2/15  フォーラム「川と開発を考える」(東京)に参加。ビアード総裁に、川辺川ダム問題を訴える。

◇会計報告(94、12、3~95、2、15)
収入の部      金額       備考 
年会費・カンパ   770,822 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計         770,822  
支出の部      金額       備考 
郵送費        33,670 資料発送、署名用紙発送、領収はがき代など 
紙代         56,444 署名用紙、ニュース、ビラ、資料など  
事務用品費      5,468 封筒、文具、印刷外注費など  
事務所維持費   200,639 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費         120,000 東京延べ3人分  
前回までの個人立替分  19,109 
その他         31,969 器材借用費、地区集会公民館使用料ほか 
合計         467,299 
 (収入)    (支出) 
770,822-467,299=303,523円
◆会員の皆様、協力者の皆様、市民の皆様のご協力により、手渡す会始まって以来の黒字会計となりました。今後、県や国への働き掛けや、日本の官僚や政治家には大きな圧力となる「ニューヨークタイムズ」への意見公告掲載など、多様な活動を考えております。引き続き、ご協力をよろしくお願い致します。

◆「ダム問題を考える市民の会」が発足しました
 来る4月23日の統一地方選挙に、川辺川ダム反対や見直しの立場を表明する「市議会議員、県議会議員、人吉市長」の立候補者を支援する目的で、ダム問題を考える市民の会が結成されました。発会式は1月29日、青井神社で約40名を集めて行われました。決定事項は、下記の通りです。
◇基本方針
 郷土の未来を奪う川辺川ダム建設の本体着工を阻止する。みんなの知恵とやる気を生かす、市民参加の開かれた市政をめざす。
◇事業内容
 公開質問状の送付。チラシ発行、配布などの広報活動。ダム反対や見直し候補者への支援活動。
◇役員   
会長 外山敬次郎
副会長 馴田章 鶴上寛治 岡富郎 重松隆敏    
相談役 平野政利 吉村伯舟 西清説 堀尾芳人 山下春男   
理事 山賀勝彦 吉村勝徳 大山嘉子 下田猪熊 小山道子 藤原宏   
事務局長 木本雅己    
事務局員 厚地宣行 東慶治郎 佐藤亮一 宮田正治   
会計責任者 川辺良信   
監事 三原竹二 桑原克彦 佐東チヨキ  
会員 当会の主旨に賛同する個人もしくは団体を会員とします。
■会費は一口1000円です。多くの方の参加を御願いいたします。入会連絡先は、くま川ハウス内、川辺良信までよろしくお願いいたします。

◆編集後記 
 寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしですか。くま川ハウスのスタッフも風邪をひきつつ頑張っています。2月15日にはアメリカから開墾局のビアード総裁が来日し、講演会とダム問題についてのシンポジュームが東京で開催されました。開墾局はアメリカのダム建設の最高権威です。今後アメリカはダムに頼らない水問題の解決を目指すと、明言しています。くま川ハウスからも二人のスタッフが参加し、総裁に川辺川ダム問題の現状を綴った英文を手渡し、直訴しました。21世紀は環境第一の時代になります。みんなの手で川辺川ダム建設を阻止しましょう。(M.K)

会報かわうそ8号 1994年12月7日発行

会報 かわうそ 8号
     [発行責任者] 
      清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
      流域郡市民の会 会長 池井 良暢 
         1994年12月7日発行

◆初代環境庁長官 大石武一
   「ダムと環境を語る」講演会 
   12月17日(土)カルチャーパレスにて開催します
 このたび、初代環境庁長官である大石武一さんの来人が急きょ決定しました。これまで「手渡す会」は、全市民的な市民運動を進めてきており、国のレベルでも各マスコミや県出身の国会議員、そして全政党にも「川辺川ダム建設計画」の問題点を訴えてきました。それにより、国会議員では無所属の紀平さんや共産党の有働さんが人吉に来られ、川辺川ダム問題を調査し、国会でも取り上げられるようになりました。
 そして今回は、自民党の代議士会長も務められた大石さんを迎えることになりました。県や地方の議会に与える影響も非常に大きいと思います。
 人吉ではすでに「ダム見直し」を求める市民の陳情署名数も有権者の過半数を大きく上回っています。今後、県や国に本格的に「川辺川ダム見直し」を働き掛けるためにも、大石さんの素晴らしいお話をお聞きしたいものです。
 今回チケットを2枚(県内の方に) 同封させていただきました。年末の土曜日でお忙しいこととは存じますが、ご家族・ご友人お誘い合わせの上、多数のご参加をお願いします。なお、チケットの精算は、当日会場受付けでお願いします。

           大石武一講演会のチケット


◆じいちゃん・ばあちゃんも
     ダム見直しに立ち上がる!
 「孫子に残そう清流球磨川 じいちゃん・ばあちゃん大集会」が10月14日、1000名を集め人吉文化センターで開かれました。
 午後1時半から始まった集会では、岡富郎実行委員長(85才)が「球磨川にこれ以上ダムを造らせないようにしよう」とあいさつ。意見発表の後、「ダムで栄えた村はない!血税を郷土破壊に使うな」、「球磨川を子供達が泳げる昔の清流に戻すこと」など集会宣言とスローガンを採択。
 応援にかけつけた、ばってん荒川さんも歌としゃべりでダム見直しを訴え、最後はチンドン屋にふんしたお年寄りを先頭に、「ダムはムダ、ムダ」など書かれたプラカードを手に、繁華街をパレードしました。 その後、この集会の実行委員が中心となり市長や議長と会見し、ダム見直しを訴えました。
 12月11日(日)の午前10時より青井神社で「孫子に残そう清流球磨川!じいちゃん・ばあちゃんの会」の発会式があります。急ですが、こちらにも多数のご参加をお願いします。
     孫子に残そう清流球磨川 じいちゃん・ばあちゃん大集会
      壇上は、岡富郎実行委員長(85才) 人吉文化センター               1994.10.14 緒方撮影

     孫子に残そう清流球磨川 じいちゃん・ばあちゃん大集会
      満員の人吉文化センター 1994.10.14 緒方撮影



◆手渡す会・8月~11月の出来事
 8/30 人吉市議会へ「川辺川ダム建設見直し」陳情署名4万8436人分提出(人吉市1万0222、市外3万8214)
 9/11 孫子のための「じいちゃんばあちゃんの館」祭り 約200名参加
   14~有働正治参議院議員、現地調査に入る
   26 人吉市議会「川辺川ダム建設促進に関する意見書」採択
10/2 清流川辺川を守るカヌーデモ 野田知佑さん来人 約100名参加
    9 保母武彦教授(島根大)を招き研修会
   14 「孫子に残そう清流球磨川」じいちゃん・ばあちゃん大集会約1000名参加
11/4 農水省、川辺川土地改良事業の計画書決定 8日から縦覧公告
  11 人吉市議会へ「川辺川ダム建設見直し」陳情署名追加提出
     (これまでの累計5万7286名、人吉市1万6335、市外4万0951)
  13 署名採りピクニック  約20名参加 
  28 旅館業、川下り船頭、鮎問屋、主婦、釣り師など11名の市民が「川辺川ダム建設見直し」の陳情書を人吉市議会に提出

◇地区集会を8月21日から、若宮神社、温泉町、上薩摩瀬町、下林町、瓦屋町、合ノ原町、鬼木町、願成寺町で開催しました。 ◇署名活動は、ほとんど毎日取り組みました。 ◇毎週月曜の夜8時頃より、「くま川ハウス」で定例会を行っています。どなたでもご自由に参加することができます。ぜひ一度、のぞいてみて下さい。皆様のお越しをお待ちしております!


◆ダム見直し陳情署名、6万人分に迫る!
   署名にご協力頂き、本当にありがとうございます
 今年の8月20日時点では約7000名分だった人吉市民の「川辺川ダム見直し」の陳情署名は、4か月足らずで2万名に迫るまで集まりました。人吉市内の会員や協力者の皆様方には大変なご苦労をお掛けしました。
 署名は、11月11日提出分で5万7286人分(人吉市民1万6335人)となり、その後集まった分は合計6万人に迫り、12月市議会前に提出の予定でしたが、現在提出の時期を見計らっております。お手元に署名用紙がもしございましたなら、至急「くま川ハウス」までお送りください。

◆人吉市議会の動き
 9月の定例市議会では、当時提出されていた人吉市民約1万3千名の「ダム見直し」の陳情署名を無視する形で、「川辺川ダム建設促進に関する意見書」が採択されてしまいました。
 しかし、その後市民の「ダム見直し」の陳情署名数は増え続け、現在は市の有権者の過半数を大きく上回る2万名に迫る勢いです。議員さんの意識もずいぶん変わりつつあるように思います。住民の代表者が議会なのです。議会がダム見直しを表明するよう、皆さんからも議員さんに声を掛けてください。     人吉市役所前でアピール 中央に野田知佑さんの姿も見える             1994.12.22 手渡す会撮影

◆会計報告(94、8、25~94、12、2) 
収入の部      金額       備考 
年会費・カンパ  1,210,047 グッズの売上、雑収入等も含む 
合計        1,210,047
支出の部      金額       備考 
郵送費       252,831 会報発送、緊急署名願い発送、カンパ依頼発送など  
紙代        130,807 署名用紙、ニュース、ビラ、資料など  
事務用品費    100,613 封筒、文具、印刷外注費など  
事務所維持費  321,181 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機、水道など 
旅費        78,777 岡山苫田ダム全国集会など 
火災保険料     30,000 
紙折り機      164,800 
その他       34,768 地区集会公民館使用料ほか 
合計       1,113,777
 (収入)      (支出)
1,210,047-1,113,777=96,270円 (収支)  
 (これまでの個人立替分) 96,270-115,379=△19、109円
*この期間中は、9万6千円あまりの黒字会計となりましたが、昨年9月からの個人立替分を補填したために赤字会計となりました。

◇カンパのお願い 手渡す会の会計は、皆様方の年会費(1000円)とカンパによって成り立っています。支出の方は、運動の急速な盛り上がりと事務所(くま川ハウス)の設立や、人吉市内全世帯配布を目標にした「昔の球磨川を取り戻すニュース」の発行などにより、会計報告の通り現在赤字財政でやりくりしております。(赤字分は、個人の負担で支えられています。) 会費やカンパには、次の3通りの方法があります。
■年会費1000円 …同封の郵便振替用紙でお願い致します。 
■カンパ      …同封の郵便振替用紙でお願い致します。 
■定期カンパ(ハウス応援団) …毎月、定額のカンパ(一口千円より)を、口座の自動引き落としでお願いしております。  (お問い合わせは、担当スタッフ佐藤亮一までお願いします)

 会報「かわうそ」発送時に、毎回郵便振替え用紙を同封させていただきます。なにとぞ、美しい郷土を未来に手渡すために、皆様方の力をお貸しください。また、定期カンパ(ハウス応援団)の手続きをされた方は、年会費も兼ねておりますので、同封の郵便振込用紙では納入されなくても結構です。   「川辺川利水事業に異議申し立てをしよう」看板  相良村永江            1994年12月 小杉撮影

◇新聞に投書しましょう! いつでも、誰にでもできる自然保護運動は、新聞の投書です。お金もかからず、何十万もの人達に訴えられ、おまけにお礼まで(例えば朝日の場合三千円)もらえます。最近は、熊日新聞にもダム関係の投書が目につくようになりました。どの新聞も400~500字程度です。さあ、今から原稿用紙を用意して、みんなにダム問題を訴えましょう!

◆編集後記 早いもので、今年もあとわずか。この一年、本当にいろんな事がありました。思えば今年の2月頃はホントに寒かった。しかし、春になると同時にハウスができ、人が集まり始め、イベントもたくさんこなして、広く市民にダム問題を訴えることができました。7月の全国集会からは、署名という目に見える形での運動の成果も得る事ができ、地元での運動も大きな局面を迎えました。「ダム凍結」の明りも見え始めたように思えます。来年からは全国的な運動に盛り上げるためにも、皆様の力が必要です。未来のために、力を合わせて頑張りましょう!(N.O)
・皆様方のご感想、ご意見、ご投稿をお待ちしております! 人吉市新町16番地 「くま川ハウス」までどうぞ 電話FAX0966(24)9929

2008年10月11日土曜日

会報かわうそ7号 1994年8月29日

会報 かわうそ 7号 
       [発行責任者] 
         清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
         流域郡市民の会 会長 池井良暢 
            1994年8月29日発行

◆7・30全国集会
  1000人集め、カルチャーが燃えた! 
 たくさんの皆様、ご参加・ご協力ありがとうございました~
 7月30日(土)午後2時より、人吉カルチャーパレス大ホールにおいて「子守歌の里・五木と清流球磨川を守る全国集会」が行われました。月末の土曜の午後であったにもかかわらず、会場には郡市民や全国から様々な人達が参加し、1000人以上がカルチャーパレスの大ホールを埋めました。
 まずは、全国連絡会の遠藤保男さんが基調提案。次に、村ぐるみで細川内ダム計画阻止を打ち出している徳島県木頭村長の藤田恵さんが「国は大きなプロジェクトを小さな村に押し付けて来るが、これは地方自治の侵害。ダム反対は地方自治を守る事」と訴えました。
 次に、五木村の土肥ケイ子さんが、人口の減少など将来の不安を語った後、手渡す会の高場英二さんの「目で見るダム問題」と題した五木村と球磨川・川辺川の現状報告がありました。使用した85枚のスライドは、スタッフの努力の結果です。視覚に訴えたため、分かりやすかったと好評でした。次に、甲斐あきひろさんのオン・ステージ「この川を上って」。会場を埋めた人達の心とぴったり合った曲で、涙をこらえる人もいました。
 休息をはさみ、後半は「五木村と清流球磨川を守るには?」と題したフリートークです。最後に、中高生らで作る「清流川辺川を守る若鮎の会」が登場し、柳原哲郎君が「青かった清流を思い出にしていいのでしょうか」とアピール。集会宣言として建設省への建設に関するデータ公開、ダムに頼らない五木村の立村計画に取り組むなどの要求を採択しました。
 壇上でアピールする清流川辺川を守る若鮎の会(ダムに反対する中高生の会)
      代表の柳原哲郎君  1994.7.30 手渡す会撮影

          満席の人吉カルチャーパレス大ホール
           梅山究さんの姿も見える。 手渡す会撮影

  交流会のスナップ。梅山究さん、緒方俊一郎さん、藤田恵さん(当時木頭村長)、原豊典さん、土肥ケイ子さん、高場英二さん、藤原宏さん、上渕徳光さん、遠藤保男さん、神宮寺清子さんら 手渡す会撮影

        交流会のスナップ。土森武友さんら 手渡す会撮影

   「ちょっと待て川辺川ダム」パレード。人吉市中川原をスタート 手渡す会撮影

      「ちょっと待て川辺川ダム」パレード。人吉市内 手渡す会撮影

◆ハウスは燃えているか…!?
 5月21日の「ハウス開き」(映画・虹の谷上映)で事務所を開設して以来、手渡す会も多様な活動を展開し、くま川ハウスも非常ににぎやかになりました。大型テレビを始め、たくさんの人達からの寄贈で設備も整い、6月4日の海・山・川を守る九州住民合宿、6月29日の福岡賢正さん「国が川を壊す理由」出版記念講演会、そして7月30日の全国大会と、回を重ねるたびにスタッフも参加者も増えて行き、運動も非常に盛り上がりを見せています。
 署名活動をしても、住民の皆様方がダム問題に非常に関心を持たれて来ていることがよく分かります。今後も多様な活動やイベントを行いたいと思いますので、是非、ハウスにお立ちよりください。皆様方のアイディアも、お待ちしています。これまで行ったイベントの中から、いくつかご紹介します。
◇球磨の野の花・押し花で
 押し花を使って、自分だけの作品を作ろうという集いが、6月27日夜、くま川ハウスにて開かれました。集まった約30名の女性が、ウチワやしおり作りに挑戦しました。参加者たちは、講師の重松美代子さんが用意した四季の鮮やかな押し花の中から気に入った花を選び、ピンセットでウチワやしおり等に配置。それを特殊なフィルムで覆い、アイロンでプレスすれば出来あがり。大変好評で、この集いはその後三回も開かれました。


◆「手渡す会」(清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会) くま川ハウスのご案内 
*会長  池井良暢(球磨郡多良木町黒肥地1668-1)
*事務局 重松隆敏(人吉市北泉田町214 TEL0966(22)3917) 
*事務所 くま川ハウス(人吉市新町16 TEL.FAX0966(24)9929) 
毎週月曜日、午後7時30分~9時まで、くま川ハウスにて定例ミーテイングを行っています。一度、のぞいてみて下さい!

◆野坂建設大臣との話し合い実現!
 去る7月22日、水源開発問題全国連絡会と野坂浩賢建設大臣との話し合いが、東京の建設省の建設大臣室で行われました。
 水源開発問題全国連絡会は、私たち「手渡す会」を始め、「長良川河口ぜき建設差止め訴訟原告団」や、7・30全国集会で講演された藤田村長の「細川内ダム反対連絡協議会」など全国16団体が参加して昨年11月に結成されました。いずれも、30年から40年も前に計画され、現在では事業を推進する根拠が全て失われているダム計画を抱えた地域の団体です。
 全国連絡会は、昨年12月24日、細川内閣時の五十嵐建設大臣と初めて話し合いを実現させました。五十嵐大臣は、「水源開発事業などの大規模公共事業は、計画策定から30~40年も経過して、当時と状況が大きく変わり、かなり問題が生じてきている。計画当初の目的が今も有効か否か、客観的に検討・評価して勧告する機関の設置が必要である」と言明されました。
 そこで今回、「水源開発事業などの見直し機関を総理大臣直属の第三者機関として早急に設置する事」などを要請するために、野坂大臣との話し合いを持ちました。話し合いの中で大臣は、今後とも住民との話し合いには積極的に応じる事や、五十嵐前大臣が表明した「水源開発事業の見直し機関の設置」については、その姿勢を引き継ぐことなどを発言されました。
 建設大臣との話し合いを終え、時代は確実に変わりつつある事を実感しました。建設大臣がダムに疑問を持つ市民団体と会ったり、事業の問題を認める発言をするなど、数年前ならとても考えられなかった事です。ベルリンの壁が崩壊したように、時代の流れがダム計画を突き破る日も、そう遠くはないぞと確信しました。
    野坂建設大臣(左端)との話し合い 1994年7月22日 建設大臣室
     手渡す会の緒方紀郎さん、水源連の嶋津さんら 水源連撮影

◇7・30全国集会会計報告 
(収入の部)          
・入場カンパ( 813人分) 813,000
・物品販売の利益     21,340 
・臨時カンパ        32,771
 計             867,111            
(支出の部) 
・通信費         480,875 
・スライド作成       34,560 
・事務用品費        94,097 
・会場費・宣伝接待費  244,603
 計             854,135 
(収支) 867,111-854,135=12,976 
 *残金12,976円は、手渡す会の会計に計上します。

◆今後のイベントのご案内 
◇じいちゃん・ばあちゃんの館まつりについて
 9月11日(日)午後2時から5時まで、駒井田町の「じいちゃん・ばあちゃんの館」(九州技術専門学校前)で行われます。内容は不用品バザーやフリーマーケット、じいちゃんばあちゃんの腕自慢・味自慢など盛り沢山です。たくさんのご参加をお待ちしております。

◇カヌー大会について
 10月1日(土)2日(日)、野田知佑さんを迎え、「清流川辺川を守るカヌー大会」を計画しています。1日にくま川ハウスに来てください。来た人から日本一の清流・川辺川を下ります。夜は、野田さん、菊屋奈良義さんを囲み、朝まで飲み明かしましょう!お問い合わせは、くま川ハウスまで。
◆手渡す会・1周年の歩み
 昨年の8月、私たちの会が発足して早1年が経過しました。私たちの運動が大きな広がりを見せたのも、多くの方方の支えがあったのと、「川辺川ダム計画」自体が多くの問題点を抱えているからだと思います。私たちの1年間の主な歩みを振り返って見ました。
1993,8, 8  「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」発足(青井神社・40名参加)
   9, 4  一斉ビラ配布、署名活動開始(人吉市内) 
    9,23  「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民大会」開催(カルチャー大ホール700名) 
   10, 2  川辺川利水事業対象地域への利水問題のビラ配布開始
   10,17  「川辺川利水事業を考える座談会」黒肥地地区にて
   10,26  「水と農業を語る」講演会 山下惣一氏(相良体育館  100名) 
   11,23  下うけ・松原ダム、日田市訪問ツアー 
   12,24  「水源開発問題全国連絡会」五十嵐建設大臣と初の話し合い
1994,1,25  水害常襲地帯、地区集会開始 
   ~2,15まで4か所  
   4,25  利水を考える会「むらおこしと川辺川シンポジウム」に参加(相良体育館  100名)
   5, 3  多良木地区「利水事業計画変更同意取消し」要求書集め開始
   5, 5  五木村長訪問  *全国連絡会事務局 遠藤氏も同行
   5,13  利水を考える会、 127名の同意取消し要求(九州農政局) 
   5,21  「くまがわハウス」事務所開き(映画・虹の谷上映 100名)
   6, 4  第6回「海・山・川を守る九州住民運動交流集会」*生越忠氏・山下弘文氏講演(第一映劇  150名)
   6, 5  「ちょっと待て、川辺川ダム」街頭パレード
   6,12  ハウスイベント「清流の川石に絵を描く会」30名
   6,27  ハウスイベント「球磨の野の花、押し花で」30名
   6,29  「国が川を壊す理由」(福岡賢正著)出版記念講演会(カルチャー小ホール 250名)
   7,22  「水源開発問題全国連絡会」野坂建設大臣との話し合い 
   7,30  「子守唄の里・五木と清流球磨川を守る全国集会」(カルチャー大ホール1000名)
   7,31  「ちょっと待て、川辺川ダム」第2回街頭パレード

◆会計報告(93、5、17~94、8、24) 
収入の部      金額       備考 
年会費・カンパ    731,673 68名の皆様方より  
イベントなどの収益も含む 助成金 1,100,000 2団体より  
合計       1,831,673
支出の部      金額       備考
郵送費        111,250 
事務用品費      228,220 紙、封筒、文具、印刷外注費など  
雑費         123,181 旅費、消耗品など 
事務所維持費     367,488 家賃、電気、電話、コピー機、印刷機ほか      
合計         830,139 
(収支) 1,831,673-830,139=1,001,534円 
(これまでの個人立替分) 1,001,534-1,116,913=△115、379円
*この期間中は、2団体からの助成金110万円がありましたので、久し振りの黒字会計となりましたが、昨年9月からの個人立替分を補填したために赤字会計となりました。

◆事務所(くま川ハウス)設立のための寄贈 
(大口の寄贈のみ、イニシャルと金額を皆様方にお知らせします)
*F氏より ■事務所改築費  1,380,000円   ■冷蔵庫  75,000円  ■TV・VTR 331,500円   ■コピー機  540,000円  ■看板(3台) 400,000円 
*S氏より  ■クーラー 104,000円   ■ファンヒーター 46,000円  ■電話・FAX 140,000円
*その他、印刷機、水槽セット、台所用品、食器、デスク、扇風機、テーブル、棚、インテリア用品、各種事務用品など、新品からご家庭でいらなくなったものまで、たくさんの品物をたくさんの人達から寄贈していただきました。ありがとうございました!

◆手渡す会は、皆様方のカンパで成り立っています!
 手渡す会の会計は、皆様方の年会費(1000円)とカンパによって成り立っています。支出の方は、運動の急速な盛り上がりと事務所(くま川ハウス)の設立により、会計報告の通り現在赤字財政でやりくりしております。(赤字分は、個人の負担で支えられています。) 会費やカンパには、次の3通りの方法があります。
 ■年会費1000円 …同封の郵便振替用紙でお願い致します。
 ■カンパ      …同封の郵便振替用紙でお願い致します。
 ■定期カンパ(ハウス応援団) …毎月、定額のカンパを、口座の自動引き落としでお願いしております。

 会報「かわうそ」発送時に、毎回郵便振替え用紙を同封させていただきます。手渡す会も結成以来1年が過ぎました。年会費の納入とともに、カンパ(原則として一口1000円で、何口でも結構です)の方にもご協力をお願いします。年会費だけでは、正直なところ郵送費だけで使い切ってしまう状況です。なにとぞ、美しい郷土を未来に手渡すために、皆様方の力をお貸しください。なお、9月からは、年会費とカンパの領収書は、はがきで郵送させていただきます。また、定期カンパ(ハウス応援団)の手続きをされた方は、年会費も兼ねておりますので、同封の郵便振込用紙では納入されなくても結構です。

■郵便振替えの口座は…熊本7-27826「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」まで。
 *毎月定額のカンパ(ハウス応援団)へのお問い合わせは、担当スタッフ 佐藤亮一(TEL24-9929)までお願いします。

◆よりどりみどり・手渡す会グッズ 
Tシャツ、音楽テープ、押し花の絵葉書、清流の石絵……たくさんの方々が、アイデイアをこらした楽しい、心のこもったグッズが続々と完成しています。欲しい方は、球磨川ハウスへ是非お越しください。代金の一部または全部は、カンパとして手渡す会の会計に計上させていただきます。
■「河童とかわうそTシャツ」 1500円 *坂本福治さんの絵がプリントしてあります。
■「清流Tシャツ」 3000円  *西峯多木治さんの手書きの絵です。 
■音楽テープ「五木が泣いている」 1000円 *藤原宏さん坂本福治さん作詞、丸山信一さん曲歌
■押し花で作った絵葉書・うちわ・しおり…200円より*重松美代子さんの作品です。
■毎日新聞連載「再考川辺川ダム」 500円 *福岡記者の取材により、ダム問題がずばり指摘されています。 
■福岡賢正著「国が川を壊す理由」 1550円 *「再考川辺川ダム」が本になりました。
■「川辺川ダム問題調査・対策特別委員会報告議事録 抜粋」 500円  *人吉市議会の貴重な記録です。 
■川石に絵がいた絵 500円より *坂本福治さんの作品です。  
★その他にも、ステッカー、トレーナーなどのオリジナルグッズも現在計画中です。お楽しみに!

◆署名5万人分、人吉市議会へ提出!
  署名にご協力頂き、本当にありがとうございます
◇変わってきた郡市民の意識 
 7・30全国集会を終え、今後は署名活動に重点を置くべきだとのスタッフの意見が多く、8月の下旬からは週に2~3日、午後6時にくま川ハウスに集合して一斉に署名活動を行っています。市民の反応もとてもよく、ほとんどのご家庭が署名に協力していただけます。以前は、「いまさら遅い」等とおっしゃる方も多かったのですが、運動の盛り上がりとともに「やっぱダムは造らんがよかもんな」「頑張って下さい」との声が多くなりました。
 また、テレビや新聞でも、ダム問題が非常にクローズアップされています。ダムの堆砂問題を扱ったニュースステーションの「ダム、砂に埋まる」や、NHKの「農民からの問いかけ~検証・川辺川利水事業」等、くま川ハウスにビデオがありますので、是非見にきて下さい。(ダビングもできます)

◇人吉市議会の動きと署名活動について 
 残念な事に人吉市議会では、9月定例議会において「川辺川ダムの早期完成に関する意見書」を採択しようとしています。これは、人吉市民は川辺川ダムの建設を望んでいるという表明にほかありません。市民の8割以上はダム建設の凍結を望んでいるにもかかわらず、人吉の将来を左右するこの非常に重要な議案は、ほとんどの市民に知らされること無く採択されようとしています。
 そこで、これまで全国から集まった約5万名分の署名(内、人吉市民の署名約1万名分)を、市議会への陳情締切の8月30日に提出することを決定しました。
 議員に、議会に、何とかして市民の声を伝えなければなりません。今後も、署名活動へのご協力をよろしくお願いします。(これまで集められた署名用紙がお手元にありましたなら、至急「くま川ハウス」までお送りください)
  土屋議長(当時)に署名5万人分を提出する重松隆敏事務局長 緒方撮影


    山のような5万人分の署名。木本雅己さんの姿も見える 緒方撮影

◇地区集会について 
 市内の署名活動と同時に、署名を集めている地区周辺の住民の皆様方を対象に、ダム問題を考える「地区集会」を開催しています。8月21日には五日町の若宮神社で、27日には温泉町の老人福祉センターで多くの住民の皆様方の意見を聞くことができました。今後も市内各所でこのような集会を開いて行く予定です。

◇ダムの問題点をみんなに伝えよう! 
 ダムが大きな問題点を抱えていることを、もっともっと多くの人達に伝えましょう。今回、人吉市内にお住まいの方には「昔の球磨川を取り戻すニュース」を同封しました。このようなチラシを、今後2~3週間に1回発行します。これを1人20~100枚程度(ご無理されない範囲で)、ご近所・ご友人・職場などに配っていただけないでしょうか。チラシは「くま川ハウス」にあります。お電話でも結構です。ご協力をお願いします。

◆編集後記 
 早いもので、手渡す会も1周年を迎え、会報を編集するに当たり資料を整理してみたら、出てくる出てくる…!「よくこれだけやれたな」という感慨が込み上げてきました。これも、多くの方々のご賛同があったからです。また、全国のたくさんの団体や仲間たちと連携を深め、運動を進めるようになれたのも大きな成果だと思います。ダム本体着工は、来年度とも言われています。これからが正念場です。美しい郷土を未来に手渡すために、力を合わせて頑張りましょう!(N.O)

会報かわうそ6号(2)1994年6月16日発行

 かわうそ 6号(2)
      〔発行責任者]
       清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
       流域郡市民の会  会長 池井良暢
         1994年6月16日発行

◆福岡賢正著「国が川を壊す理由」
            出版記念講演
   6月29日(水)カルチャーパレスにて開催します
 毎日新聞人吉支局の福岡賢正記者が、平成3年の8月から翌年の6月まで、同紙の熊本版に長期連載した「再考・川辺川ダム」が一冊の本にまとまり、福岡市の葦書房から出版されました。「国が川を壊す理由~川辺川ダムは誰のものか」で、私たち手渡す会の市民運動は、この長期連載に基づく自主学習が一つのきっかけとなりました。
 「川辺川ダムは熊本県の一地方が抱える問題にすぎないが掘り下げて行くと、そこには今日の日本の政治や社会の状況が見事なまでに凝縮されていることが分かる。今求められているのは、全国の心ある人達がそうした問題のありどころに気付き、自分の身じかなところから声を上げ、行動を起こす事だ」としめくくられています。
 講演会当日は、福岡さんの講演の他に、ゲストに野田知佑さんと山下弘文さんも迎え、フリートーク等も予定しています。今回チケットを1枚同封させていただきました。ご家族・友人お誘い合わせの上、多数のご参加をお願いします。なお、チケットの精算は当日会場受付でお願い致します。
      
◆川辺川利水事業の同意取得は9割超す
 国営川辺川総合土地改良事業組合の臨時議会が6月10日に開かれ、事業の計画変更に対する対象農家の同意取得の割合が全体で9割を越えたと報告されました。多くの農家は、「今以上水は欲しくない」といっていることは、昨年の秋から私たちも多良木町を中心に農家を回って確信を持って言える事です。ところが農家の9割以上が利水事業に同意しているのです。
 同意取得の手続きに大きな問題点があるのは、前号で取り上げた通りですが、このままでは同意が事業に必要な全対象農家数の3分の2を越えており、法的には事業に着手できることになります。この事は、川辺川ダム本体着工の大きな条件が整う事にもつながります。しかし、同意の取り消しを求める農家が広がりつつあるのも事実です。
 この利水事業に大きな問題点があることを、新聞投書などあらゆる方法で広めて行き、地域全体の社会問題として住民に訴えていくべきです。
◆九州住民運動交流集会、成功裡に終わる
   ~川辺川ダム建設で、多彩な反対意見出る~  
 6月4日、人吉市の第一映劇を会場に、「第6回海・山・川を守る九州住民運動交流集会」が開催されました。会場には、九州各地から集まった自然保護団体や郡市民など百人以上が参加しました。午後の部では、九州各地からの報告の後、参議院議員・紀平悌子氏ほか5名による「巨大プロジェクトの問題点」をテーマにパネルディスカッション。夜の部では、理学博士の生越忠氏(元和先太教授)の講演。「ダムサイト予定地周辺の地質は四万十層で、固いがもろくて崩れやすい」等、川辺川ダムの問題点をずばり指摘されました。
   第6回海・山・川を守る九州住民運動交流集会
    生越忠氏の講演(人吉市第一映劇) 1994.6.4

 閉会後、くま川ハウスで親睦会がおこなわれ、夜遅くまで楽しく九州の仲間同士の情報交換が行われました。
 翌日は、約80名による「第1回、ちょっと待て川辺川ダム市内パレード」が行われました。甲斐あきひろさんの「この川をのぼって」をテーマ曲に、市内を練り歩きました。
 また、6日には建設省川辺川工事事務所に「川辺川ダム建設凍結要求書」、川辺川ダム建設促進協議会会長の福永人吉市長には「川辺川ダム建設促進協議会解散要求書」をそれぞれ提出しました。
   くま川ハウスでの親睦会 1994.6.4
   当時の中心スタッフ青木栄さん、角田高美さんら


   くま川ハウスでの親睦会 1994.6.4
    中島康さん、宮崎公一さん、西村秋二さんら

◆子守歌の里・五木と

       清流球磨川を守る全国集会
  7月30日(土)カルチャーパレス大ホールにて開催します!
 7月30日(土)カルチャーパレス大ホールにて、川辺川ダム建設計画の凍結を求める2000人規模の全国集会を、「水源開発問題全国連絡会」との共催で開きます。私たち流域郡市民の会も発会以来約1年が過ぎようとしています。一方、ダム本体工事は来年度着工ともいわれており、ここがこの市民運動の正念場ともいえるでしょう。
 集会には、現在村ぐるみでダム反対運動に取り組んでおられる徳島県木頭村の藤田村長と、福岡県星野村の高木村長をゲストに迎える予定です。詳しい日程や内容は、次号の「かわうそ」でお知らせしますが、一人でも多くの参加者を集めることが大きな課題になってきます。どうか皆様、7月30日は予定を空けておいていただけないでしょうか。7月30日を境に、この市民運動を大きく盛り上がらせ、何とかダム本体着工を食い止めましょう。

◆<ま川ハウスイベントのご案内
6月24日(金)PM7:30会場 (持ち込み企画) KEITA(けいた)コンサート ¥1,500-
6月27日(月)PM7:30~9:30 「球磨の野の花を押し花で…」 重松美代子先生が指導してくださいます。
7月9日(土)PM7:30~  「球磨の源流を語る…写真とヤマメと魚と」 
   渓谷源流会 鮒田一美氏を迎えて、飲みながら
7月15日(金)夜  (持ち込み企画) 甲斐あきひろコンサートinくま川ハウス (実行委員募集中です)
7月24日(日)AM7:00~ 川辺川を守ろう!アユ友釣り大会  柳瀬橋下流の河原に集合
10月1日(土)2日(日) 野田知佑と川下りを・カヌー集会 
 ご連絡は、人吉市中川原 くま川ハウス 電話0966-24-9929

  くま川ハウスでの親睦会 1994.6.4 
  緒方俊一郎さん、梅山究さん、古川十市さん、倉田茂さんら

  くま川ハウスでの親睦会 1994.6.4
   当時の中心スタッフ宮田さん、原さん、上渕さん、神宮司さんら

2008年10月10日金曜日

会報かわうそ6号 1994年5月9日発行

会報 かわうそ 6号
   〔発行責任者〕
     清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
     流域郡市民の会 会長 池井 良暢
       1994年5月9日(月)発行

◆くま川ハウス5月21日(土)にオープン!
 2月に中川原に完成しました、私たち郡市民の会の集いの場でもある「くま川ハウス」のオープニングイベントが、5月21日に行われます。これまで、毎週水曜日の事務局会や、署名用紙やビラ等の印刷、会員の語らいの場として使われてきました。ハウスの中も、印刷機やコピー・電話・FAXやデスクなどの事務用品や、43インチ大画面のテレビ・ビデオ・ステレオ・水槽・コーヒーメーカー・キッチンなど、会員のみなさんの寄贈などによりとても充実し、楽しい雰囲気になりました。これからも、会員のみなさんを始め、いろいろなみなさんの楽しい集まりの場になってほしいと思います。

   完成間もない初代くま川ハウス
      1994年3月重松さん撮影
    左から藤原宏さん、青木栄さん、熊大の先生、原豊典さん、
    佐東チヨキさん、緒方紀郎さん、高場英二さん、緒方みどりさん

◆川辺川ダムで、
  清流球磨川も観光人吉も消滅する
        今が最後のチャンス!
           共に立ち上がろう!
 くま川ハウスの九日町側に、上のような看板を出しました。私たちの市民運動や、郷土の自然に対する思いを、どう市民にアピールして行くか、昨年の末から看板の文句を何度となく検討しました。大変目立つ大きな看板で、九日町の旅館街の窓からもはっきりと分かります。この看板とともに、市民が郷土の自然の危機について、目を開いてくれることを願わずにいられません。

◆水源開発問題全国連絡会の遠藤氏
  川辺川ダム建設予定地を視察に来人
 7月30日、31日の両日、水源開発全国連絡会と球磨川流域の各市民団体との共催で、1000人規模の全国集会(仮称・子守唄の里五木と清流球磨川を守る全国集会)を開きます。遠藤氏は、その準備のために5月5日から6日にかけて人吉を訪れました。1日目はダムサイト予定地や五木村の現状、相良村の既存の水路などを視察しました。
 2日目は、まず手渡す会のメンバー三人とともに人吉市役所を訪れ、経済部長や農業整備課長と話し合いを行いました。これは、ダムから水を引く事のよって成立する国営かんぱい事業が、農家からの申請によって行われる法律の建て前であるのに、人吉市を含む流域の市町村が本来の業務をおろそかにして総ががりでその同意印を取りまくっている事に対して市の姿勢を質したものです。
 午後は、相良村柳瀬の川辺川と球磨川上流部との合流点で、清流と濁流のくっきりした違いを確認。球磨川左岸に広がる水田地帯の広がりを視察し、ダムに代わる洪水対策の案作りに着手しようと話し合いました。

   五木村頭地 1994年 手渡す会撮影


◆「川辺川利水事業」計画変更の
   同意取得に問題あり!
 「川辺川利水事業」計画変更の同意取得作業が、2月より始まっています。川辺川ダムを造り、その水を農業用水として利用しようという26年前(昭和43年)に計画された事業ですが、社会情勢が一変した現在、「これ以上水が欲しい」という農家はほとんどいません。
 それならば、国営事業にかかる農家の直接負担金をゼロにして、受益農家を引き止めようとするのが今回の計画変更の大筋だといわれています。しかし、農家の直接負担金が減る分、市町村負担や県負担が増えています。流域の住民や県民は、知らない間にそのしわよせを受けているのです。巨額の税金がさして必要のない、そして害悪の大きい巨大なダムや水路を作るために使われるのです。
 農家にとっても、国営事業(ダムと幹線水路、ファームポンド)に対する負担金はゼロなのですが、その後に行われる県営や団体営の事業(末端水路など)に対しては負担金を払わねばならず、水代も払わねばならないのに、そこの所は口にせずに町の職員が一戸一戸農家を回り、同意印を集めています。 最近の新聞各紙によると、「水が欲しい」という農家はほとんど無いのに、利水事業の同意の印鑑は、受益者の8割も集まったといいます。なぜそういう事になるのでしょうか。
 我々が多良木町を中心に集めた農家の方々の証言です。
『役場のもんが何度もくっで、印鑑を押した』
『水のただで来るといわれたので、印鑑を押した』
『利水事業の取り消しの印鑑ちゅうで、印鑑を押した』
『国営の幹線水路は負担金はいらんで、その後は水のいるもんだけ水を引けばよかちゅうで、印鑑を押した』
『利水事業の除外地になったで、その印鑑と言われて押した』などなど……ひどい同意の取り方です。現在、「同意取り消しの通告書」集めに、手渡す会でも受益農家を回っています。受益者の2/3以上の同意で、この利水事業は始められるといわれます。ダム本体着工を阻止するためにも、よく分からぬまま印鑑を打たされてしまった農家の「同意取り消しの通告書」を一戸でも多く集めなければなりません。
 また、この利水事業の本質について、受益対象農家でも良く理解していない方が大変多いのが現実です。(でないと、農家の大部分は水はいらないと言っているのに8割も同意が取れるわけがありません)新聞投稿など、あらゆる方法でこの事実を住民に、行政に、議会に知らせて行かなければなりません。

     人吉新聞記事 1994年5月10日 

…今後の「手渡す会」スケジュール…
5月21日(土) くま川ハウス開き
6月4日(土)  「海・山・川を守る会」第6回九州住民運動交流合宿 生越忠先生の講演
  ~5日(日) 川辺川ダム本体着工阻止街頭宣伝
6月17日(金) 福岡賢生さん「国が川を壊す理由」出版祝賀会(PM7:00~青井神社)
7月10日(日) じいちゃん・ばあちゃんのやかた祭り
7月30日(土) 仮称・子守歌の里五木と清流球磨川を守る全国集会(カルチャーパレス大ホール) 
  ~31日(日)  川辺川ダム本体着工阻止街頭宣伝
一人でも多くの参加者を集め、市民に、全国に、郷土の危機をアピールしましょう!

2008年10月8日水曜日

会報かわうそ5号 1994年3月18日発行

会報 かわうそ 5号

      〔発行責任者]
        清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
        流域郡市民の会  会長 池井良暢
            1994年3月18日発行

◆水源開発計画の見直し機関設置を
   求める緊急集会、盛会裡に終わる
 昨年12月24日、「水源開発問題全国連絡会(以下、全国連絡会)」による五十嵐建設大臣との話合いが実現して以来、ダムなどの水源開発問題に関する行政の姿勢は、一歩の前進を示し始めました。「全国連絡会」(「手渡す会」も加盟)は、水源開発計画の見直し機関の設置に向けて積極的に関与していくために、去る2月24日(木)午後1時から衆議院第二議員会館にて各政党の代表者を迎えての集会を行い、全国各地16団体から120名の関係者が集い、私たち「手渡す会」からも、重松事務局長を始め3名が参加しました。
 話し合いにはそのうち30名ほどが参加し、建設省の用意した小さい会議室は一杯になりました。建設省側の出席者は、坂本河川開発課長(局長代理)、藤本調整官を含めた6名でした。「全国連絡会」が事前に渡しておいた要請書の3点に対して建設省側が答える形式で進みました。

①水源開発計画が立案されたのは今から数十年以上前のことであるが、そ の後の水需要の動向の変化で、水源開発事業そのものの必要性が失われ ている。それにもかかわらず、建設省がこれらの水源開発事業を今なお 推進する根拠を明確にされたい。

 これに対し藤本氏は、ダム建設は地元の自治体の決議を経て実施されているので法的に問題はないことを長々と説明し始めました。ダム建設の社会的な不必要性を質した申し入れに対し、法的手続き上問題がないことをその根拠として説明したものであったので、この取り違えた説明に対し皆の怒りが爆発し、話し合いは冒頭から紛糾しました。
 「仮に法律に則った手続きがされてきたとしても、20~40年も経って社会的に問題が生じてきたのだから見直すべきだというのが建設大臣の見解であるが、建設省(官僚)はその点をどめように認識し、反省しているのですか」という意見に対し、建設省側は沈黙してしまいました。「川辺川ダムの場合、地元自治体から出された建設促進の陳情書の内容は地元建設省工事事務所の指図によるものであり、文面も工事事務所と市執行部が打合せの上提出されたものであり、住民の意思が表明されたものではない」「昨年私たちが行った9月23日の郡市民大会と同じ日、同じ時刻に建設省主催で『川づくりフォーラム』が人吉市において開かれた。意図的なものがあったと思うがどうか」「地元の熊日新聞などに、公費を使ってダム建設のメリットだけとダムがさも自然環境保護に役立つかのような宣伝を大々的に行っているがどうか」等の追及をしましたが、以上のことについては本省はすべて関与していないし、知ってもいないという回答でした。

②水源開発事業に関連する諸データはほとんど公開されていない。ダムな どの開発水量の算出根拠、ダムの安全性に関わる地質調査データ、過去 の洪水の諸データと治水計画の根拠データ、自然環境への影響調査結果 などを公開されたい。

 藤本氏は、「住民から疑問があれば出してもらい、その疑問に即応して建設省側で解釈・整理したものを出す」と答え、坂本氏も「資料を出さなければならないという法律はないんですよ」と回答しました。 これに対し「全国連絡会」から「逆に出してはいけないという法律もないはずである。つまり、裁量権の問題なのだから大臣発言にしたがって資料を出すべきではないか」と迫りましたが、建設省側はまた沈黙してしまいました。

③建設省及び各地方建設局は今まで、水源開発計画の是非についての話し 合いにはほとんど応じてこなかった。計画の是非について真摯な議論が できるように、話合いの場を設けることを保証されたい。

 藤本氏は、「理解してもらうための説明はするが、対等の話合いというものではない」と私たちの要求をつっぱね、坂本氏は「現地の工事事務所で話し合いには応じるし、その権限も持っているので是非工事事務所と話し合ってもらいたい。そのように各事務所には指示してある」と述べました。     
 これに対し、「説明を承るのではなく、対等の話合いをすべきてある」とか「大臣は権限のない出先機関よりも本省とよく話し合うようにと言った」等指摘しましたが、坂本氏は「本省での話し合いは政策変更についてだと思う」と述べました。
 最後に、坂本氏は「全国連絡会と建設大臣との話合いの中で大臣が言明したことは守っていく」と述べました。以上のように、今回の話し合いは大臣言明の内容を建設官僚に確認させた点で大きな成果がありました。しかし、建設大臣との話合いのときの発言と今回の建設官僚の「お上意識」丸出しの姿勢との落差もかなり目立ちました。
    五木村頭地・五木東小学校 1994年 手渡す会撮影

◆川辺川ダム問題で紀平参議現地視察
 ~建設大臣への働きかけや国会議員への協力要請を約束~
 去る3月6日(日)、紀平参議が相良村を訪れ、私たち「手渡す会」及び川辺川利水事業見直しを求める「川辺川利水を考える会」(古川十市会長)のメンバーから地元の生の意見を聞いた後、高原(たかんばる)台地30haの農地を潤している既存の「川村飛行場用水路」、相良村六藤にある同用水路の川辺川取水口、さらにダム建設予定地、五木村頭地地区へも足を延ばし、現地調査をされました。
 紀平参議は今回、「手渡す会」が取り組んでいる国会、政府へ提出するダム建設凍結などを求める請願書の紹介議員になっていただき、地元の意見を聞くために現地入りされたもので、川辺川ダム問題で国会議員が現地入りしたのは初めてのことでありました。
 話合いのなかでは、「30年前に計画された事業で、既に現状にあわない」事を強調し、特に「利水を考える会」からは、現在「国営川辺川総合土地改良事業」に関係するおよそ4千戸の農家を対象に農水省が実施している計画変更概要の同意取得について、「農家の負担金が不要の本水路のみ前面に打ち出し、その後の農家負担事業は隠しながら同意取得を要請している」と実情を訴えました(関連記事は6ページにあり)。
 紀平参議は、「地元の世論をもっと盛り上げて欲しい」という注文をつけられた上で、「環境問題に関心が高い国会議員にも協力を要請し、全国規模で問題を提起していきたい」と述べられ、政府内に水源開発計画の見直し機関を設置するよう五十嵐建設大臣にも働きかけていくことを約束されました。
 「九州脊梁山地の原生林保護」に関して、超党派の女性議員を紹介議員に国会請願を実現した実績を持つ紀平参議への期待は大きいものがありますが、それと並行してその他の国会議員や政党に対しても、今後継続した働きかけをしていくつもりです。
    五木村頭地の風景 1994年 手渡す会撮影


◆人吉市内地区集会で住民の声を聞く
  ~水害常襲地域の駒井田町、紺屋町、九日町で開催~
 前号で紹介しました1月25日の下青井地区集会に続いて、2月には9日に駒井田町、12日に紺屋町、15日に九日町で地区集会を開催しました。 今回の集会の何よりの成果は、水害常襲地域に住む住民の方々が川辺川ダムについてどのように考えているかという生の声を聞けたことでした。
 各集会では、下青井地区と同様にまず「山は崩れる~ある巨大ダムからの報告」というビデオを見ていただいて、意見交換をしました。駒井田地区では、同じく水害常襲地域である球磨村一勝地にお住いの有岡利枝さんから、過去の水害の体験を聞く中で、それが市房ダムから緊急放流のために引き起こされたものであることは誰の目にも明らかな事実であるという証言がなされました。「人吉からダム放流のサイレンが鳴り、水が流されるぞと聞いて30分もしないうちに急激に増水した。ものすごい水の荒さで、波が立ってくる感じであった。その後、これは市房ダムが一気に放水したためと思って、管理事務所に抗議の電話をしたが、私たちは計画通りに放水していると全く取り合わない。立ってくるような水は今までなかったことであり、ダムの放水以外に考えられない」と語られた。

 以下、各地区集会で地元住民から出されました主な意見を掲載します。
◆S4O年の大水害の時は大損害を被った。ここは市房ダムができる前は、ほとんど水害を受けることがなかったところであった。球磨川下りがなくなったら人吉はどうなるのか。川下り会社や観光業者は何を考えているのか、市民も心のなかでは大変なことだとわかっていながら、誰かがしてくれるだろうという感じではないか。(駒井田町住民)
◆人吉市民の大半は、ダム建設についてどっちつかずの状態ではないか。洪水か川の汚濁か二者択一で迷っているのではないか。(鬼木町住民)
◆今まで第三者的に見ていたが、川下りや鮎のことを考えるとダムは死活問題だ。(紺屋町住民)
◆この10年来、水害は起こっていない。今更ダムは作らなくてもいいのでは ないか。ダムができれば放水によってかえって危険性が高まるのではないか。(中青井町住民)
◆市町村が時代の変化はわかっているはずなのに、ダムを作っで欲しいという陳情をしている。今一番やらなくてはいけないことは、地元の市町村長に陳情を撤回させることではないか。(紺屋町住民)
◆計画以来30年近くたって、多目的でやる必要がなくなっているのではないか。ダムの放水時期を間違うと大変なことになる。水害から守るというが、川辺川ダムはかえって出来れば危険性が高まるのではないか。球磨川の水位低下、清流の消滅が人吉観光にマイナスになる。ダム建設は非常に金がかかる。必要性のないダムを作るということは、利権が絡んでいるとしか思えない。(九日町住民)
◆みんなダムには反対だが、それを表明できない原因があるのではないか。国や県が五木村や相良村の当事者にやる気をなくさせているので、その意識を変えさせないとどうにもならないのではないか。集会に人が集まらないのは、「もうどうしようもない」という意識があるからではないか。(九日町住民)
◆35才以下の人は洪水の経験がないし年配の人は反対運動が挫折した経験がある。人吉市民の関心の薄さはそこに原因があるのではないか。川のそばに住んでいる人が一番川のことを考えているので、水害常襲地域の球磨村や坂本村の人の話を、相良村ですることが必要ではないか。(九日町住民)

 これまで4ケ所で地区集会を開催してきましたが、まだまだ人吉市民の意識は低いと考えざるを得ません。ぽとんどの人が「ダムは必要ない」と考えているが、それを表明できない人が多い実態です。結局出てくるのは、「今更やっても手遅れだ」とか「相良や五木の事を考えると何も言えない」といった言葉であり、無関心と諦め感が支配的です。「まだ間に合う!」ということを具体的に知らしめていくことが、何よりも大切であると痛感しています。
    五木村頭地の風景 1994年 手渡す会撮影


◆我等の憩いの場所が出来たよ!
   皆さん、遊びに来てくださいね
 球磨川の中河原公園にあった食堂を改装し、この度事務所がオープンしました。30~40人は収容できる広いスペースと、窓から見える球磨川の流れがGOOD!今後は、単なる事務所としてだけではなく、いろんな人たちが気兼ねなく出入りできる雰囲気づくりをしながら、この事務所や中河原公園などを利用したいろんな催しを企画していきたいと考えています。皆さん、お気軽に足をお運びください。お待ちしています。

◆誰のため、何のための事業なのか? 
 ~川辺川利水事業計画概要変更を巡る
           「利水を考える会」の活動報告~
 農民の立場で利水問題について論議していこうと発足した「川辺川利水を考える会」(古川十市会長)は、2月8日に農水省が「国営川辺川総合土地改良事業」の計画変更概要を公告して以来、活発に活動を続けてこられました。 前述しました計画概要変更の公告ですが、「縦覧期間が2月14日まで5日間となっているが、公告したこと自体知らされず、期間中に休日や閉庁が挟まり縦覧する機会が十分与えられていない」として3月8日まで20日間の縦覧延長を、人吉市や球磨郡の4人の事業対象農家の方が九州農政局川辺川農業水利事業所に請願されました。
 これに対し、同事業所は「法の規定で縦覧期間は終わったが、引き続き市町村役場で公告資料を閲覧できるようにする」と回答。 しかし、今回の計画変更は概要の公告のみで、同意するか同意しないかを判断する上で内容が不明確(水代がいくらかかるか等)として、2月25日には再度同事業所を訪れ、畑英次郎農林水産大臣宛て請願書を提出されました。この請願書を提出するに当たって、短い期間の中で川辺川利水事業関係7市町村のうち人吉、相良、錦、多良木、深田の5市町村の161人の事業対象農家から署名を取られました。 請願の趣旨は、計画変更概要に不明確な点があり、同意取得の判断材料に欠けるとして、計画概要に疑問点の明示や充実追加を求めており、3月11日までに書面での回答を希望されています。
 また、順番が逆になりましたが、2月8日には国営川辺川利水事業の関係者を招いて説明会を相良村の新並木公民館で開催されました。質疑のなかで、この事業でいまだ明らかにされていない点について不満や要望が数多く出されました。
 例えば・・・▼現在本地域(旧飛行場地区)には、毎秒1tの水がきているが、利水事業の 場合は渇水期でも球磨川下りなど下流の水量を確保しなくてはならない。本 当に当地区の水量が確保できるのか。▼我々は現在自然流水を使っているが、揚水ポンプの電気代は負担することに なるのか、またいくらになるのか。▼事業の受益地となると、将来は宅地造成だけでなく企業進出も儘ならない。 普通の農地転用と同じというが不的確にされるのがおち。
 これに対し、事業所の説明は十分納得の行くものではなかったと言います。現在、計画変更の同意取得作業が各市町村で行われています。しかし聞くところによると、未だに「水はただで来るから、同意の判をくれ」と言って農家を回っている市町村があるとのこと。農民をだましてでも実施しようというこの川辺川利水事業って一体、誰のための、何のための事業なんでしょうか。
    五木村頭地の風景 1994年 手渡す会撮影

◆個人でもできる国会請願運動にご協力を!
 今回、紀平参議が国会請願の紹介議員になっていただいたことで、同封の「川辺川ダム建設の凍結と環境アセスメントの実施を求める請願(国会提出用)」用紙により、請願者1名からでも国会請願ができることになりました。 そこで私たち「手渡す会」では、会員の皆さんに請願用紙の「請願者、住所、氏名」欄に記入し捺印の上(「紹介議員」の欄は無記入で)、事務局まで送っていただき、入れ替わり立ち替わり個人名で国会請願をする運動を展開したいと考えています。
 この請願を繰り返すことにより、「国会議員公報」の請願事項の欄に何回も何回も掲載されることになり、国会議員も必ず目を通すことになり、長良川河口堰問題同様広く知らせる手立てとなるという利点があります。 是非、同封しました「請願用紙」を住所、氏名を記入し捺印の上、下記のところに郵送して下さい。御協力よろしくお願い致します。    〒868 人吉市北泉田町214  重松隆敏 まで

◆新刊図書紹介 
 毎日新聞人吉支局の福岡賢正記者が、一昨年毎日新聞熊本版に連載された「再考川辺川ダム」がいよいよ本になります!
 その名も・・・『国が川を壊す理由(わけ)』(葦書房、288ページ、定価:1550円[税込]) 3月下旬発売ということで、是非皆さん御購入の上、御一読いただければと思います。綿密な調査に基づき、川辺川ダムの問題点をズバリ指摘したすばらしい本です。(問合せ先:葦書房 電話092-761-2895)

◆情報告知板
◆川は誰のものかシンポジウム~相模大堰・川辺川ダム・長良川河口堰を通して日本の川を考える~*日時:4月9日(土) 14:00~17:30 
*場所:横浜開港記念館ホール(神奈川県庁そば、JR関内駅5分)
*内容:〔1部]シンポジウム(川辺川、長良川、相模川からの報告)
[2部]小室等(フォークシンガー)ミニコンサート、
[3部]・講演:村上康成さん(絵本作家)    
・対談:野田知佑さんと小室等さん
*入場料:大人2000円(前売1800円)
*主催:相模川キャンプインシンポジウム (電話0427-56-6916) 
◎前売り券があります。御希望の方は御連絡下さい。

◆秋津レークタウン 活き生きフェスタ
*日時:4月17日(日) 11時~15時 
*場所:秋津レークタウンクリニック(熊本市)
*内容:せせらぎトーク [進行:原田正純熊大医学部助教授]      
ゲスト:野田知佑さん(カヌーイスト、エッセイスト)          
緒方俊一郎さん(手渡す会、相良村医師)
*せせらぎトークは12:30~14:30の予定です。「手渡す会」からもパネル写真展示を会場にて行う予定です。皆さん是非おいで下さい!

◆編集後記
◆5ページで紹介しました新しい事務所の名称は「くま川ハウス」。 気軽にやってきて、川や自然についていろんな話ができるような憩いの場所 にしたいと思っています。「くま川ハウス」を利用した楽しい企画募集中!◆コピー機をゆずって下さい。事務所で使用します。無料・安価で譲ってもい いという方の御連絡を待っています! ◆自分の家に眠ったままになっている署名用紙がありませんか?・・・既に 署名を取って家に置いたままになっているものがありましたら、郵送か御持 参いただければ幸いです。(郵送先:〒868人吉市北泉田町214重松隆敏)◆今回の「編集後記」はお願いばかりになりました。カンパ、請願運動、署名 活動・・いろいろありますが出来るところから御協力を!(S.A)

2008年10月6日月曜日

会報かわうそ4号 1994年2月5日発行

会報 かわうそ 4号
         〔発行責任者]
          清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
          流域郡市民の会 会長 池井良暢
            1994年2月5日発行

◆できたらどうなる!川辺川ダム
 ~人吉市内で「ダム問題」を考える地区集会を開始!~
 川辺川ダム建設凍結へ向けてより広範な市民の理解を求め、協力をお願いするために、人吉市内において町内単位に集会を開催することを決め、その第1回目を去る1月25日、下青井町内会館において開催しました。下青井町は、球磨川辺りに位置し、過去何度となく川の氾濫による被害を被ってきた「水害常襲地域」ですが、今回集会に参加した下青井町住民の方からは「下青井は、以前から水害常襲地帯でした。しかし、市房ダムが完成した後のS40年大水害の時には、今までと比べものがないくらいの水が流れ込みました。結局、市房ダムから一気に放流されたためだと思います。その時、ダムにたまったヘドロも一緒に流し、水害後の後片付けの際ヘドロを取り除くのに苦労しました」という発言があり、ダムができることによりかえって水害の危険性が高くなるという指摘がなされました(集会の詳しい内容は2頁以降を御覧下さい)。
     朝日新聞記事 1994年1月27日

 これからこのような地区集会を重ねながら、上記のような地域住民の証言を数多く集め、川辺川ダム建設推進派が唱える「ダム必要論」の根拠を突き崩して行かなければなりません。そして、より多くの人吉市民の皆さんに「ダムができたら大変なことになる」という認識を深めてもらわなければなりません。 当面、下記の日程で地区集会を実施します。会員の皆さんの参加もお待ちしております。

★これからの地区集会の開催日程★ 
2月8日(火)19時~  駒井田町地区集会(駒井田町会館)  
  12日(土)19時~  紺屋町地区集会(紺屋町会館) 
  15日(火)19時~  九日町地区集会(紺屋町会館) 
※ビデオ上映「山は崩れる(四国・早明浦ダム)」及び球磨村、坂本村 の水害地域住民等から証言していただく予定です。

◆一ツ瀬川の二の舞だけは阻止を!
 ~下青井地区集会で、西都市住民、
         ダム建設による影響を語る~

 1月25日、人吉市内の町内会毎にダム建設の問題点を訴える地区集会を、下青井町から開始しました。事前に、下青井町及び近隣の町内への集会案内のチラシ配布、街宣カーによる宣伝、新聞広告による宣伝等行った結集、約30名の参加がありました。
 最初に、今から1O年前にNHKテレビで放映された「山は崩れる~ある巨大ダムからの報告~」のビデオを上映。これは、四国・吉野川上流にS48年に建設された早明浦ダムが地域住民の生活を脅かすさまざまな問題を引き起こしているという内容で、その生々しい映像に参加者はテレビを食い入るように見つめていました。
 ビデオではまず、大雨後のダム水位の急上昇、その後の水位低下によって引き起こされる「湛水(たんすい)地すべり」の映像を紹介。山腹の至る所で、大小合わせて1万ケ所の土砂崩壊が発生し、ダムが建設された大川村住民が毎日土砂崩壊の危険にさらされている姿により、「人間の計算をはるかに超えた自然のしっぺ返し」をまざまざと思い知らされました。また、「ダム湖へ土砂堆積」の急激な進行についてもふれ、建設後わずか10年にして堆積容量の30%も埋まってしまい、それを食い止めるためには155ヶ所の砂防ダム建設が必要という話に驚いてしまいました。さらには、治水も含めた多目的ダムとして建設されたはずなのに、建設後3年目の大雨の際、ダムを満水にして一気に放水したため「ダム直下の地域に大災害」をもたらした映像も紹介されました。
 そして、ダム建設前に4000人いた大川村の人口は、建設後700人にまで激減し「急速な過疎化」が進んでいました。村の面積の94%を山林が占める大川村は、林業が主要な産業である訳ですが、過疎化の進行により林業労働者が減少し手入れもされぬまま放置された山林の増加により、「自然災害を大きくしている」ということでした。
 この大川村の現状は、そのままダム建設後の五木村の将来を暗示しているようで、背筋が寒くなる思いがしました。ビデオでは紹介されませんでしたが、我が国屈指の清流と言われていた吉野川は、ダム建設後その様相を一変させます。台風が襲った後1年にもわたり「川の汚濁」が続き、鮎の漁獲量が激減し、「流域の観光業にも深刻な影響」を与えているということです。
 ビデオ上映の後、池井会長より挨拶、重松事務局長より経過説明。会場には、宮崎県・一ツ瀬川の上流から下流の移り変わりを撮影しかパネル写真20点を展示し、「ダムができることにより川がどう変貌してしまうか」についてより認識を深められるようにしました。 そして、一ツ瀬ダム下流の宮崎県西都市杉安町からはるばる来ていただいた、杉安町区長の池水正武さん(61)と公民館長の杉田英広さん(63)に、ダムによる自然環境と地域経済の変化について話していただきました。

◇池水正武さんさんの話
 九州電力が工事主体である「一ッ瀬ダム」は、S35年工事着工、S38年6月発電を開始(18万kw)。当時の杉安町は、旅館5軒、料理店、魚屋、遊船、ボート等もあり、貸切りバスや国鉄(妻線)納涼列車により多くの観先客が訪れ、キャンプ村もあった。一ッ瀬川下流のこの町にある杉安峡は「日向の嵐山」と呼ばれ、アユ等の川魚が豊富で屋形船や小型遊船が15、6隻あり、旅館や料理店は繁盛していた。
 しかし、ダム完成後の一ッ瀬川と西都市は大きく変貌した。(1)澄み切った美しい川が濁り川に変貌、(2)バラス、砂がなくなる、(3)水温が下がり魚の成長が遅れる(現在は鮎は一匹もおらず)、(4)観光客の減少による過疎化が進行する、(5)旅館・商店が廃業・・・。そこで地元住民の取り組みとして、S40年9月 予期しない濁水に陳情を行う、S41年8月 九電社長に陳情(商店街は「ダムができるともうかる」と期待していたが、それが甘かったことを痛感し、さらに予想もしなかった濁水について陳情)、S46年9月 県知事に陳情、S49年3月 県議会に請願、S50年1月 知事に再度陳情、S50年2月 知事現地訪問、S53年1月 知事に再々陳情を繰り返した。
 これに対して九電は、ようやくS49年7月に「選択取水装置」を設置する(ところがこの設備がいかに子供だましのものであったか)、そしてS50年3月 漁協、改良区、杉安商店会に補償、S60年12月 取水口にスクリーン(木の枝などを取り除くもの)設置、そして昨年、選択取水設備(取水口の高さ)の改造で15m→20mに。
 現在の活動として、1市2町により結成された「公害対策連絡協議会」は年1回だけ九州電力と交渉(たった1回わずか2時間、九電としては2時間じっと我慢すればよいというもの)。昨年6月、「県立杉安峡自然公園(自然林550本が自生)」の整備の陳情、及び11月 汚濁被害ダムの調査として、「奈良県十津川」を市議5名、県議1名視察。この川は、洪水をよく起こす川で約100年前(明治22年)に十津川村民の半分が北海道に移住したという話で有名。
 関西電力によって作られたこのダムは、汚濁解消のために「1週間かかってダムを干した」結果、短期間で清水になり効果があったとのこと。西都市議会の一般質問でも、「一ツ瀬ダムを干したら」ということが出され、「汚濁対策協議会」が設置されるようになった。県議会でも一般質問があり、十津川へ県担当職員(環境保険部長、環境保全課長)を視察のため派遣することになった。 ダム建設から30年たった今、依然として汚濁は解消されず(特に昨年の梅雨時期から半年以上も汚濁が続いている)、「魚のいない死に川」になっている。ダムができて何一ついいことがなかった。皆さんには一ツ瀬川の二の舞にならないように頑張っでほしい。
続いて、現在は農業をされている杉田さんより話していただいた。
      遊船が浮かび旅館が立ち並ぶかつての杉安町

      遊船や旅館、観光客の姿が消えた現在の杉安町  手渡す会撮影

◇杉田英広さんの話
 一ツ瀬川下流の杉安町に住んでいる。杉安の川の石は、30年間の濁りのため真っ黒になった。だから魚もいない。ダムができたら絶対いいことはない。杉安の川の水は、川底が見えないほど茶色に濁り、水を採取して2~3日おくと何かがたくさん浮遊している。流れが速い瀬の石は、白くなければならないが真っ黒。川下から風が吹くと、水の臭いにおいが鼻につく。だから、川をのぞく人は誰もいない。
 我々はダムができて30年間苦しんでいる。我々は水に親しむ権利があるはずなのに、それもままならない。夏休みの宿題の絵を書いていた子どもが、川の色を茶色に塗っていた。結局、子ども達は生まれたときから濁った川の色しか見ておらず、あの濁り水が本当の川の色だと思っている。 昨年、水利権の更新があった(30年毎更新)。更新が終わり印鑑をもらった後は、ずっと濁り水が流されてきていまだに濁りはとれない。やり方が非常に汚い。
 ダムができると水温が下がり、夏でもとても冷たくて川には入れない。その冷たい水をポンプアップして田へ水を引いているが、同じ時期に植えた稲でも10km下流の方が実がつくのは10日ぐらい早い(水路を通っている間に水温が上がるため)。畑地かんがいにはスプリンクラーを使用するが、冷たい水をかけることになるため、スプリンクラーを付けたものの使うことがない。 川辺川ダムができれば、球磨川も一ツ瀬川と同じ濁り川になる。皆さんの力を合わせて、子孫のためにも一ツ瀬川の二の舞だけは踏まないでほしい。
     川辺川(1994年夏 相良村新村) 手渡す会撮影

◇MONTHLY PICK UP◇  
 ***12月下旬~2月初旬の出来事から***
◇水源開発問題全国連絡会、
   建設大臣との話し合い実現:12月24日
1.問題とされている水源開発計画の見直しについて
 (大臣)計画の見直しが必要。客観的に検討・評価して勧告する機関の設置が必要。なるべく早い機会に、検討の場づくりを行いたい。なお、現在工事進行中のものについては、見直しが完了するまでそ   れを凍結するということではない。
2.問題とされている水源開発計画に関する話し合いの保証
3.関連情報の公開の保証について
 (大臣)地方建設局は与えられた仕事をどんどんやるところなので、(基本的問題には)対応しようがないのでは。建設省とじっくり話し合う機会を持つのが必要。今日は建設省の担当者(河川局開発課   の坂本課長)も同席しているが、建設省本省(河川局)とよく話し合ってほしい。データは何でも公開というわけにはいかないだろうが、それについても話し合ってほしい。また、出先機関(地方建設局など)とも話し合ってほしい。
 (大臣からの要望)地元の自治体から事業促進の要請が出ていると、建設省としてもその要請を無視するわけには行かない。地元自治体ともよく話し合ってほしい。

☆以上のような建設大臣の前向きな発言を得ました。この成果を元に、12月27日には同席していた坂本河川局開発課長に対し、川辺川ダムについて関連するデータの提供を申し入れたところ、データの公開・提供を基本的に認めた上で、すべての資料が本省にある訳ではないので川辺川工事事務所所長に指示しておく旨の回答を得ました。それを受けて、川辺川工事事務所に資料請求を求めましたが、担当者不在ということで一度は流れてしまいました。早急に会見を申し入れ、再度資料提供を求めたいと考えています。

◇相良村の若手農民20名、
  「川辺川利水を考える会」を発足:12月下旬
 「川辺川利水を考える会」(古川十市会長)が今回発足したことで、川辺川ダムの建設目的の一つである「利水(かんがい)」事業の是否を巡る論議をさらに過熱するものと期待しています。ダム建設に関連して事業が進められている「農水省国営川辺川総合土地改良事業」は、昭和58年に着工したが、かんがいの取水源のダム本体工事の遅れで、すでに10年以上が経過。その問、減反政策や後継者不足などで農業情勢は目まぐるしく変化し、当初申請していた計画内容の修正を余儀無くされています。
 同会は、「農民の立場で利水問題に対する勉強会等を開催し、今後予定されている同事業の計画変更同意の手続きや利水事業全体の問題点を論議していこう」という主旨でスタートした訳でありますが、川辺川ダム建設推進派にとっては大きなウィークポイントであることは問違いありません。万一、川辺川ダム建設から「利水」の目的をはずすということになれば、ダム計画自体を根本的に見直さなければなりません。
 同会では、九州管内で国営事業を実施しているところを訪れ、実際に農民の声を聞くための見学会を1月に実施(第1回目は都城市を訪問)。また、第1回目の事業対象農家を集めての「座談会」を実施し、相良村井沢、並木野地区を中心に50名ほど集まったとのこと。参加者からは、事業の推進に疑問を呈する意見が相次いだ模様。今後は、相良村に限らず他の町村にも呼びかけて組織を大きくしていくということで、おおいに今後の活動に期待しています。
        人吉新聞記事 
          1993年12月28日

◇若い女性のグループ
 「やまんたろ・かわんたろの会」も旗揚げ!:1月
 人吉球磨の豊かな自然を愛する若い女性が、女性の視点で山や川のことについて考え、ひいては川辺川ダム問題についても考えようという意欲あふれる会が発足しました。私たち「郡市民の会」が投げかけた波紋は確実に広がりつつあることを実感します。今後、「映画とお話の夕べ」[3月19日(土):18時開場、18時30分開演、人吉カルチャーパレス小ホール〕や、白髪岳や市房、五木村での植林活動等、球磨川の上流と下流が手をつなげるようなネットワーク活動を展開していきたいということで、「やまんたろ・かわんたろの会」の精力的な活動により球磨川下流・八代市と中流・人吉市、そしてさらに上流の各町村との連携がますます深められることを期待するとともに、「郡市民の会」としても応援していきたいと思います。
      川辺川 1994年 手渡す会撮影

◇インフォメーション【映画とお話の夕べ】 
3月19日(土)18時30分~ 
★長編記録映画「荒川」上映(88分)
 ダムを誘致した山村を起点として、源流から東京湾までの水系169キロに及ぶ荒川の水路を辿りながら、現在的な川の様相と水問題を克明にルポルタージュしていく。私たちは、川をはじめとした自然にどう向き合っていくべきなのか・・・ 
★お話「山にこだわり川にこだわって」  
  話し手:中村益行さん(内大臣の自然を守る会、緑川の清流をとりもどす流域連絡会)

◇皆さんへの切なるお願いです!
その1・・・署名活動にご協力をお願いします! 
 ◎同封しました署名用紙1枚分で結構です。家族で埋められる分だけでもいい(子どももOK)ですので、御記入の上(氏名・住所はそれぞれ自筆で)大変お手数ですが、事務局(〒868人吉市北泉田町214 重松隆敏宅 電話0966-22-3917)までお送り下さい。
その2・・・一口1000円以上のカンパをお願いします!
 ◎前回会計報告しましたが、赤字財政という非常に厳しい台所事情であります。おまけに、郵便料金の値上げに伴いますます苦しい状況にあります。
 ◎同封の郵便振替用紙により、金額を御記入の上お送り下さい。
 学習資料である「再考川辺川ダム」と「人吉市議会ダム調査・対策特別委員会報告集」も、一冊各々500円カンパでお願いしているところです。御必要な方は、事務局まで御連絡して下さい。
    川辺川(1994年夏 相良村権現橋の河原)  手渡す会撮影

◇その他の主なスケジュール
◆アースウィークくまもと(4.17~24)へ「郡市民の会」として参加 
○期間中、熊本市下通り・上通りアーケードにて「ダム問題パネル写真」を展示する予定です!・・皆さん見にきて下さいね。 
○アースウィーク協賛企画:「活き生きフェスタ」(4.17)に参加
熊本市秋津新町にある「秋津レークタウンクリニック」(原田正純院長)において毎年開催されている、[いのち]や[健康]について考えるさまざまな催し。今回、フェスタ事務局長の稲津さん(レークタウンクリニック勤務)より連絡を受け、今回は川をテーマにしたトークショーを企画したいということで、「郡市民  の会」にも協力の要請がありました。予定では・・・野田知佑さん(手渡す会会長)と、原田正純さん  によるトークショーが開催される予定です!

◇編集後記
▽川辺川ダム問題に取り組み始めてからというもの、川やダムに関係する書籍にやっぱり目がいく。最近読んだもので印象に残っているものと言えは、『川歌』という漫画(青柳裕介作)である。▽物語の舞台は、高知県東部の物部(もののべ)川上流の小さな山村である。ガラッバやら山の神さんやらが登場し、川で元気に遊ぶ子ども達や山や川などの自然と共に生きる人達の姿が生き生きと描かれている。▽『川は、川を用水路と履き違えた者達の手でコンクリートで固められていく。用水路と化した川では、もう子ども達の歓声も・・シバテン(ガラッパ)の川歌も聞かれない・・』この漫画の中に出てくる一文である。山、川、木、草など自然界のありとあらゆるものに対する〈敬愛〉の情に満ちあふれている作品です。是非、是非御一読を!▽ちなみに、『川歌』はビッグコミックス(小学館)より第1集~4集まで発売中(定価500円)。でも、人吉市内の書店ではなかなか見かけません。皆さんもおすすめの一冊がありましたら、是非お知らせ下さい。(S.A)
●会員の皆さんからの投書を受け付けます!・・川辺川に寄せる想いやダム問題についての御意見、これからの運動の進め方についての提案等、何でも結構です。下記のところまでお送りください。
 〒868-03 熊本県球磨郡錦町西796 青木栄まで

2008年10月5日日曜日

会報かわうそ3号 1993年12月20日発行

会報 かわうそ 3号
        [発行責任者]
          清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
          流域郡市民の会 会長 池井 良暢
             1993年12月20日発行

◆川辺川ダム建設凍結のために
     住民パワーを結集させましょう!
  ~1年間の活動の総括とこれからの運動の方向性~
 川辺川ダム建設凍結へ向けて、全国組織「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す会[以下手渡す会]」(会長:野田知佑)が結成されて1年、地元組織「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会[以下郡市民の会〕」(会長:池井良暢)が結成されて4ケ月が過ぎました。
 私達はその間、さまざまな運動を展開し多くの賛同者を得る中で、大きな成果を残してきました。「手渡す会」の会長に野田知佑さんが就任していただいたことが、この運動を幅広いものにする意味でブラスに働いたことは言うまでもありません。野田さんの影響力により、全国各地から数多くの署名と熱い連帯のメッセージ・激励をいただき、その度毎に「よし!もうひと頑張り」というエネルギーが湧いてきました。
 しかし、ダム建設計画から27年も経過する中で、「今更運動をしても遅い」 とか「移転した五木村の人達のことをどう考えているのか」といった言葉をささやく一部の人達、あるいは「お上の決めたことだからどうにもならない」という諦め感を持つ人や「建設されようとされまいと別にどっちでもいい」という無関心層の人達がまだまだ多い実態、そして「川辺川ダム建設促進協議会」に結集する地元行政の姿勢等を考えた時に、いろんな方面での活動を展開してきた私達の運動を再度、「川辺川ダム建設凍結に対する地域住民の合意形成」という点に絞り、署名活動を中心に据えてやっていく必要性があると考えます。 建設省のある役人も、ダム建設の見直しをする条件として「ダム建設に替る代替案が示されること」及び「ダム建設反対の地域住民の合意がとれること」をあげています。
 この1年間建設省は、地元新聞に何回となく「川辺川ダムはふるさとを水害から守ります、豊かな流れを確保します、地域の発展を支えます、地域の歴史・文化や自然と調和を図ります」というキャッチフレーズの下、住民をあざむくまやかしの宣伝広告を掲載してきました(その広告費は、私達が払った税金を使っているのです)。また、「自然にやさしい川づくりフォーラム」とか水没予定地での「親子スケッチ大会」等、ソフトイメージで住民の啓蒙活動を展開しています。球磨川・川辺川を「魚ののぼりやすい川づくり」の指定河川にすることと引き換えに、「川辺川ダム建設促進」を今以上に行うよう地元行政の尻を叩いている建設省の姿も見られます。
 金と権力を握る建設省やそれに繋がる建設業界、政治家に対して、私達には金も権力もありませんが、ふるさとを心から愛する気持ちと「住民自治」実現のために活動するエネルギーは満ちあふれています。
 1993年の終わりに当たり、「手渡す会」「郡市民の会」の活動を総括し、正念場となるであろう来年度の活動の方向性について会員の皆様へ提案し、さらなる御協力をお願い申し上げます。
     建設省の看板(五木村頭地) 1993年10月11日 手渡す会撮影

◎この1年間の主な活動の総括
◆「川辺川ダム建設凍結」
       を求める署名活動
 1992年11月14日、全国組織「手渡す会」が発足し、ただちに政府の関係各省庁へ提出する署名活動を開始。93年8月8日、「郡市民の会」発足後は、地元議会(人吉市、相良村)への陳情のための署名活動も併せて実施。
 その結果、現在までに4万人近い賛同の署名をいただいています。しかし、署名の実働者が少ない実態や、また9月は「郡市民大会の準備、10~11月は「利水事業」見直しを求めるための農民対策・相良村長選挙対策に時間を割いたため、最も重要な地元での署名活動が組織的・計画的に実施できず、地元議会に陳情するにふさわしい数がまだ集まっていない状況です。
    球磨川・川辺川合流点 1993年10月9日 手渡す会撮影 
    市房ダムの放流で球磨川は濁っている。
    画面右下の清流は、小さで川の澄んだ流れ。

◆対行政(首長、議会)対策
 93年3月22日、「手渡す会」として「川辺川ダム建設促進協議会」会長である福永人吉市長に対し、①ダム建設計画発表から四半世紀過ぎ、必要性に疑問が生じている中でなぜダム建設の促進をするのか、②昭和51年以来実施された人吉市議会ダム問題調査・対策特別委員会による「ダム建設による商工観光、農政に及ぼす影響調査報告」をどう評価し、対応してきたのかという公開質問状を提出しました。回答はあったものの質問には答えず、ただダム建設を推進せねばならぬという姿勢のみしか見られませんでした。
 同年7月12日、衆議院選挙熊本県2区立候補者全員に対し、「川辺川ダム建設計画に対する公開質問状」を郵送。回答があったのは、落選した社会党の馬場昇氏と共産党の小田憲郎氏のみでした。
 同年8月、人吉市・相良村・球磨村全議員に対し、「再考川辺川ダム」及び「郡市民の会設立趣意書」を郵送。その後今日に至るまで、相良村において2~3名の議員の方が「利水事業見直し」を中心に議会で質問をしていただいたり、人吉市においては「郡市民の会」の話を聞きたいという議員の方が出てきている状況です(残念ながら球磨村では何ら動きはありませんでした)。
 同年10月13日、相良村長選挙(11月7日投票)前に、高岡・宮崎両候補に対し「川辺川ダム建設計画に関する公開質問状」を提出しました。宮崎氏からは「ダム建設一時凍結に賛成」「利水事業見直しに賛成」という誠意ある回答をいただきましたが、高岡氏からは「回答すれば選挙に不利になる」ということで何ら回答がありませんでした。その後、人吉球磨一円に「公開質問状回答」チラシ入れを実施し、情宣活動をしました。村長選挙の結果は、「ダム建設一時凍結」を掲げた宮崎氏が善戦したものの、現職の高岡氏に惜しくも敗れてしまいました。しかし、この選挙をきっかけにダム建設予定地の相良村において「ダム建設見直し」を求める声が高まりつつあります。
     五木村頭地橋とお墓 1993年 手渡す会撮影

◆「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民大会」の開催
 1993年9月23日、カルチャーパレス大ホールに約700名の参加を得て、大成功裡に終えました。短い取り組みの中数多くの参加者を得、講師の方々の説得力ある話により「もっと川辺川ダムのことについて勉強したい」という人が増え、その後の運動に弾みをつけました。また、九州各県から多数の方々に集まってもらい、より広範な運動にする足掛かりともなりました。

◆「川辺川利水事業」見直しを求める運動
    (川辺川利水事業対象農家対策)
 1993年8月、梅山究氏(前相良村教育長)による人吉新聞投稿「川辺川利水を斬る」をきっかけに、前述の「郡市民大会」以後、精力的に農家対策を実施しました。今日の農業を取り巻く情勢の厳しさの中、農家に新たな負担を強いる「川辺川利水事業(人吉・相良・山江・錦・深田・須恵・多良木の7市町村の対象農家の畑にダムから水を引く国営事業)」は、参加を希望する農家が少ない中で強行されようとしており、そのためこの利水事業の問題点をまとめたチラシを対象農家全戸にほぼ配布。その後、10月17日に多良木町黒肥地において「川辺川利水事業を考える座談会」(28名参加)を、1O月26日には相良村において農民作家・山下惣一氏を講師に「水と農業を語る」講演会(120名参加)を実施し、十分情報が流されていない利水事業について問題提起し、意見交換をしました。
 実際に、一軒一軒農家を訪ね、利水事業についての考え(ほとんどの農家が必要ないと答えた)を聞くことができ、自信を持って取り組みを進めました。その後の成果として、「利水事業を考える会」という農家の方の組織が結成され、独白に活動を進められることになりました。

◆運動のネットワーク化を図る取り組み
      (全国各地の団体との交流)
 「手渡す会」の活動を全面的にバックアッブしていただいた「ウオーターネットワークくまもと」・・・昨年12月から今年の11月まで開催された「野田知佑グローバルトーク」では、各界の著名人を講師に招き実施されましたが、「手渡す会」からも毎回参加し「川辺川ダム建設凍結」運動のアピールや署名活動を展開し、県内各地にこの運動を広げることができました。
 また今年のゴールデンウィークには、神奈川県相模大堰建設反対グループとの交流を深め、初めて街頭でのアピール行動を雨天の中実施しました。楽しく運動を進めながらも、大堰建設の問題点やそれに替る代替案を学問的に立証し、提示する地道な取り組みが印象に残りました。
 同年10月30~31日、宮崎県門川町で「第5回海・山・川を守る九州交流合宿」が開催され、「郡市民の会」からも5名参加しました。その結果、九州各地で環境問題に取り紹んでいるグループのネットワーク化を進めて行くために、「九州環境問題研究所」(仮称)を作り、調査の依頼や人材の派遣等を担う新しい組織の必要性が提示されました。また、第6回九州交流合宿を来春人吉市か五木村で開催できないかという打診を受けています。
 同年9月11日には「水源開発問題全国連絡会」(17団体)が結成され、「手渡す会」及び「郡市民の会」共に加盟し、全国のダム建設反対運動団体との情報交換・連携を図って行くことになりました。そして11月16日、五十嵐建設大臣との直接交渉の場が設けられ、重松事務局長が出席し訴えました。また、「全国連絡会」としては①ダム建設計画の見直し、②今後の話合いの場の保証、③関連情報の公開の保証の3点について要請をしました。その結果この取り組みが効を泰し、建設大臣は「河口堰を含む大規模事業を見直すための政府機構の創設に着手する」ことを述べるまでになりました(詳しくは後述)。長良川河口堰問題を中心に、今後の動向か注目されます。

◆ダム見学ツアーの実施
  (ダム建設後の環境・地域経済影響調査)
 まず93年6月6日、宮崎県の一ツ瀬ダム(九州最大のアーチ式ダム)及び下流の西都市を訪れました(参加者41名)。同年11月23日、室原知幸氏「蜂の巣城」のダム反対闘争で有名になった大分県の下笙(しもうけ)ダムそして松原ダム、及び下流に位置する日田市を訪問しました(参加者41名)。
 いずれも現地の人から話をうかがったが、ダム湖水の黒濁りは解消せず、赤潮が頻繁に発生しているとのことで、選択取水装置もほとんど機能していない状況であった。両地域ともダム下流は観光地となっているが、ダム建設後「清流」が「濁流」に変わり、商工観光に大きなダメージを与えています。その後、見学報告記を地元の「人吉新聞」に掲載してもらい、広く郡市民にも訴えることができました。自分達の目で確かめることの大切さを痛感しました。


   宮崎県の一ツ瀬ダムの湖面を埋めつくした流木 1993年 重松撮影

     大分県の下笙(しもうけ)ダム、松原ダム見学
      1993年11月23日 緒方撮影

◆財政活動(会員拡大、「再考川辺川ダム」の普及等)

 1993年8月8日に「郡市民の会」が発足した当初、会員数は114名でした。現在の会員数が210名ということで、4ケ月経過した割には会員数が伸び悩んでしまいました。今後、会員拡大にも力を入れることが必要です。 学習資料「再考川辺川ダム」の普及活動については、1000冊以上カンパで買い求めていただき、まずまずの成果であったと思います。「再考川辺川ダム」一冊を読んでいただけば、問題点がすべてわかるという面からしても今後益々その普及活動に力を入れて行かなければなりません。
 これら2つが主な収入源であり、この1年間さまざまな活動を展開した結果別紙「会計報告」にありますように大きな赤字を抱えてしまう状況になっています。現在、活動に賛同していただいた方からのカンパを唯一の財源として活動をしている以上、さらに財政的な援助を各方面にお願いし、早急に財政の確立を図らなければなりません。


◆その他の学習・宣伝活動
 以上あげた以外に、「人吉市議会ダム問題調査・対策特別委員会報告」を冊子にし、各方面に配布し、また私達の学習資料にもしました。この報告書によると、いかにダム建設が大きな問題を孕んでいるかが明白であり、今後行政対策の貴重な資料としてさらに活用していくことが必要です。
 93年3月には、人吉市内の全町内会長宅へ前述した「報告書」並びに「人吉市長への公開質問状」を郵送し情宣に努めました。同年8月には、水没予定地の五木村全世帯に「再考川辺川ダム」と「郡市民の会設立趣意書」を郵送し、私達の考えとダム建設に伴うさまざまな問題点を訴えました。さらに、84年にNHKで放映された「山は崩れる」という、四国・早明浦ダムにおける地すべりの被害を伝えるビデオの上映会を同年10月に実施、地元の地質に詳しい原田正史氏の話も併せて聞きました。
 その他、地元の「人吉新聞」を中心に川辺川ダム問題についての投稿活動を実施し、この1年間で頻繁に掲載され、世論を盛り上げるのに効果を発揮しました。

◎当面する具体的な運動について
 この1年間の運動の総括を踏まえて、来年度の運動の方向性について提案します。1年間で積み上げてきたものをさらに大きくするために、またこれまで十分できなかった面を補強するために、以下のような取り組みを考えています。
◆継続性、計画性のある署名活動の実施
 「手渡す会」の活動の中心を成すのは、「地域住民合意形成」のための署名活動です。しかし、年間総括でもふれたようにさまざまな課題に直面する中で、地元・人吉球磨地域での署名活動が十分できませんでした。
 今年11月、建設大臣交渉を実現させそれなりの回答を引き出した余勢を駆っ
て、今度は地元行政に対して「川辺川ダムは必要ない」という地域住民の圧倒的多数の声をぶつけるときです。そのためにも、人吉球磨地区(特にその中心である人吉市)において多数の署名を集めなければなりません。
 3月定例議会前に、まず人吉市議会に対して多数の署名を添えて陳情する予定です。あと2ケ月間を多くの人の協力の下、効率よく署名を集めるために具体的に以下のような活動を行います。

①人吉球磨郡市で、署名活動をしていただける人を掘り起こします!(会員各自が、署名活動に協力してくれそうな人に当たっていく)
②川辺川ダム問題を本当に理解し、署名活動を積極的に担ってくれる人を拡大するために、人吉市内の各町内単位で「ミニ集会」を開催します!

 署名用紙は事務局に準備しています。皆様方の御協力を切にお願いします。署名活動と並行して、人吉市内全町開催を目標に「ミニ集会」を開催し、「川辺川ダムが出来れば、川がどのように変化し、地域経済にどんな影響をもたらすか」ということを、ビデオ上映や写真展示などを通して「視覚」的にわかるような中味を用意して訴えたいと思っています。
 つきましては、人吉在住の方には「ミニ集会」開催のためにいろいろ御相談することがあるかと思います。是非、御協力をお願い致します。 来年1~2月は、この署名活動と「ミニ集会」開催に全力を注ぎたいと思っています!

◆ゴールデンウィークをめどに、
  全国レベル・九州レベルの集会を開催
 川辺川ダム問題への取り組みも、かなり広範な人達の支援を受け、広がりのある運動に成長しつつあります。そこで、さらに全国的な運動の盛り上がりを作り出し、そして人吉球磨地域住民の関心をさらに高めるために、以下のような企画を考えています。

①全国のダム問題に取り組む団体のネットワーク組織である「水源開発問題全国連絡会」からの要請を受け、人吉の地で「全国ダム問題シンポジウム(仮称)」を開催する
②九州内で環境問題に取り組んでいる団体を集め、「海・山・川を守 る九州交流合宿(第6回)」を開催する

 これらの集会の成功により、川辺川ダム問題を全国的に広めることも可能です。いずれもゴールデンウィーク中かその前後に開催したいと思っています。数多くの参加者を確保するためにも、署名活動と並行して準備を進めていきたいと考えています。「全国ダム問題シンポジウム(仮称)」については、実行委員会を結成し、より広範な層に呼びかけて実行委員になっていただき準備に当たって行きたいと思います。

◆財政活動
 別紙会計報告のように、現在のところ赤字財政で運営しています。今回会員になっていたたいていない方にも会報を郵送しましたが、是非入会していただきますようよろしくお願い致します。
 また、既に会員になっていただいている方につきましては、毎月会報「かわうそ」をお送りします。その際、毎回郵便振替用紙を同封し、一ロ1000円のカンパ(何口でも結構、多ければ多いほど有難いですが)をお願いすることにしました(年会費1000円だけでは、正直なところ郵送費だけで使い切っ
でしまう状況です)。財政面でのバックアップもお願い致します。
 学習資料「再考川辺川ダム」につきましては、もし何部かほしいということてしたら、事務局へお問い合わせいただければお送りしますので、お申し込み下さい。

①既会員の方; 同封の郵便振替用紙により、一口1000円(何口でも可)のカンパをお願い致します。
②未会員の方: 同封の郵便振替用紙により、年会費1000円をお支払いただき、会員になって下さい。別途カンパももちろん大歓迎です。
③「再考川辺川ダム」がほレい方:事務局へお問い合せ下さい。(事務局:人吉市北泉田町214-3 重松隆敏宅まで)

☆その他、建設省の大量宣伝に対抗する手股として、「手渡す会」としてもダム問題をまとめたパンフレット作成にも着手したいと考えています。また、「手渡す会」とは別に川辺川ダム問題を考える団体がいくつか誕生しています。川辺川利水事業対象農家の方による「川辺川利水を考える会」をはじめ、球磨川下流の八代市や地元人吉市において女性を中心にしたグループづくりが進められいると聞きます。運動は着実に広がっています!

◆建設大臣交渉が実を結びました!
   まずは一歩前進 頑張れ!五十嵐建設大臣
 政府は、長良川河口堰や臨海副都心など自民党政権から引き継いだ大規な事業について、計画規模や事業のあり方を見直す新たな機関を政府部内に設置する方向で検討に入りました。この新たな機関は、五十嵐建設大臣が今月8日の衆議院予算委員会で、長良川河口堰問題についての答弁の中で明らかにしたものです。
 この中で大臣は、「建設に20年から30年もかかる大規模なプロジェクトは、その問様々な社会的変化、価値観の変化が出てくる。現在でも有効性があるのかどうか、確認する機関が必要だと思う」と述べて、大規模事業を見直す新たな機関を政府部内に設置する必要性を強調しまじた。
 大臣はこの新たな機関を政府内に設ける方向で検討するよう細川首相や石田総務庁長官らに提案して了承を得たもので、このうち石田長官は「自民党政権から引き継いだ事業にづいて、現政権としてチェックする機関があるべきで、総務庁として検討に着手する」と答え、政府として新機関設置の検討に入りました。新機関創設は細川政権として行政の透明化を進めることを狙ったものですが、大規模事業を進めている官庁側が強く抵抗することは必至で、今後論議を呼ぶことになりそうです。 【93年12月15日(水)8;30~8;35 NHKニュースより】

 しかし、細川連立政権が長良川河口堰やダム建設を始めとした大規模事業の見直しに踏み出すために越えるべきハードルは、何といっても金丸信の下でゼネコン型腐敗政権の中枢にいた「新生党」をどうするかということであります。その新生党と足並みを揃える公明党・・・石田総務長官(公明党委員長)、よろしく頼みますよ! 五十嵐建設大臣、建設官僚の圧力に屈せず是非とも頑張ってください!
 政・財・官の癒着した腐敗構造を断ち切ることが、本当の政治改革であるはずです。長良川河口堰建設をストップさせ、20~30年前計画されたプロジェクトを中止に追い込んで行くために、さらなる世論の盛り上がりを作ろう!

#編集後記#
◆早いもので1993年も終わりに近づきました。今回、1年間の総括をするに当たり資料を引っ張り出して見ていたら、「ああこの1年よくこれだけやったなあ」という感慨が込み上げてきました。◆「手渡す会」としてスタートした時がわずか9名の集まりでした。その後、いろんな人達の賛同によりここまでやってこれたと思います。◆1994年は、この活動を通してまた新たな出会いがあるはずです。「きつかー」だけでは運動は長続きしません、楽しくなければダメです。「手渡す会」・・・そして皆さんにとって、またよい1年になることを祈念します。(S.A)

会報かわうそ2号 1993年10月13日発行

会報 かわうそ 2号
     [発行責任者]  
       清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
       流域郡市民の会
             会長 池井良暢
             1993年10月13日発行

◆「川辺川ダム建設凍結」へ向けて
                   さらなる前進
 ~「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民大会」
                      に700名が参加 ~
 去る9月23日(木)14時より、人吉カルチャーパレスにおいて「流域郡市民大会」が開催された。1000名目標で取り組んだが、取り組み期間が短く、参加人数の把握も十分できない中での700名の参加であり、これは大きな成果と言える。会員の皆さんの多大なる御尽力の賜物であり、厚く感謝申し上げます。
 参加者も人吉球磨郡市のみならず、県下各地あるいは九州各県から多くの方々に参加していただいた。それだけ、「川辺川ダム問題」に対して関心が高いということであり、日本に残された数少ない清流を残そう、五木村を救おう、ダムはいらないという意識をいかにたくさんの人達がもっているかの現れでもある。参加者の年齢層も幅広く、下は小・中・高校生の参加もあり女性の参加も目立った。また、地元の議員の参加もあり、人吉市・相良村・五木村より来ていただいた(中には、同じ日に建設省主催で開催された「川づくりフォーラム」に参加した後、顔を見せた議員もいた)。
 当日の大会は、池井良暢会長の「主催者挨拶」の後、重松隆敏事務局長が「経過報告」「基調報告」を行い、その後4名の方々の講演に移った。
◆基調講演「環境と人間」 原田正純熊本大学医学部助教授
     (水俣病問題に永年関わっておられる公害問題研究の第一人者)
◆実践講座 「魚から見たダムと魚道」 君塚芳輝二松学舎大学講師(魚類学者)
◆記念講演 「ダムに頼らない村づくり」 保母武彦島根大学法文学部教授
         (宍道湖淡水化阻止の理論的指導者)
◆フリートーク 「川辺川をめぐる想い」 野田知佑氏(作家、カヌーイスト)
  ☆講演の内容(要旨)は、次回報告します。(現在、講演のテープおこしを行っているところです)

 また、当日飛び入り参加のお二人も素晴らしい歌と話を聞かせていただいた。免田町在住の甲斐あきひろさんは、現在の五木村住民の心情を「五木の子守唄」の歌詞を変えて歌われ、参加者の涙を誘っていた。
 応援メッセージの山下弘文さん(日本湿地ネットワーク代表、長崎県諌早市在住)は、元気が出る話しっぷりで、訴えるポイントが明確でわかりやすく大変好評であった。

 講演の後、「大会スローガン採択」そして「大会宣言採択」を経て、緒方俊一郎副会長の「閉会挨拶」で幕を閉じた(18時閉会)。
 延々4時間にも及ぶ大イベントで少々長すぎた感もあったが、それぞれの内容はどれも素晴らしく、聞くものを飽きさせることがなかった。大会に参加した人、何人かに意見を聞いても、「もっと勉強しなければならないと思った」という人や、「とにかく何かしなければと思った。とりあえず私の知人に署名を頼もうと思うから署名用紙を下さい」という人や、「再考川辺川ダムを売りまくるからいっぱいくれ!」という人など、前向きの姿勢の人が格段に増えたことがわかる。新聞記事でこの大会のことを知り、大会に参加した後さっそく事務局員となり、現在バリバリ頑張っている人もいる。また一つ、仲間の輪が広がっていくのを実感できる。
 大会参加者へのアンケート調査も実施した(回答総数:121名)。「あなたは川辺川ダム建設をどう思いますか」という質問に対して、A.反対:80名、B.凍結すべき:41名、C。必要:O名ということで、回答者すべてが「反対」か「凍結」という意見であった。

 また郡市民大会後、各方面に大きな反響を投げかけることができた。特に「川辺川ダム促進協議会」を設立し、「建設促進」に邁進する地元自治体は10月1日に総会を開き、今後の対応を話し合っている。新聞報道によると私たちの運動が盛り上がりを見せている中で川辺川ダムがスムーズに進むかどうか不安であるという意見が続出したとのこと。最後には、「川辺川ダム建設事業を強力に推進し、予算の大幅な増額を図る」など6項目を決議している。建設促進に邁進する地元自治体の姿勢を問いただす上でも、今後何等かの対応が必要である。

 五木村9月定例議会でも、以下のような質問・意見が出され、西村村長は次のように回答している(人吉新聞[10月1日]参照)。
 Q.頭地代替地はどの場所から始めるのか?調印していない世帯数は?
 A.建設省は今年秋に南側から着工したいといっている。調印については土地所有者49人のうち38人に協力してもらっており、造成が始まると2、3人が協力して頂くようになっている。松本地区の二度移転や登記で難しい点があるが、建設省では随時関係者に協力を依頼中。

 Q.未来に手渡す流域郡市民の会について、村としてこのまま放っておいていいのか。
 A.24、5年前のことであれば考えもあったが、今ではダムによる新しい村づくりに邁進している。私たちとしては、こういうことにとらわれず新しい村づくりを進めていきたい。

 Q.村長三期目の具体的な政策は?
 A.ダムによる新しい村づくりが私の政策だ。

 Q.立村計画は現実にあったものに考え直すべきではないか。
 A.その時、その時でよいものについては見直したい。

 Q.凍結を訴えている会の代表と会って対応するべき。もし凍結にでもなれば補償金をとって離村が相次ぐのではないか。
 A.私が代表と会って話をすると注目を集めるので、建設省や県、議会、執行部で話を聞くほうが賢明だと患っている。

 いずれにせよ、私たちの会の存在がある意味で認知された結果と言える。五木村に対しては、「ダムに頼る村づくり」ではなく「ダムに頼らない村づくり」に展望を見出だしてもらうため、私たちの考える五木村立村計画を提示する必要性がある。
     ダム取付け道路から見た、
     ダム水没予定地内にある野原小学校
      1993年10月11日 手渡す会撮影


      ダム水没予定地内にある野原小学校前での
      大山次郎さん、原豊典さん  1993年10月11日 手渡す会撮影


     頭地代替地予定地の縄文遺跡の発掘現場
      1993年10月11日 手渡す会撮影

 現在事務局を中心に、川辺川ダム建設の目的の一つである「利水事業」が行き詰まりを見せている現状を捕らえ、利水事業受益者農家対象にさまざまな情宣活動を展開しているところである。
 これまで行った活動は以下の通りである。
 10月2日(土)多良木町黒肥地地区へのチラシ(川辺川利水事業の問題点をまとめたもの)配布行動
    3日(日)深田村、須恵村へのチラシ配布行動
   10日(日) 相良村へのチラシ配布行動
   11日(月)    同上
 この川辺川利水事業は、受益者農家の同意が取れなければ実施できないものであり、利水事業の根本的な見直しがなされるようであれば、川辺川ダム建設自体も再度見直しをしなければならなくなる。そのような意味でも、利水事業を巡る農民の方々の動向次第で、「川辺川ダム建設凍結」実現も可能である。 利水事業の予算要求の締切りが10月中とのこと。10月中に受益者農家の同意がとれなければ予算要求できず、来年度の事業もできない。多くの農民にこの問題を知ってもらわなければならない。
      人吉新聞記事(1993年9月24日)

2008年10月4日土曜日

会報かわうそ1号 1993年8月20日発行

会報 かわうそ(「流域部市民の会」通信)
             NO.1       
           発行:清流球磨川・川辺川を未来に手渡す
               流域郡市民の会   会長 池井 良暢
                 1993年8月20日発行   


◆流域郡市民の会いよいよスタート!
 去る8月8日(日)14時より、人吉市青井神社「参集殿]におきまして、「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会発会式」が行われた。
 開会の後、発起人代表の池井良暢さん(くまがわ共和国大統領、元中学校校長・多良木町)が発会に当たって挨拶。つづいて、西清説さん(元人吉市議会議員、人吉市)が祝辞を述べられ、前田明美さん(多良木中学校事務職員、人吉市)より「祝詞・祝電]が披露された。全国各地からいただいた祝詞・祝電18通は以下の通りである(敬称略)。
 ◆野田知佑(カヌーイスト、エッセイスト、清流球磨川・川辺川を未来に手渡す会代表)
 ◆中川典子(くまもとWATERネットワーク事務局)
 ◆松本悟(福岡市・博多湾の豊かな自然を未に伝える市民の会・和白干潟を守る会会員)
 ◆嶋津暉之(東京の水を考える会)
 ◆坂原辰男(田中正造大学)
 ◆高橋恵子(東京・金的浄水場の水をおいしくする会)
 ◆岡田一慶(神奈川・相槙川キャンプインシンポジウム代表)
 ◆かながわ水・環境問題を考える会
 ◆篠田健三(神奈川・宮ケ瀬ダム問題を考える県民の会)
 ◆矢山有作(岡山・ストップザ苫旧ダムの会)
 ◆酒井輿部(福井・足羽川ダム阻止全国地権者同盟)
 ◆カモカワマコト(日本野鳥の会長崎県支部長)
 ◆オガタイイチロウ(産業廃棄物を考える熊本連絡会)
 ◆串山弘助大統領他3名(八代・河童共和国)
 ◆明翫勇一郎(神奈川・川と海の環境を守る会会長)
 ◆球磨焼酎をこよなく愛し、球磨川・川辺川を守る東京の会)
 ◆三輪春男(長良川水系・木を守る会)
 ◆倉重紀嗣(神奈川県藤沢市・「川を下る緑」代表)


   手渡す会の発会式(1993年8月8日 人吉市青井神社)
   右端が池井会長、一人おいて高場英二さん、
吉村勝徳さん、福岡賢正さん

 次に、青木栄さん(球磨工業高校教諭、錦町)より「経過報告」がなされた。
 そして、重松隆敏さん(元人吉市議会議員、北泉田町町内会長、人吉)より延々1時間にわたって詳細に「基調提案」がなされた。「初めにダムありき」「崩壊したダム建設の目的」「水が濁れば万事休す」「自然との共存こそ最高の生き方」「五木の人たちへ訴える」という5点にわたり、過去の経緯をふまえた提案がなされた。
 議事に入り、「会則」「役員体制」「当面する運動計画」について提案があり、それぞれ承認された。                               
      挨拶する池井良暢会長、手前は重松隆敏事務局長


◆「清流を残せ」・・一熱いメッセージ!
 次に3名の方から「意見発表」していただいた。アウトドアスポーツ(カヌー、マウンテンバイク等)に関心を持つ柳原哲郎君(人吉高校1年生)は、「僕達は夏といえばほとんどプールには行かず、川辺川で泳いでいる。子どもたちにとっても今のままの川辺川があるということはとてもいいこと。もし川辺川ダムができたら将来、僕達が大人になって自分達の子どもにどう説明すればいいのか。今を生きる僕達子どもに余り負担をかけないで欲しい」という要求が出された。

 水上村・古屋敷小教諭の松本圭子さんは、「今私は、市房ダムから数km上流に住んでいます。先日、一ツ瀕ダム見学ツアーに参加してびっくりした。上流の村所は清流であったのが、ほんの数km下っただけで水の色が変わり始め、最後には真っ黒になってしまい、赤潮まで発生していた,インディアンの古くからの言い伝えには、木を切ったりするなど自然を変える際には『七世代先のことを考えて決める』ということがある。七世代先の子ども達のためになると思ったら実行するし、ためにならないと思ったらやめる、七世代先の子ども達のためになることは自分達のためにもなることだからやってもよいという考えをもっている。川辺川ダムができた場合、七世代先の子ども達のためになるのか、不安に思わざるを得ないし、今を生きる私たちが大きな責任を負っていることになる」と発言された。

 最後に、川漁師の吉村勝徳さんは、魚道のことを中心に発言された。「球磨川下流に2つのダムができてから、それ以前に生息していたヨシノボリやウナギがなぜいなくなったのか。ダムを造るときに魚道を造らなかったからだと言われれば一言もないが、ところが魚道をできたからといって自由に魚が往来できたかと言えば甚だ疑問である。本来、魚道というのは上りも下りの使うものであるはずだが、今あるものは上るときのことは考えてあるが、下るときのことは考慮されていない。現在は、落差が5m以上の堰を道れば魚は上らないというのが定説。
 球磨川・川辺川は、「魚ののぼりやすい川づくり」の指定を受けたが、たった年間1億円の予算で、財政的にも技術的にも何かできるというのだろうか。今の魚道では、上流へ上った魚が下るときのことは何も考えていない。ダム直下の激流を見ると、あの中に揉まれた魚がはたして何匹下まで無事たどり着けるか、疑問に思わざるを得ない。
 去年は120万匹自然遡上した。今年は、80万匹しかない。毎晩シラスすくいをして、一人たったの100匹しかとれない(10匹とってやっと2g),なぜこんなに少ないのか?…それは、上流がだめになり下流に下る魚が少ないからであり、また河口に産卵するところ場所がなくなったからである。
 市房ダムができる前は、川辺川なんか問題にならなかった。球磨川が鮎の中心であった。ところが今や球磨川の鮎なんて見向きもされない,球磨川の鮎のウルカはとても商品にできず、砂が入っていてジャリジャリしている。現在の川辺川は、濁っても1週間すれば奇麗に澄む。合流点から下流の球磨川は、川辺川の奇麗な水でうすめられるからなかなかその濁りに気づかないが、球磨川上流は15~20日間は濁りがとれない。市房ダムの濁り水の放流が原因だと断定してよい。また、川辺川にダムができ、市房・川辺川両方のダムから一緒に放流されればどうなるのか?先日(8月1日)の球磨村・坂本村・芦北町の水害も、もう少し市房ダムが放流を辛抱すれば起こらなかった。このような洪水のときに魚はどこにいるのか?‥・昔は、護岸工事などされていなかったので、流れの早い洪水のときでも岩場の陰などに捕まりじっとしていることができた。ところが今や、護岸工事の結果ツルツルになってしまい、つかまるところがないので下流へ流れて行ってしまう。今年はほとんど流されてしまっているので、今年の鮎は絶望であろう。
 相良村四浦の大井手の堰…ここは鮎解禁の時期に鮎がたくさんたまるところである。それを上るために、ある高名な先生を呼び、意見を聞いたところ 「魚は雨どい一本あれば上る」と言われた。ところが結果はどうか?‥‥そのような魚道が今度また下流に造られようとしている」と、自分の長年の体験を元に迫力のある言葉で訴えられた。

     意見発表する川漁師の吉村勝徳さん


◆ダムができて何にもいいことなし
 その後、「スローガン採択」した後、閉会した。引き続き、先日訪れた宮崎県西都市杉安町の池水さんより、「一ツ瀬ダム下流域の現状」と題し、体験報告をしていただいた。 「杉安町は一ツ瀬川下流の町で、かつては”日向の嵐山”と言われるほど風光明媚なところであり、旅館もたくさんあり、造船・納涼バス・列車・キャンプ村等、さまざまな観光施設かおり、たいへん活気がある町であった。
 ところが、S35年に工事着工された一ツ瀬ダムがS38年に完成してから状況は一変する。当初、”西日本一のアーチ式ダム”と宣伝され、国道219号線の付け替え道路もできる、補償金も入り、ダムブームという状況であり、濁水のことなどは当時夢にも思わなかった。しかし、ダム完成後最初の梅雨でさっそく濁水化してしまったのである。今年の大雨の影響で、一ツ瀬川は”これが川の水なのか”と思うほど、全く死んだ川になっており、田んぼの水のような状態になっている。余りにも濁りがひどいので、S40年に陳情がなされたが、濁りを解消することはほとんど不可能の状態であった。砂やバラズがなくなり、自然は大きく変わってしまった。ダムから冷たい水が放流されるため川の水温も下がり、今や川で泳ぐ子どもは一人もいない。鮎を放流しても、1週間から10日ほど遅れる。そのうち、観光客は来なくなり、過疎も始まり、鮎や清流に依存していた旅館はつぶれ、今一軒もない。大変さびしい町になってしまった。
 このような問題は、地域住民が運動して阻止するしかない,私たちはもう手遅れである。濁り水解消のため運動をしても、改善がなされるまで10年かかる。陳情してやっとS49年に”選択取水装置”が設置されたが、濁りは解消できない。そしてやっと、今年の3月に取水口を5m下げた。一回造られてしまえば、改善させるのは大変である。
 ダムができて何もいいことはない。”ダムができてよかったのは、造った本人ただ一人でしょう”と、地域の人はみんな言っている。このすばらしい環境を守るのも皆さんの力しかおりません。」                   

◆治水・利水どれをとってもダムはいらない
     ・・・かえってダムは危険!
 最後に、記念講演として「再考川辺川ダム」を新聞連載された、毎日新聞記者の福岡賢正さんより、「川辺川ダムと人吉球磨の将来」と題して講演してもらった。
 以下がその要点である‥
 まず、「川辺川ダムの治水」について、今年大雨が降った8月1日の降水量のデータと過去の水害時のデータを比較しながらの話であった。

◆今年の雨は、10年に一度の大雨であった。しかし、人吉市の被害は過去に比べて被害が少なかった。S40年水害のときは、山はハゲ山が多く(植林の40%は幼齢林であった)、流出係数がかなり違ったためであろう。
◆今年8月1日の大雨の時、最も球磨川の水位が高かったのは、16時40分に3
m66cm。350t放水で人吉地点まで2時間かかったとして、14時40分頃の放水によるものである。14時40分時点での流入量が360t/秒、放水量352.34t/秒で、わずか8 t/秒しかカットてきていないこととなり、市房ダムはほとんど洪水調節には役立っていないことの証明になる。
◆川辺川ダムは計画によると、最大計画流大量を3520t/秒にしてある。これは、流域を長方形になっていると仮定し、流域全域に降った雨が同じ量・時間降っ
たと仮定して計算している。ところが、流域各地点の最大雨量は時間によってずれている。今年のように、何日もまとまった雨が続けば事前にかなりの量の流入があり、計画よりも早く満杯になることが予想され、結果として流入量以上の放水がなされることになり、一番肝心なときに洪水調節がてきないことになる。

次に、「川辺川ダムの利水事業]の問題点についてである。
◆現在相良村においては、川辺川の水をポンプアップして利用している。それを、ダムに貯めた水を利用に変えるということであるが、最も水が必要な時期(5~9月)は川辺川の水量も多く、十分賄える量あり、わざわざダムを造らなくても今ある取水施設を拡充、改良すれば水は確保できる。
◆渇水期のとき、下流域の流量確保のため利水にまわす水がないことも考えられる。本当に水が必要なときにダムから水がこない。お茶の防霜のための水は、渇水期の1~2月に必要だが、水の供給がないことが十分考えられる。

       講演する福岡賢正さん

     発会式後の懇親会(1993年8月8日 青井神社)
     左から重松隆敏さん、一人おいて山下完二さん、緒方俊一郎さん